見出し画像

家探し備忘録 〜内見編〜

前回の「検索編」では、Web上で物件を検索する際の悲喜こもごもについて書いた。


今回は「内見編」と題し、実際に物件を見て回った3日間について書こうと思う。

内見予約

約1ヶ月もの間SUUMOとgoodroomを1日に20回ほどリロードしては最新の物件情報を取得→問い合わせを繰り返し、最終的に4社の仲介会社を通じて内見の予約を行なった。

当初は吉祥寺エリアで物件を探していたため、早い段階から地元の仲介会社とメールでやりとりを重ねていたが、条件に適う物件があまりにも少なかったためギリギリまで粘ってキャンセルの連絡を入れた。担当者が良い人だっただけに心苦しかったが、良い物件がなければ元も子もない。

かわりに、高円寺と世田谷区という不思議な食べ合わせでエリアを絞った。予約を取り付けたのは以下の4社。

・関東圏で100店舗展開するA社の高円寺店
・仲介手数料半額で知られる大手B社
・世田谷区密着型の無名C社
・全国展開する大手D社


現在関西在住のため、内見は3連休を利用して遠征のうえ行なった。後日追加で見に行くことが難しいので、悔いが残らないよう厳選して詰め込んだ結果、3日間で14件17部屋を内見することになった。内見せずに家を決める人もいる中、かなりストイックなスケジュールだと自分でも思う。なぜか母も同行してくれた。

1日目


午前発の新幹線に乗り、午後イチで高円寺のA社へ。道中の車内でも検索を続けて目星をつけた物件の空室照会を依頼し、3件+先方が見繕った1件の計4件を内見することに。

1件目
先方が探してくれた自称デザイナーズ風アパート。古い。狭い。壁薄い。隣人はスケボー男。間取り図や平米数を見る限り広さに問題はなさそうだったが、“キッチンを含めた”8畳はとても狭く感じると学んだ。

母コメント「デザイナーズとは……?」


2件目
分譲賃貸マンション。真向かいがプレス工場で苦笑い。ゴミ捨て場に「分別しろ」駐輪場に「盗難いたずら多発」エレベーターホールに「ペットの足音注意」の張り紙を見かけて住民(もしくは地域住民)の民度を推し量るなど。共用部や水回りなど設備に新しさはあるものの、狭かった。

母コメント「共用部がラブホテルみたい」


3件目
新築デザイナーズマンション。昨秋竣工なのに10戸中2戸しか入居していなくて草。新築なので水回りがピカピカでテンションは上がったが、収納ゼロ+狭さがネック。

母コメント「(浴室を見て)小人のお風呂みたい」


4件目
クセすご物件。3階構造で空間を分けられるので在宅勤務向きでは?と思い内見を依頼したが、物件名がキラキラネームで一同半笑い。就寝スペースへ上がる梯子が怖すぎて即却下。地下のサニタリースペースへ降る階段も急だったので、住めばいつか怪我をしていたと思う。

母コメント「こわい」

2日目

この日は職場の後輩も同行してくれた。在宅勤務実践者ならではの視点に期待。

1件目
内見前の有力候補1位。B社担当者と現地集合現地解散。駅徒歩3分のデザイナーズマンション。駅近の利便性に唸る。収納の少なさと日当たりの悪さ、若干の狭さが難点だったが、築浅ならではのピカピカ水回りと無垢材のフローリングに惚れた。内見終了後、隣のボロアパートの廊下に「灰」と書かれた空き缶を後輩が発見。香りに敏感な私にとって、窓や通気口から入り込むタバコの臭いは死活問題。

母コメント「この街いいやん」

2件目
C社のオウンドメディアで見つけた内見前の有力候補2位。半地下+スキップフロアという変わった作りの良し悪しを実際に見て確かめたいと思っていた。日当たりは1件目ほど悪くなく、間取りも扱いやすそうだと感じた。キッチンの収納の少なさと洗濯機置き場の導線が気になったが、細かい意匠が私のツボを刺激し、内見中1番心が踊った。

