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令和7年度筑波大学情報学群情報メディア創成学類編入 合格体験記

僕自身先輩方の合格体験記を参考にしまくったので後輩のためにも書きたいと思います。長いのでかいつまんで読むことをおすすめします。

まず僕は地方国公立大学からの編入なので少し事情が異なりますが参考になればと思います。

僕は2つの大学を受験して結果はこんな感じでした。

  • 広島大学情報科学部情報科学科(6月)結果:不合格

  • 筑波大学情報学群情報メディア創成学類 結果:合格

筑波は情報科学類との併願ですが第一志望がそのまま通りました。
筑波の合格体験記なので広島については軽く触れるに留めます。


志望動機

もともと、高1の時点で志望校は筑波大学の情報系でした。しかし、高2から病気になり、通信制に転籍したり、受験に失敗したりして、当初考えていた道のりから大きく外れてしまいました。一浪して何とか大学に入学できたものの、過去の自分の努力を裏切ってしまったような気持ちがありました。そこで、編入を通じて何か努力をし、それが結果に結びつく経験をしたいと考え、筑波大学を志望しました。また、より高い研究機関で研究に取り組みたいと思ったことも志望の理由です。

試験概要(筑波)


編入試験の科目は英語、数学、情報基礎です。
英語はTOEIC(公開テストのみ)またはTOEFL(iBTのみ)のスコア
数学は線形代数と微分積分(微分方程式は範囲外)
情報基礎は主にアルゴリズムとデータ構造(C言語)
で構成されます。
情報基礎に関しては最近難易度が上がってアルゴリズムとデータ構造以外のトピック(情報理論、離散数学、論理回路など)からC言語のプログラムに落とし込むような問題が出るようになりました。
また、情報メディア創成学類は情報科学類とともに定員数が今年から10人から14人になりました。とはいっても例年定員数以上合格を出すことが多いので実際はあまり変化がなかったです。

参考書

英語

  • abceed

一番お世話になったアプリです。他にも色々と参考書をやっていましたが結局これをやりこんだら点数が伸びました。課金して色々な参考書で勉強しながらおすすめ問題をひたすらやれば伸びると思います。

  • TOEIC公式問題集9,10

  • 究極の模試600問

本番は紙形式なのでマークシートに慣れるためにやったりしてました。

また大学にある英語相談コーナーで助言を頂いてそれをもとに勉強したりしていました。

数学

  • 編入数学徹底研究

編入数学の参考書の中では定番中の定番の本です。
大学入試直後から購入してやっていました。
元々数学が得意だったので比較的すらすらとできましたが、わからないときは友人に聞いたりしてました。
大学の授業の予習としても使えるのでおすすめです。

  • 編入数学過去問特訓

徹底研究と同じ著者が書いた本で対応しています。
難易度が徹底研究と比べて高いので徹底研究が終わった段階でやりました。

  • 徹底演習

徹底演習は個人的には過去問特訓と同じかそれ以上の難易度のように感じました。1周するのにかなり時間がかかった印象です。
公式や定理がまとめられていて個人的には好きな参考書です。
理想的には徹底演習と過去問特訓どっちもやることですが、入試まで時間がないのであればどちらか一方でもいいと思います。

  • 教科書

数学の本質的な部分の理解を深めようと教科書を読み込もうと思ってやりました。
筑波大学のシラバスを見て買ってあたかも筑波大生になったような気分で読んでました。
個人的には教科書を読みすぎて演習量が疎かになったので演習量も同じくらいこなしていればよかったなと思っています。
正直編入試験対策としては優先度は低いと思います。(数学科を志望するなら別ですが…)

  • 明解演習線形代数、明解演習微分積分

筑波の過去問で明解演習と似たような問題が出題されたと聞いてやっていた。
難化対策用でやっていたので優先度はあまり高くないと思います。
時間が足りずに全てやりきれなかったのが残念です。

  • 過去問(編入、院試)

筑波大学の過去問はもちろん、他大学の過去問もたくさんやりました。
またYouTubeの高橋ユウコさんのYouTubeチャンネルで多くの過去問の解説動画があるので片っ端から過去問を解いてました。
後、院試の過去問もインターネットから探してやったりしてました。

