ビー玉
肌をさすような陽射しをそっと覗いた
透き通る海 決して届かない世界
ソーダのようなはじけた泡を見つめて
昔のきみをまねて空へかざしてみた
隣りにいるだけで苦しくなってた
凍えそうな水面 いたずらに蹴ったら
光の向こう きみが笑ってた
きみの睛と同じくらい
きらきらしてたまあるいガラス玉に
夏の数だけ封じ込めた
云えない想いを
誰もいない線路の上ではしゃいだ
哀しい予感 どこかで忘れていたかった
きみがいなくなるって信じたくなかった
大きな入道雲が淋しさつれてきて
いつものように笑って手を振った
きみの睛に見つめられた
雲を映したまあるいガラス玉は
今でもここできらめいてる
だれにも云えない
きみの睛と同じくらい
きらきらしてたまあるいガラス玉に
ふたりが生きた夏のさきに
今でも映すよ
きみがくれたもの