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ディグ・モードvol.3「ホダコヴァ(HODAKOVA)」

ホダコヴァ(HODAKOVA)は、エレン・ホダコヴァ・ラーソン(Ellen Hodakova Larsson)が2021年に設立したストックホルム拠点のファッション ブランド。持続可能性はエレガントであるべきだと考える彼女は、他のアパレル企業によって廃棄された生地や古着をスウェーデンで調達し、アップサイクルの形でサステナビリティを実現している。


既存の服で伝統を再考する

2023年春夏 パリ ファッションウィーク中に開設されたショールーム「Fashion [X] Showrooms」のホダコヴァ ブース(Photography by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

エレンは裁縫から住宅の建築までおこなうクリエイティブな家庭に生まれ、スウェーデンの田舎で育った。スウェーデン繊維学校(The Swedish School of Textiles)でファッション デザイン コースを学び、2019年に発表した卒業コレクションが注目を浴びる。その後、彼女はブランドを立ち上げ、2023年春夏シーズンのパリ ファッションウィークでショー デビューを果たした。

ブランドの理念は、「伝統を再考する」こと。彼女は過去を振り返ることで未来を祝福し、既存の服によって伝統を再考しようとしている。さらに、ホダコヴァの持続可能なビジネス モデルを開発することにも熱心だ。それは他のブランドにインスピレーションを求めることではない。既存のケースを認識し、正しい方向に変化をもたらす方法を分析することである。

「目の前にあるものを分析し、理解しようとしています。それは私の好奇心と同様、非常に自然な道筋であり、物事がどのようになり得るかを理解しようとし、再考し、ただそれを楽しんでいるのです」と彼女は『VOGUE』で語っている。

新しいことの前に、既にあるものを修正

「Fashion [X] Showrooms」で展示されていたジャケット(Photography by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

エレンのデザイン プロセスは、既存の服とデッドストック生地を組み立てて変形させることから始まる。革のベルトやメンズ スーツ、シャツなど素材をすべて地元のスウェーデンで調達することにより、長距離輸送を回避し、環境汚染や金銭的コストを削減。これはブランドの基礎となっているサステナブルなアプローチだ。

こうしたアプローチは、「新しいことに集中する前に、既にあるものを修正しなければならない」というデザイナー自身の考えから来ている。「ファッションには明確なアプローチが必要です。持続可能性は、新しい世界に適応するために、エレガントである必要があります」とエレンは『LAMPOON MAGAZINE』で語っている。

持続可能性はエレガントであるべき

エレン・ホダコヴァ・ラーソン(Photography by Jennie Rosén)

ホダコヴァのアイテムは、既存の素材を再利用して作られるため、ひとつずつ色や質感、構成が異なる。エレンの服作りに対するモチベーションは、枠にとらわれない考え方や個人主義だ。彼女は誰もが同じように見え、同じ道をたどることを問題だと見なし、人々がユニークであるように促したいと考えている。

「私は物事を失敗とは見なしません。学習プロセスと見なします」とデザイナーは『LAMPOON MAGAZINE』で語っている。ホダコヴァは試行錯誤しながら、型にはまらない独自の世界を着実に築き始めている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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