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自分の限界を自分で決めるな

「自分の限界を自分で決めるな」

中学の時の顧問の先生が、事あるごとに口酸っぱくいった言葉である。

中学2年の時に新しくやってきたバレー部の顧問の先生は、高校も大学もバレー強豪校出身の、新任体育教師だった。

当時のバレー部は、全員真面目に部活に取り組んでいたけれども、強さはまずまずといったところだった。特に強豪校というわけでもなく、弱小チームというわけでもない。そんな平凡なバレーチームに、凄腕の先生がきた。その日から、それまでの私たちの練習風景はガラッと変わった。

先生による厳しい練習の中で、先生は事あるごとに「自分の限界を自分で決めるな」と私たちに言っていた。

私はどちらかといえば真面目な性格だけれども、自分に甘い。昔から勝ち負けに貪欲ではなかったし、負けず嫌いだとか悔しいとかで、自分を追い込むことがなかったからか、上手くなれなかった。

そんな私にとって、「自分の限界を自分で決めるな」という言葉は、結構苦かった。私の場合、バレーボールに関して「自分にはセンスがないから、これ以上上手くならないや」と思っていたからだ。自分の限界をしっかり自分で作っていた。

それでも、よく考えてみれば私はいつでもどのチームに負けないぐらい声出しをしていたし、試合の流れを記録することで、レギュラーメンバーに次にどの攻撃を出せば良いか話すこともあった。私は、自分の技術の向上に関しては限界を感じていたけれども、チームをサポートする面では限界を決めずに向上心をもっていたと思う。

苦手な分野では限界を感じることもあるけれども、自分ができることは限界を作らずに挑戦してみる。そういうことでよかったのかな、と自分の中で解釈してみる。


大人になった今、仕事でも、趣味でも。自分のやりたいことや理想を諦めたくない気持ちは、あの時の先生のおかげなのかもしれない。

結局バレーボールを中学3年間続けてそこまで上達しなかったけれども、先生の「自分の限界を自分で決めるな」という言葉は忘れられないものとなった。先生、ありがとうございます。

最後に、部活中にその先生から褒められた記憶ってあまり無いんだけれども、中学3年の時にくださった言葉が、永遠に忘れられないでいる。

それは、「人一倍周りのことが見れてる!それはあなたの良いところ!!良いところをのばしましょう◎」という言葉。

今となっては、全体を見渡すことが少し得意であると感じているのだけれども、当時はそんなことは気付かず、バレーが上手くならないことにくよくよしたりもした。

そんな私を見て、こう思ってくれていたこと。こんなにも真っ直ぐに、私のいいところを人から教えてもらったのは初めてで、先生はちゃんと見ていてくれたんだなと思う。

自分の良いところを伸ばす、その良いところには限界を決めないこと。そして自分の力を信じること。先生の言葉を借りて、大人になった今でも大切にしていきたい。

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