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ディグ・モードvol.38「モトゴー(MOTOGUO)」

モトゴー(MOTOGUO)は、2015年にモト・ゴー(Moto Guo)、キンダー・エン(Kinder Eng)、ジェイ・ペリー・アン(Jay Perry Ang)が設立したファッション ブランド。クラシック音楽からファッションの道に進んだマレーシア出身デザイナーのモトは、自身の経験を着想源として風変わりでユーモラスな服づくりをしている。


クラシック音楽からファッションの道に進む

2020年秋冬コレクション(Courtesy of MOTOGUO)

父は静物画家、叔父は壁画画家とミュージカル歌手のモト・ゴーは、家族のクリエイティビティに大きく影響されて育った。彼はバイオリンとコントラバスを手に取り、音楽のキャリアを追求するため音楽院に入学。約2年後、彼は中退して休憩を取り、ファッションデザイナーになる夢を追いかけることを決心した。

その後、モトはクアラルンプールのRaffles College of Higher Educationに入学。そこでファッション デザインを学び、2013年、「ベスト コレクション」と「ベスト アカデミック」を受賞して卒業した。

卒業後、長年の友人であるフォトグラファーのゾン・リン(Zhong Lin)と一緒に卒業作品のエディトリアルを撮影した。彼は当時について、「卒業コレクションで何かをしたいという衝動に駆られたのを覚えています」と『i-D』で語っている。彼は完成したエディトリアルを『ファッキング・ヤング(Fucking Young!)』に提出した。

2019年秋冬コレクション(Courtesy of MOTOGUO)

そこで投稿が公開されてからわずか2時間以内に、ロンドンから2件の注文と、東京から複数の注文が入った。自分が夢中になっていることに気づいた彼は、パートナーであるキンダー・エンと、ビジネス パートナーのジェイ・ペリー・アンの助けを借りて、2015年に自身の名前を冠したレーベルを立ち上げた。

創業以来、世界中でその名を馳せるモトゴーは、2016年、マレーシア人デザイナーとしては初めてLVMH プライズのセミファイナリストに選ばれた。2022年には、フォーブス(Forbes)が毎年発表する「アジアの30歳未満の 30人」に、創業メンバーのキンダーとジェイがリスト入りを果たしている。

風変わりでユーモラスなデザイン

モトゴーのニット トップスを着用したモード・アパトー (Photography by Eddy Chen/HBO)

TikTokの台頭やティーン向けドラマ 『ユーフォリア(Euphoria)』の人気に後押しされ、個性的なスタイルを通して自己表現する若い世代の間で、モトゴーはとくに大きな反響を呼んでいる。

『ユーフォリア』でモード・アパトー(Maude Apatow)が演じるレクシー(Lexi)は、モトゴーのニット トップスを着用している。また、『エミリー・イン・パリ(Emily in Paris)』シーズン3で、主人公を演じるリリー・コリンズ(Lily Collins)がモトゴーのスカートを着用した。

2023年春夏コレクション(Courtesy of MOTOGUO)

自身のデザインを「風変わりでユーモラス」と説明するデザイナーは、個人的な経験を着想源としてデザインをおこなっている。コレクションが自分自身の延長であるべきだと常に信じてきた彼にとって、それは人生、個性、彼のすべてだ。モトにとって、人々が作品を通じてどう彼を解釈するかは興味深いことである。

ウォルター ヴァン ベイレンドンク(WALTER VAN BEIRENDONCK)とジェニー ファックス(JENNY FAX)はファッション界におけるモトのヒーローであり、それは彼のデザインにも表れている。

ファッション業界ではチームワークが重要

キンダー・エン、モト・ゴー、ジェイ・ペリー・アン (Photography by Emran Shafiq)

モトゴーのバックグラウンドにあるアイデアは、「喜びを刺激し、志を同じくする人々がつながるためのスペースを作成すること」だ。デザイナーのモトとクリエイティブ ディレクターのキンダーは、ふたりで一緒に製作し、お互いをバックアップしている。彼らにとってパートナーとして働くメリットは、チームとして直面する多くの問題を解決し、克服できることにある。

モトは、ファッション業界ではチームワークが重要だと考えており、「ファッション業界では、ひとりで長く働くことはできません」と『Paste Magazine』で語っている。彼らのビジョンは、モトゴーがモトゴーであり続け、人々の喜びを刺激する高品質の服を作ることに焦点が当てられている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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