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読書感想:塩野七生『ルネサンスの女たち 塩野七生ルネサンス著作集2』

 読んだのは2001年発行の単行本。珍しく私が単行本を読もうと思ったのは図書館での選択がそれしかなかったからであるが、読み終わった今とても良い選択だったと思っている。本屋さんで文庫本を見つけて手にとっては知識がないから楽しめないかもなぁと棚に戻してきた題名だった。昨年末にヨーロッパを旅行して、やっぱり中世のヨーロッパをある程度知っておきたい、と帰国してから『皇帝フリードリッヒ2世の生涯 上』から読みはじめたのであった。12世紀から15世紀にかけてのエピソードをいくつか読んだ上での今回の挑戦だった。とはいえ、万事において気楽に取り組んでいるため読み終えた今も紹介されている女性達4人の時間軸は私の中で濃霧状態である。しかし全く道が見えなかった五里霧中からは足元に道はあるようだと見える程度にはなってきた。時間軸はわからなくても1人1人選び抜かれた魅力的な登場人物の物語はすっきりとして具体的な文脈から想像することがとても面白い時間であった。そしてもうひとつ今回の版がよかったことは、なぜ塩野七生という名前で発表することになったのかなどを含めたエピソードが対談形式で書かれている「末章 メイキング『ルネサンスの女たち』」が収録されていたことだ。今までエッセイなどから塩野さんが若い頃、イタリアをはじめ地中海世界を旅したことを断片的に読んできたことが具体的にどのようにして回ったかなども語られている。

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