母コメント「収納がたくさんある!」


3件目
C社掲載の1DKリノベマンション。広さとリノベ後の水回りに期待を寄せて向かったが、建物の荒廃っぷりに着いて唖然。「スラム街か?」と思うほど、共用部や他の居室が荒んでおり動悸がした。ボロボロのドアを開けた先はたしかに白を基調としていて清潔感こそあったが、隠しきれない細かな古さや施工の甘さが気になり、序盤の衝撃を挽回しきれなかった。

母コメント「このバルコニーは鳥が集まる」


4件目
こちらも古いマンションをリノベしたC社掲載物件。日当たり良好、元和室の名残である押入れの収納力、フローリングと浴室とキッチンには新しさがあり好印象。マイナスポイントはトイレの古さ(ポジティブに表現すればレトロと捉えることもできる)とベランダにある洗濯機置き場、壁の薄さ。1DKなのに家賃が安く、テンションはさほど上がらないが浮いたお金を他に回せそう。

母コメント「押入れは最強」

3日目

1件目
当初予定していたD社の物件を前日の結果をふまえてキャンセルし、かわりに前日2件目に内見した半地下の物件を再度見に行くことに。建具の寸法やコンセントの数、ブレーカーのアンペア値などを細かくチェック。エントランスのオートロックが機能しないなど不穏な出来事もあったが、概ねこの物件に心が決まりつつあった。

母コメント「隣に住んでいる(であろう)大家さんがどんな人か気になる」


2件目
C社が見繕ったマンション。そこそこ広くて明るくて新しいが、共用部や作りが全体的にダサかった。心踊らず。

母コメント「消臭用に置かれた芳香剤が臭い」


ここで、心が躍った半地下の物件を、家賃交渉を見据えて申し込んだのち再び高円寺のA社へ。

3件目
A社提案のファミリーも暮らすマンション。フロントに管理人が常駐しており、しっかりした体制と共用部の作りが好印象。日当たり良好、居室もそこそこ広く、水回りも綺麗だったが家賃の割に心は踊らなかった。

母コメント「梁がないから家具の配置はしやすそう」


4件目
A社提案の大通りに面した単身者向けマンション。6階建てエレベーターなしはキツかった。1フロア2戸で踊り場が狭く、なんとなく隣人が近い気がして嫌だった。キッチンの作りはしっかりしていたが、少し古くて少し狭い。私が新卒1年目でここが代々木上原なら検討していたかもしれない。

母コメント「(息切れ)」


5件目
私がgoodroomで見つけた駅徒歩2分の築浅デザイナーズマンション。エントランスがオフィスタワーの1階みたいで気分上々↑↑共用部廊下の床の材質が化繊のマット(黒)で個人的に加点したいポイント。部屋もピカピカで天井が高く、広さも日当たりも◎サニタリーオタクとしては水回りの綺麗さに万歳しかけたが、賃料が大幅予算オーバーで激萎え。なぜ家賃を見ずに内見した?

母コメント「(家賃が高くて)ざんねんでした!」


6件目
A社提案の吉祥寺にあるデザイナーズマンション。車移動とはいえさすがに疲弊して道中は終始無言。以前住んでいた家から徒歩5分圏内の場所に位置し、エモさで若干HPが回復した。天井がめちゃくちゃ高くて部屋も広く、家賃が予算より大幅に低かったので総合的に住み良さそうではあったが心が全然踊らなかった。久々に再会した元彼が元気そうだったが新しい彼女はいなさそうだと分かった時の気持ちに似ている(?)。

母コメント「懐かしいねー」

まとめ

内見を経て、私にとって家選びの最重要ポイントは「心が踊るかどうか」なのだと痛感した。そこに住むと日常生活がままならなくなってしまうほどの背伸びは考えものだが、家賃が予算を多少オーバーしていても心が踊るのであれば背伸びをすれば良いと思う30歳の私であった。

そして、心が踊るかどうかを確かめるためには内見が必須だということも学んだ。内見前に有力候補として目星をつけていた物件は概ね最終選考まで残っていたので、自分の審美眼がある程度まで信頼できるものだったとは思うが、居室内ではもちろん、駅から物件までの道中でも心が踊るかどうかは情報サイトとのにらめっこだけでは判断できない。

次回は交渉編!未来の自分のためにも頑張って記録を残します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?