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◆松岡和子訳『ロミオとジュリエット シェイクスピア全集』ちくま文庫

おはようございます。

年末のスピルバーグ監督作「ウエスト・サイド・ストーリー」が今から楽しみで、どこかで、これは『ロミオとジュリエット』が元になっているのかなぁ、と気になっていた作品を知ることができて良い時間になりました。

解釈(中野春夫さん)に「もともと『ロミオとジュリエット』自体がエリザベス朝の恋愛ミュージカルという色彩を持っていた。」と書かれていて納得しました。結末を知らずに読み始めた私は、もちろんのこと舞台も見ておらず、その演出にコーラスが付いているのかいないのかもわかりませんが、セリフに詩的な表現や比喩が多く、たとえ節がついていなくとも、歌う演技を伴っての舞台がミュージカルとするならば、詩の多いセリフはそのままでもミュージカルという色彩を持っているだろうと腑に落ちたからです。126ページのジュリエットが「見かけとはまるで裏腹!」とロミオのことを言うシーンでは、そのための比喩があらゆるものを使って12個も並べられていて感嘆しました。

解説から学ぶことはまだあって、『ロミオとジュリエット』が書かれたと推定される時期(こんなにも有名なのに先に読んだハムレットもそうでしたが、シェイクスピアの作品はいつ初めて書かれたのかと言うことが残っている訳ではないようで、多くの研究がされているとのこと、それほど、当時は自然と生活にシェイクスピアの作品が馴染んでいたのでしょうか。全集読んでいく中で、その辺も徐々にわかってくるのだろうかと楽しみにしています。)はペストの大流行でロンドンの劇場は閉鎖されていたこともあり、シェイクスピアはソネットや物語詩の執筆に専念していたとのこと。劇場の立場がうっすらと今の時代に重なるようで、驚きました。

ギリシャやローマの神話から比喩に富んだ下ネタまで幅広いセリフの数々にシェイクスピアとはどんな人だったのか、多くの人が研究対象として惹きつけられることも必然だなぁと思いながら次の作品『マクベス』も楽しみたいと思います。


今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

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