また大学にある学習支援コーナーで数学に関する質問をしたり今の現状自分に何が足りていないかなどの助言を頂いたりしました。

情報

高校生からプログラミングをやっていたのである程度はC言語を知っている状態でした。

  • 定本

筑波の情報の参考書としては定番中の定番の本です。
音読したり実装したりしてかなり読み込みました。

  • 螺旋本

定本ではグラフに関する章がないので螺旋本で補いました。実際に実装してみたりしていました。

  • 大学の授業

大学でアルゴリズムとデータ構造についての授業があり課題などがよく出されたので力になりました。

  • C言語で学ぶアルゴリズムとデータ構造

実装例が豊富でためになりました。

  • 過去問(編入、院試)

編入の過去問はもちろん、院試にも似たような問題があったのでやりました。答えは実際に実装してみたりwolfram alphaに聞いてみたり生成AIに聞いてみたりして確認してました。実際に東工大の院試を解いてましたが他の大学の問題も解いておきたかったです。

  • AtCoder

ここの問題をやりこんだおかげでC言語のプログラミングになれました。関連した本(鉄則本など)をやって試験当日までにもっとランクを伸ばしたかったです。

その他過去問で出題されたこともあったので情報では情報理論や離散数学、数学ではε-δ論法について関連した本を見つけてやったりしていました。

大学入学前

入試が終わり次第、abceedをインストールしてやっていました。
また、徹底研究も買ってやり始めました。
入学式までに1周しました。
情報に関しては何もしていませんでした。

1年前期

4月頃にTOEICのIPテストを受けて500点でした。
毎週実習レポートがあったりサークルに入ったりしていたのであまり編入の勉強はしていませんでした。
成績は真面目に授業を受けていたのでフル単でした。

1年夏

Uni-kosenさん主催の第二回編入説明会に参加しました。対象者が高専向けだったこともあり異国の雰囲気に押し潰されそうでした。ですが、同じく筑波大学志望の大学生と知り合えたのが収穫でした。今もSNSを通じて意見交換できたのでUni-kosenさんには感謝しています。
8月に初めて公開テストを受けて結果が585点でした。
TOEIC対策はしていたものの、数学情報に関してはあまり勉強していませんでした。

1年後期

大学の授業でアルゴリズムとデータ構造について習い始めたので、真剣に聞いて理解するようにしました。また、TOEICの公開テストをほぼ毎回受けていたものの中々思うように点数が伸びませんでした。ある回ではむしろ下がってしまったこともあったのでかなり焦っていました。
数学は過去問特訓をやり始めました。
前期よりも成績が危ういと思いましたがフル単で安心しました。

1年春

このころはひたすらTOEICの勉強をしていて、たまに他大学の数学の過去問をやったりやC言語でプログラムを書いたりしていました。4月以降は大学で忙しくなりあまり時間が取れなくなるだろうと思っていたのでその分完璧に仕上げるような勢いで勉強していました。
目標としては4月前までにTOEICで出来れば730点以上、もしくはなるべく高い点数を取るように意識していました。
結果的には3/17で755点が取れたので良かったです。
僕みたいにならずに英語を早めに毎日やることをお勧めします。

また高専テクノゼミさんが主催する第一回大学編入模試に参加しました。主に高専生向けですが、高専生以外でも受けられるので大学生でもチャレンジしてみて欲しいです!
基本問題は合計点が208/300点で、応用問題は合計点が58/225点でした。応用問題に関しては線形代数と微分積分のところのみ解きました。基本問題でラグランジュの未定乗数法をど忘れしたり、見直しをする時間がなかったので計算ミスが頻発したりと散々でした。応用問題は難易度のわりには善戦したと思いました。
自分がやった編入模試の問題とその解説は「わんみん」さんのYouTubeチャンネルにあるので腕試しにやってみてください!

2年前期

大学の授業が案の定難解になり忙しくなってしまったため、あまり編入の勉強が出来ていませんでした。
その中でも他の過去問を解いたり筑波の過去問を解き始めたり、科学大(東工大)の院試の問題を解いたりしました。
また、今までやってきた参考書の復習もしていました。

広島当日

広島大学の入試は筑波の試験範囲とよく似ていて微分方程式と面接がある程度しか違わないので試験に慣れるためにも受験しました。今年は、募集人数が5人から20人になったり、入試の範囲が変わったり、新しく推薦入試が加わったり、6月と10月の2回に分けたりとかなり変化がありました。そこまで緊張しませんでした。

