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[抜粋]"数値"と"ストーリー"は常にセットで | 10Qs to 髙橋京輔(Dr.'s Prime)

本記事は浅香がMedyで執筆した記事の一部を抜粋して転載したものです。Medyに登録いただくと無料でニュースレターの運営も可能です。https://medy.jp

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ー CyberAgent・メルカリ等でプロダクトマネージャーを務めた髙橋京輔さんに10個の質問に回答いただきました。

10 Questions to Product Manangers は、Medyを運営するSpectra浅香がプロダクトマネージャーの方に「キャリア」「初期の学習方法」等、10個の共通質問をインタビューし、プロダクトマネージャーに対する理解を深める連載企画です。(参考:#0 企画概要 , #1 SparkJoy田辺めぐみさん )

今回は、CyberAgent・メルカリでのプロダクトマネージャーを経て、ドクターズプライムの取締役を務める髙橋京輔さんへのインタビューとなります。

運営ブログ About Product でプロダクトに関連する記事を出す度に多くの反響を生み出しており、そういった思考の言語化や、メガベンチャーでのキャリアを通じて得たインサイト・持論について等、お話いただきました。

Profile

髙橋 京輔 (@kyosu_ke)

株式会社サイバーエージェントの米国支社、CyberAgent America, Incの創業に参画し、サンフランシスコにて北米向けスマートフォンゲーム事業の立ち上げを経験。国内大型ゲームタイトルのプロジェクトマネジャー、事業責任者を経て、2016年より株式会社メルカリにて米国向け、日本向けのアプリのプロダクトマネージャーとして製品開発に従事。メルカリ在籍中の2017年に中学高校時代の同級生であった医師と「救急車のたらい回しをなくす」をめざす医療スタートアップ、ドクターズプライムを創業。

10Questions

Q1:Role (担当・役割)

取締役を務めるドクターズプライムでは、プロダクトとコーポレートを管掌しています。

ドクターズプライム社は断らない医師募集サービス「Dr.ʼs Prime」を運営しており、プロダクトに関連するチームは、ソフトウェアエンジニアが5名・プロダクトマネージャー兼データアナリストが1名・プロダクトOpsに4名ほどの組織規模です。

直近は仕様検討のようなプロダクトマネージャー業は少しずつ減り、プロダクトオーナーのような仕事が多くなってきています。

具体的には

  • 大きなロードマップの策定

  • 必要な組織の構築、採用

  • 成果物のレビュー

といったようなことが、メインの職務です。

Q2:Background (キャリア・経緯)

キャリアのスタートは、CyberAgentからです。CyberAgent Americaの創業タイミングに、内定者インターン時代から参画をしました。

それ以降約11年間、いわゆるインターネットサービスの企画職をずっと担当しています。

ですが、実はインターネット業界に行きたかったという強い希望はなく、業界を絞って就活をしていたわけでもありませんでした。

重視していたのは、「社会性」「意味性」といったことです。"売上が伸びるか"が最重要指標ではなく、"どういう意味があるのか"を重視してきたと思っています。

その考えのルーツは就活をしていた大学3~4年頃です。たとえば、日本の人口やマーケットサイズの減少について課題感を覚え、国内に閉じず外貨を獲得していく動きには、社会的な意義があるのではと考えるようになりました。

そういう意味では商社とかに興味がありましたし、実はNHKでドキュメンタリーを作りたかったという過去もあります。最終的には、日本発で世界で戦えるような事業・サービスづくりを若手の内から主導できるといった点から、CyberAgentに入社を決めました。

未経験からのスタートだったので、とにかく何でもやるというスタンスのもと諸先輩方に教えてもらいながら、US事業の立ち上げに約2年ほど従事しました。

その後、日本に戻り、シニアなメンバーと共にゲームタイトルを作る中で、事業成長のために「お客様のためになるのか」を追求していくプロセスや合意形成について試行錯誤し、ガールフレンド(仮)の責任者等のキャリアを確立していきました。

参考:過去のインタビュー記事

Q3:Definition (定義)

