Miles Davis の『Kind of Blue』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は Miles Davis の『Kind of Blue』を聴いてみた編をお届けします。

始まりも終わりも存在しない、美しく漂う自由さとドラマチックなメロディ。

モダンジャズの原点的一枚です。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

画像1


1.So What

Miles Davisの口癖をタイトルにした曲。忍び足で怪しげに始まる。力強く堂々と、でもまだまだ何かを隠しているようなトランペット。ベースのベンベンと深く低く響く音がめっちゃ気持ち良い。テナーサックスは前回レビューしたJohn Coltraneなんだ…!今回はアルトサックスの方も居る。サックス2人、ピアノ2人居るの豪華。楽器が距離感を変え、立ち位置を変え、耳の中で奏でていて、耳の中がジャズバーになった。わかりやすいクライマックスがないから、ずっと続くと錯覚してしまうけどちゃんと終わった。ずっと何かを隠し持っていた。

2.Freddie Freeloader

ドラムの刻むリズムが好き。ピアノの軽やかな足取りと、適宜良いタイミングで登場しては、味付けしてスッと気配消す立ち振る舞い、お洒落すぎる。気配りが凄い。一曲目より愉快。2:27〜スコーン!と抜けるってよりかは、ちょっとほろ酔いで上目遣いな(?)ふにゃんとした隙のあるトランペット演奏、美しくてあざとい。4:50〜ここでも演奏バトルをしている。高速の指さばきで威嚇してる。トランペットVSサックス。どちらも良い…。

3.Blue In Green

ビックリするほどしっとり、夜のジャズバーになった。全楽器から猛烈な色気がダダ漏れている。ソワソワ…緊張する。トランペットが歌うバラード。甘い。サックスと入れ替わり、みんなそれぞれしっとり歌い始める。ピアノの存在感の駆け引きが絶妙。ジョンコルトレーンの「俺だけを見ろ!!」感が抑えられている。気づいたら終わっていた。終わるぞ!感が一切出ないのもモードジャズっぽさらしい。

4.All Blues

ピアノが馬みたい。どうやって弾いてるんだ…?シリアスな雰囲気になった。みんな伸び伸びとしているけど、アドリブも沢山あるし、ジャズは空気の読み合いなんだろうな。トランペンからサックスへのバトンタッチがいつもスマート。5:44〜自由に演奏しているかと思いきやピアノに合わせ出すの格好良い。ジャズをやれば周囲の人に気を配る力が培われそう。即興であればあるほど鍛えられるだろうな。緊張感を保ちながら、「ここで終わるの…!?いいの!?」ってところでフェードアウトしていく。

5.Flamenco Sketches

月明かりが綺麗な夜来た。頭の中でウイスキーのCM流れてる。カウンターに立つ井川遙さんが見える。トランペットの掠れた音と高音の行き来が堪らなく雰囲気が良い。3:25〜サックスの音階をリズミカルに細やかに転がっていくの格好良い…。自由な演奏をピアノがずっと優しく支えている。主役になっても優しい。なんてドラマチックな空間なんだ…!静かで上品な終わり方。

画像2

画像3

Miles Davis は 1944年に活動を始めたアメリカのジャズトランペット奏者。「モダン・ジャズの帝王」とも呼ばれている。本作は、1000万枚以上売り上げたジャズ界のモンスター的アルバム。


ジャズには色々な演奏の決まり事があり、時代によって形を変えて来たのだと学びました…!

ハードバップ→メロディアスな演奏ができる代わりに、和音からはずれた音は使えなかったりと制限がある

モードジャズ(今回のアルバム)→音の配列に従って演奏を行うことで、アドリブの範囲が広がった

簡単に整理すると、こういうことらしいです。

たしかに、ソロプレイの自由さは要所要所で感じられた気がする…!

始まりも終わりもない、というモードジャズらしさによっても、どっぷりと世界観に浸ることができました!

Miles Davisのトランペットはもちろん、またJohn Coltraneのサックスが聴けたのも嬉しかったな〜


次回は特別編!5/25の発売を記念して・・・

RAYの『Green』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

いつもこのレビューを楽しんで読んで下さる皆様に、内山が届けている音楽もぜひ、聴いて頂けたら嬉しいです!


最後まで読んでくださり、有難う御座いました。

サポートをしてくださった貴方には57577で貴方宛のお礼のメッセージをお送りします!