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ビー玉

肌をさすような陽射しをそっと覗いた
透き通る海 決して届かない世界
ソーダのようなはじけた泡を見つめて
昔のきみをまねて空へかざしてみた

隣りにいるだけで苦しくなってた
凍えそうな水面 いたずらに蹴ったら
光の向こう きみが笑ってた

きみの睛と同じくらい
きらきらしてたまあるいガラス玉に
夏の数だけ封じ込めた
云えない想いを

誰もいない線路の上ではしゃいだ
哀しい予感 どこかで忘れていたかった

きみがいなくなるって信じたくなかった
大きな入道雲が淋しさつれてきて
いつものように笑って手を振った

きみの睛に見つめられた
雲を映したまあるいガラス玉は
今でもここできらめいてる
だれにも云えない

きみの睛と同じくらい
きらきらしてたまあるいガラス玉に
ふたりが生きた夏のさきに
今でも映すよ

きみがくれたもの

photo by https://unsplash.com/photos/IerAEqTpC84

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