問題1

小問集合の問題。例年微分方程式と線形代数と確率統計の3題でしたが、まさかの高校数学の2題でした。共通テストでも解いてるのかと勘違いしそうになりました。体感10割

問題2

分数関数についての問題。例年微分積分(特に二重積分)でしたが、グラフの概形を描くのみでした。数Ⅲじゃねーかとかツッコミを入れながら解いてました。体感10割

問題3

最小二乗法についての問題。例年通りの線形代数からの出題でしたが誘導が丁寧で結果的に易化した印象でした。証明問題が不安なので体感8割ぐらい

問題4

確率統計の問題。問題5との選択問題だったのでやってません。

問題5

バブルソートについての問題。例年通りのC言語でのアルゴリズムとデータ構造からの出題でした。広島の情報は筑波と比べて比較的簡単なので危なげなく解きました。体感10割。

結果的に筆記試験では例年と比べてかなり易化した印象でした。
広島のためにやった微分方程式が一問も出なかったので残念でした。

面接

面接は午後で僕は受験者の中で一番最後でした。90分間何もせずボーっと席に座って待っていたので退屈で仕方ありませんでした。今後受験する人は忍耐力を身に着けることをお勧めします()

面接で聞かれたことは、志望動機とそれに関する質問と「もし自分が人工知能を使って人の役に立つような技術を作るとしたらどんなアイデアが思い浮かぶか」という質問をされました。
質問は受け答えはできたと思いましたが、うまく答えられなかった部分もあったので落とされた原因はここかなと思いました。

全体的に今回の試験では筆記が易化されたので面接の出来によって左右されたと思います。(英語は他の人がどれぐらい取っているか全く分からないので何とも言えません)

広島の入試が終わった後は少し観光してもう1泊して帰りました。
福山市にある仙酔島に行ってきました。自然豊かで人も少なくいいところでした。

仙酔島の海水浴場

広島の合格発表が6月26日で筑波の入試が7月15日だったのでその頃はかなりメンタルがやられていました。
広島は受かると思ってたので不合格だと知ったときは、筑波も同じように落ちて編入試験の勉強が無駄になるのではないかと不安でした。

筑波当日

当日はそこまで緊張しませんでした。広島を受けたおかげで試験場に慣れていたこともありますが、試験が始まるまで大きなトラブルがなかったことも要因だと思います。あと筑波が終わった後月曜までの大学の課題が山積していたので、むしろ問題を解くだけの入試のほうが負担が軽いという謎の現象が起きました。

数学1

球状変換で体積を求める問題でした。
前半からヤコビ行列とヤコビアンを問われていて正直驚きました。
こんなに簡単で大丈夫なのかと思っていたのですがサラスの計算で手間取ってしまって少し後悔しました。
体感10割

数学2

2次形式の行列を求めてそこから色々問う問題。
楕円面となる条件を失念してしまったので体感8割

情報基礎1

単純パーセプトロンという概念を初めて知ったものの授業で深層学習について軽く触れていたこともあり、楽しみながらすんなり解けました。
見直しでかなり直した記憶があります。
体感10割

情報基礎2

バケットソートと基数ソートは過去問にも出題されていたためスムーズに解けた印象です。
体感10割

過去問と比べて数学が易化して情報が例年通りの印象を持ちました。
過去問でもそうでしたが情報は特にひっかけ問題がかなり多かったです。
分からない問題をずっと考えるよりも見直しを優先した方がいいと思います!

筑波が終わった後は編入説明会で会った友達とごはんを食べたり色々話したりしました。筑波おろしを初めて食べましたが結構おいしかったです。うどんが食べられなかったのが残念でした。

筑波おろし

合格発表前はかなり緊張していて自分が不合格で絶望する夢を見たのでかなり寝起きが悪かったです。いざ番号みたら自分の番号があることが信じられずに全身震えまくって脳がパンクしました。初めての体験でした。

最後に

僕は基本的には他大学からの大学編入はおすすめしません。独りで受験勉強することに対する孤独感、全落ちしたときや不合格だったときの絶望感やそのときに元の大学で進級できるかどうかなどリスクが多すぎるからです。それでも今の現状に不満を持っていて編入に対して強い志があるのであれば全力で応援します!
何か編入に関する質問などがあればDMでもマシュマロにでもどうぞ

参考にした合格体験記

僭越ながら先輩方の体験談を紹介させていただきます。

どいですさんの合格体験記がきっかけで編入を志しましたし、一番参考にしたといっても過言ではないです。本当にありがとうございました。

PS:考えるためのエネルギーのinゼリーを勉強前や試験前などに飲んでたので思い切って箱買いした、と友達に言ったら友達に引かれました。



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