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ヨーグルトを食べるときにはどうかトルコのことも思い出してください。

みなさんヨーグルト発祥の地はどこか知っていますか?

「ブルガリアヨーグルト」「ギリシャヨーグルト」などから「ブルガリア」や「ギリシャ」を思い浮かべる人がほとんどなのでははないでしょうか?

違うんです!実はヨーグルト発祥の地はトルコと考えられています!
※諸説あります。最下部で補足しています。

この記事を通して伝えたいのは

ぜひみなさんヨーグルトを食べるときには、トルコのことも思い出してあげてください!

たったそれだけです。本当は起源なんてどこでもいいんです。ただ、こんなにもヨーグルトと密接な関係のトルコがブルガリアやギリシャの仲間に入れてもらえないのが嫌なんです。少しぐらいヨーグルトを見たときに思い出してくれてもいいじゃないですか!みなさんのうちの何人がヨーグルトを食べながらトルコに思いを馳せたことがあるっていうんですか!

圧倒的な知名度を誇るブルガリアヨーグルトやギリシャヨーグルトに盾突くなんてトルコとヨーグルトはどんな関係なんだ!と思われたそこのあなた。

そんなあなたのために、ここからそんなトルコとヨーグルトの関係について語っていきます。お時間があればぜひ覗いて行ってください。

発酵乳の起源

生乳を発酵乳(酸乳、凝乳)に加工することは、乳製品の中で最も古い歴史をもち、西アジアの遊牧民が起源と考えられています。遊牧民の生活の中で、肉食をするため屠畜を続けると畜群が消滅してしまいます。また、乳は栄養価も高く、遊牧民の食生活で重要なのは肉よりも乳であったのです。

しかし、生乳のままだとすぐに腐敗してしまうという問題があります。そこで、発酵乳などの乳製品に加工するわけです。生乳を放置しておくと、乳酸菌が増殖して乳酸発酵が進み、酸性化した乳の中では、腐敗をおこす微生物が繁殖しづらくなり、数日間は保存可能になるからです。

発酵乳の最初は、容器に保存していた乳の中に偶然乳酸菌が混入したことだと考えられています。偶然がこんなに美味しい食べ物を誕生させたわけです。偶然の産物万歳!

トルコとヨーグルトの関係

①トルコ民族
トルコ民族の本来の故郷はモンゴル高原の北、アジアの東北辺でありますが、長い年月の中で次第に南下西進し、中央アジアから西アジアに広く分布するようになりました。特に中央アジアは乾燥したステップ地帯で、遊牧民として暮らす者が多かったのです
また、トルコ系遊牧民のテュルクメンたちは、中央アジア以来の伝統のクムズという馬乳酒を持ち込んでいたのですが、遊牧生活の後退とともに廃れてしまいました。

このように、トルコ民族は遊牧民として暮らす者が多く、前で触れたように発酵乳と切っても切れない関係だったのです。トルコ民族や発酵乳の歴史から考えて、西アジア周辺で生まれたトルコ民族を含む遊牧民の発酵乳の文化が長い年月をかけて、中央アジア、アトリア半島に広がり、ヨーグルトが生まれ現在のトルコの食文化に影響を与えたと考えられます。

②トルコ料理とヨーグルト
ヨーグルトを使った料理が、現在のトルコ近辺で記された書物に1072年に初めて登場しています。実際にはヨーグルトはもっと以前から食べられていたと考えられています。

トルコでは、動物質としての乳製品と植物質としての豆類が副食品の中で主要な蛋白源となってきました。そのため、この2つはトルコ料理によく登場します。ヨーグルトにおいては、日本で使われるよりもっとさまざまな用途で使われます。

 Ⅰ.材料として(ハイダリー、アルトジャジュクルなど)
 Ⅱ.調味料として(スクマキョフ、ユバラマ、ヨウルト・チョルバスなど)
 Ⅲ.デザートとして(ペスティルリヨルートなど)
 Ⅳ.飲み物として(アイランなど)

そのため、トルコの一人あたりの年間消費量は約35.0㎏で世界1位です。
35㎏って日本人からしたら驚きますよね。毎日食べたとして、1日平均95g、一般的な市販のヨーグルトカップ1個分です。さすがですよね。

③「ヨーグルト」という単語
現在、世界中で使われている「ヨーグルト」という単語はトルコ語の「yoğrt/ヨウルト/発酵乳」という単語を起源としています。トルコ語の「ğ」は無声音で発音しないのですが、その「ğ」が外国語に受容されるときに「g」へと変化して世界中で使われている「ヨーグルト」という発音になったわけです。

※補足

発酵乳の記録は、世界各地に残っています。紀元前数千年前、人間が牧畜をはじめた頃から作られていおり、各地で特色ある発酵乳の類が食べられていたようです。本記事で紹介したように、「ヨーグルト」という言葉の起源や民族移動の歴史、トルコ料理におけるヨーグルトの多様な用途、使用量などから、ヨーグルト発祥の地はトルコであるというのが有力な説の一つではあります。

トルコのヨーグルトはめちゃくちゃ美味しい。

こんなヨーグルトと深い関係があるトルコ、ヨーグルトが美味しくないなんてありえないわけですよ。留学していた時、一日一食といわず、もはや毎食食べていたといっても過言ではありません。ヨーグルトは飲み物。間違いない。

トルコではスーパーマーケットでバケツに蓋がついたようなプラスチック製容器に入れられてキロ単位で売られています。もう、その容器を抱えて無限にヨーグルトを食べたいと何度思ったことか。
(残念ながら実行はできませんでしたが、次行ったときは必ず実行したいと思います。)

そんなトルコのことをヨーグルトを食べるたびに思い出してほしいです。
何回でも言います。

そしてトルコと聞いたら、ヨーグルトを思い出してください。
もしこれから先トルコに行くことがあれば、絶対ヨーグルトを食べてください。

私がお願いしたいのはたったそれだけです。

ひたすら、ヨーグルトへの愛を語ってきましたが、トルコ料理にはまだまだおいしいものがあります。またいろいろと紹介していきますね。

それではこのへんで。

お付き合いいただきありがとうございました。

参考文献リスト

石毛直道編(2008年)『発酵乳の文化・生理機能 世界の発酵乳 ~モンゴル・キルギス そして健康な未来へ~』はる書房
鈴木董(2002年)『世界の食文化-⑨ トルコ』農村漁村文化協会

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