非常に難しいですが、シンプルに言うとプロダクトの成功を請け負う職務だと考えています。

あくまで"成功が目的"であって、成功のために必要なことは範囲を絞らずにやるといったイメージでしょうか。

そのためには、人事権限を通じてアサインメントや採用に広がることもあると思いますし、ステークホルダーとの利害調整や組織の円滑なコミュニケーションの促進といったこともやるのかなと思います。

また、重要だと考えていることは、コミットするイシューを間違えないことです。ここが間違っていたら元も子もなく、どれだけ深掘っても成功はないと思います。

その前提で、Business・Technology・Designといったプロダクト開発のトライアングルの交点をきちんと抑え、成功に向かっていくことが重要だと考えています。


特になりたての方や初学者の方にとっては、まずビジネスインパクトをきちんと考えられるようになるのを意識することが重要だと思っています。

前述した3要素において、プロダクトマネージャーが主に担うのはBusinessの部分です。

正しいイシュー選定やビジネスケイパビリティへのコミットが大前提となるので、事業の利益構造・KPI選定・ビジネスインパクトの出し方を考え、いつ・どうやって達成するのかを決めることで、価値を出すべきだと思います。

他の2要素への拡張については、あくまでBusinessの職務をきちんと担った上で範囲を広げてバリューアップしていくといった話で、全てが中途半端な状態には意味がなく、関係者の信頼も勝ち取れないと考えています。

Q4:Learning (初期の学習)

イシューからはじめよ』は新卒のときに読んで、影響を受けている1冊です。

前のセクションでも触れましたが、事業において正しいイシューを解かないと意味がありません。この本では、イシュー自体を発見することや、どのパラメータをいじるとインパクトが出るのかといったような基本構造を理解することに役立ちました。

参考:過去に参考になった書籍について回答した記事

また、ロールモデルはあまり意識したことはなかったのですが、CyberAgent時代の先輩で尊敬している方がいました。
「ガールフレンド(仮)」のときに一緒に仕事をしていた方で、直近ではAbemaTVで「オオカミちゃんには騙されない」のプロデューサーとしてヒットを生んでいます。
とにかく成功への執着がすごく、調和やコミュニケーションといった全体のまとまりでなく、どうしたら数値が伸びるのか・ユーザーが喜んでくれるのかに、ずっと向き合って考えているような方でした。
常に目線が高く「これは無茶では?」と思うシーンも多々ありましたが、それでも成功を請負い確実に事業を伸ばしていたので、メンバーがついてきていました。改めて振り返ってみると、正しいプロダクトマネージャーの姿だと感じ、そういった方と一緒に働いた機会は非常に貴重だったと思います。

Q5:Credo (信条・ルール)

「両立させること」を2つの意味で大事にしています。
1つはトレードオフにしないということ。
Aの数値を伸ばすとBの数値はダメになってしまうといったケースにおいて、普通はどちらか片方を諦めがちですが、考え抜いたり見方を変えたりすることで、両方にヒットさせる手段が見つかるはずです。
スタートアップ・ベンチャーは、チームの資源が常に不足している状況だと思うので、この意識は非常に大事にしています。
もう1つは、数値とストーリーを両立することです。
定量の裏には、定性的な理由付けがあると考えています。
相関があるように見えても、それが因果関係ではないということは多くあります。たとえば「日本語を話す人は長生きする」といったことは、日本人の平均寿命が長いという意味では正解なのですが、実際には気候・食生活・栄養状態・運動頻度…等、といった要素が直接的な原因であるため、日本語を習得しても長生きはできません。
「日本語」と「長生き」の相関で考えると当たり前に理解できることであっても、プロダクトのデータ解釈の場では、ストーリーを考えずにデータだけを見ていると、こういった相関と因果の取り違えが簡単に起きてしまいます。
数値・ファクトは非常に大事ですが、それだけでなく裏にあるストーリーや要素も見逃さずに考え、セットで証明することを意識しています。

Q6:Joy (やりがい・喜び)

これも数値とストーリーが両立できたときですね。

  • 数値が伸びたという定量評価

  • お客様からの「良かった」という定性評価

の両方を得ることは、前述したプロダクトの成功・成長のために必須だと思っています。
なので、この瞬間は職務を果たせたと、やりがい・達成感を感じるタイミングです。

Q7:Requirement (求められるもの)


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全編はMedyで確認(無料)いただけます。

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