太陽へ嫁入り
めちゃくちゃ暑い晴れてる日に、窓がこっちの世界とあっちの世界の境界やったらええな、と思う事がある。
窓のこっち側は薄暗いけど安全で涼しいし、冷蔵庫には食べるもんもあるし、湯を沸かせばラーメンだって作れる。こないだ食べてびっくりするくらいおいしくて急いで買いだめしたカップヌードルのトムヤムクン。ベッドにはヨギボーだって置いてある。この部屋にいたら誰も何もしてけーへん。私を傷つけるもんはなんもない。12畳のシェルター。
窓の外は遠近感がおかしくなりそうな青空。見下ろすと太陽の照り返しで光り輝くアスファルト。一匹や二匹ではない蝉の断末魔。こんな住宅街の真ん中にどこに留まるとこがあるのんか。あれ、蝉は匹で数えたらあかんか。頭か。まあええか。
この窓をばぁんと開けて、外の空気に晒された途端、太陽に見初められて消えてしまわれへんかなあ。
じゅっ。
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