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つらさを知って、やさしくなれたら。|NHK特集『君の声が聴きたい』

「さっきコンビニに行ったんですけど、クーポンを出そうとしてスマホの画面を触ってたら、店員さんがその手さばきを見て『すごい!器用ですね』って言ってくれたんです。それが嬉しくて。
朝のニュースで、『死にたいと本気で思ったことがある』と答えた人が40%を超えた、っていうのを見て、思ったより多いなってびっくりしたんですけど…。
その特集では、最後に『相談できる窓口が分かりづらいのが問題だから、もっと相談先が分かりやすくなるといい』みたいな締め括られ方をしてたんですけど、私個人の意見としては、そういうことじゃないと思うんです。相談先が分からないから相談しないんじゃなくて、そもそも相談したいと思わない。相談したところで、何も変わらないし。そうじゃなくて、さっきコンビニの店員さんに言われたような、何気ないちょっとしたひとことが積み重なって、『生きよう』って思えると思うんです。」

というようなことを、話してくれた人がいた。
言い回しとかはうろ覚えだけど、それでも、メモらずにこれだけ覚えるほど、この話に心惹かれたものがあった。

NHKの『君の声が聴きたい』という特集で、『スマホ日記』という、生きづらさを感じる若者たちが、日々感じるもやもやを声に乗せ、スマホで撮影した映像を紹介する番組だった。

この番組では、さまざまな声が紹介されていて、わたしはそれらを観ながら聴きながら、ずっとぼろぼろ泣いていた。
「悲しい気持ちになっちゃうなら、消そうか?」と、一緒に見ていた人は言ってくれたけど
「いやだ、観る」と言って、真剣に観ていた。
絶対に消されたくなかった。

いろんな人がそれぞれに、孤独を抱えている。
絶対に、消されたくない。

これは、この番組で見た知らない人たちだけの話じゃない。
自分の周りでも、元気に見える人も、つらさを抱えていたりする。
「実は、あの時しんどくて…」という話を聞いて、え、そうだったの!?って思うことがたまにある。

人は、言葉で傷つくこともあれば、言葉に救われることもある。

自分も、冒頭で紹介したコンビニの店員さんみたいに、ちょっとしたひとことをかけられる人になれたら。

過去に、店員さんに「ネイル可愛いですね!」とか「今日のコーデいいですね!」って言ってもらえたことを思い出す。
とっても嬉しくて、ずっと覚えてる。
自分のことを褒めてくれたら、めちゃくちゃ嬉しい。
だから自分も、すごく勇気がいるけど、なるべく伝えていきたい。
そうやって、少しでも「嬉しい」が重なって、「生きててよかった」と思える瞬間が増えるといいな、と思う。

悩みも感じることも人それぞれで、ばらばらだ。
同じ気持ちにはなれなくても
つらい気持ちを抱えている人がいるということを知って、やさしい人でありたいと願った夜だった。

※このnoteは、5月6日のできごとをあとから振り返り、編集したものです。

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