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◆松岡和子訳『リア王 シェイクスピア全集』ちくま文庫

おはようございます。

5刊目、リア王。これは高校生の時に読んだ気がする!もしかしたらはじめて読んだシェイクスピアかも、なんだか最後はちょっと救われた気がして、上手くいけばハッピーエンドだったっけ?と言う、儚い思い出を元に読み始めました。皆んなが仲良くなって踊りながら終わるのがハッピーエンドとするならばそうではない最後で、私の記憶とはなんて曖昧なのだ…、と思った次第でした。

面白いなぁ、と思った記憶は正しく、意地悪をした姉2人には罰が降り、王も最後は末娘への思いを悔い改め、詫び、幸せを願うようになる、という、エイヤー!という元気のよい勧善懲悪ではありませんが、行いはいつか自分にもきちんと返ってくるよ、というしっとりとした救いがある物語だなと思いました。

今回読んで、感動したのは、嵐の中、リア王が喚いている横で、道化がそれに付き合っていた場面。王に向かっておじさんと呼びかけ、時には、もちろん笑いのためではあるけれど、痛切な批判を浴びせる道化が、ただ1人、周囲が気が狂って嵐のなかでおかしくなり、どうしたものかと思っているリア王の相手を必死にしていると考えると、そのプロ根性に胸が熱くなりました。エドガーの最後は幸せであってほしい。

皆様も素敵な1日をお過ごし下さい。

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