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向日葵

動けなくなってた 笑いかけられると
空に負けないくらいに無邪気なその睛
視線そらしたとき 少し拗ねてたけど
ぼくはいつもきみだけを見つめていたくて

一度きりの夏休み

今日も夏が通り過ぎる
いつもいつも同じ場所で
咲かせたまま佇んでる
きみを見てるぼくに気付いて
夏が越えて ぼくが倒れ
崩れていくそのときまで
顔を上げて待っているよ
この場所から離れはしない

心折れるように膝を抱えたとき
両手で包んでくれる そんな存在(ひと)だった

空は滲みしぼんでいく

通り過ぎる子どもたちの
笑い声がぼくを揺らす
影を伸ばし 立ち止まるとき
どこかできみを感じてるよ

眼差しは届かず 雲は立ちはだかり
伝えられず もどかしい

今日も夏が通り過ぎる
あの日の少年はぼくを摘む
きみの笑ういとしい空
いつまでもここにあってほしい
遥か夏はめぐりめぐって
やがてぼくら 同じ場所で
出逢うのだろう そんなときは
真っ先にきみを見つけるよ