読書記録 │ アリアドネの声 / 井上真偽
アリアドネの声 / 井上真偽
SNSで小説紹介をしているけんご氏が
めちゃくちゃオススメしているのを見て
つい買ってしまった1冊。
というのも、
書店でまた働き出して、3ヶ月、
ぽつぽつと本は読んでたのだけども、
「この透き通った世界で」を読んで感動し、
さて次は何を読むかな…と思った時、目に入ったのは、帯に書いてあった「小説評論家けんご氏絶賛」の文字。
「ふーん、けんご氏ね…」とTwitterで彼のアカウントを見つけて、最初に買おうと思ったのが、「アリアドネの声」でした。
そんなことはさておき、本の感想を。
ざっくりとなるべくネタバレ無しで。
どんな話かと言うと、
地震で地下に取り残された、目が見えず、音も聞こえず、しゃべることもできない障がいのある女性を、災害救助用のドローンで、制限時間内にシェルターまで避難させる。
というお話です。
正直に言います。ちょっと期待しすぎました。
というのも、けんご氏だけでなく、Amazonのレビューも読書メーターもチラッと見た感じいい感じ。
さらに「ラストに大どんでん返しが!」という謳い文句を見る機会が多かったので、個人的にはちょっとあっさりしてたというか、心にズドンとくる感じではなかった。
でも、次々と展開していく感じが面白くて、ワクワクして、気がついたら読み終わってました。ビックリ。
めっちゃミステリーというよりかは、「え!続きが気になる!」という感じで、軽め。だいぶ序盤から事件が起こるのですが、最後までどんどん読めちゃうくらい面白くて読み応えがありました。
ズドンとはこなかったけど、中盤、物語の主人公達も読者も抱いた疑問は、最後は予想外の展開で「なるほど……」と、伏線回収もされてスッキリ。
そこで感情が揺れ動いてたからこそ、後日談というか、もうちょっと余韻に浸りたかったなと、個人的に思います。。
展開の良さ、没入感はえぐいです。
というか、事件前の冒頭部分は実は少しづつ読み進めてたのですが、事件が発生してからの部分は途中まで読もうと思ってたのに読み終わるまでぶっ通しで読んでました。ヤバ。
あと、ドローンについて想像力で何とかできるのかな…と思ってたんですが、めちゃくちゃ想像できます。ちょこっと専門用語とか出てきますけど、それすらわかりやすいです。
あと途中経過も見れて、今がどこの段階なのかもわかります。だから読んでてストレスが無いのかも。
書店員っぽく、どんな人にオススメか…
・困難なことに立ち向かう希望が欲しい人
・ミステリが好きな人
・ハー面白かった!って思う本を読みたい方
めっちゃ読書家じゃないけど、本を読みたいって人にもオススメ出来る読みやすさだったなと思います。ハラハラドキドキして面白かった。
どんでん返しが好きな人には物足りないかもしれないと思ったのと、どんでん返しより物語を通してつたわる希望感がいいなと1番思ったから、オススメ項目に入れませんでした。
これは私がひねくれてるんですが、「どんでん返しが!」と謳われすぎてると、ちょっと期待値あがっちゃうし、何よりちょっと面白さ薄れません…?(こじらせ女かよ)
POPを書く時とか気をつけよう…と思いました。
とはいえ、超良作小説だなと思ったので、出会えて感謝です🙏🏻主人公の言葉が響くし、ストンと主人公と共に希望を持てる瞬間があるし、なにより超面白かったです。
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