ディグ・モードvol.14「スーザン ファング(SUSAN FANG)」
スーザン ファング(SUSAN FANG)は、セントラル セント マーチンズを卒業した中国出身のスーザン・ファングが立ち上げたファッション レーベル。前のコレクションで廃棄された生地を使用したり、独自のエア・ウェーブ技術を含む新しいテクノロジーを取り入れたりするなど、持続可能性とイノベーションに重きを置いて服作りをおこなっている。
ステラとの仕事で持続可能性の意識を高める
上海で生まれたスーザンは、6歳の頃からアーティストになりたいと思っていた。さまざまな服を着た女の子を描き続けていた彼女は、ある日、ファッション デザインが仕事になることを母から教わった。以来、それが彼女の目標となった。
上海からカナダ、アメリカ、そして最終的にはロンドンに移ったスーザンは、セントラル セント マーチンズで学び、在学中にセリーヌ(CELINE)でインターンをした。卒業してからはステラマッカートニー(STELLA MCCARTNEY)でウィメンズウェアの経験を積み、自身の名を冠したブランドを設立した。
彼女はセリーヌとステラマッカートニーで、統一されたコレクションを作るという強いビジョンと商業性の大切さを学んだ。そして、ステラと一緒に仕事することで、サステナビリティへの意識を高めた。
自然とテクノロジーを融合したテキスタイル
スーザンはデザイン面で常に解放感を追求し、自然からインスピレーションを得ている。たとえば、代表的なバブル バッグは太陽の下できらめく海の気泡から思いついたものだ。スーザン ファングの刺繍やテキスタイルは、自然との戯れである。
自然に加えて、スーザン ファングのテキスタイルには、最先端のテクノロジーが融合されている。独自のエア・ウィーブ(Air-Weave)技術は、自然のリズムや変化の仕方、生命そのものを見せたいという思いから誕生した。2Dから3Dに移ることで空間から解放される生地を作り、着用者の体型やサイズ、仕草に合わせて、刻々と変化するシルエットを目指したものだ。
その開発段階は、ひとり1メートルの生地を3週間かけて織ることから始まる。7人で織って、3日で1着を完成させるマシン ボードを設計した後、ニットウェアに進み、ボードに直接パターンを織った。開発は困難でありながらも、彼女にとっては新しいパズルを解くようで、楽しいものだった。
より持続可能で、創造的であり続ける
デザイナーは持続可能性を強く意識し、いかに時間と労力をクリエイティビティに割き、コレクションから廃棄物と在庫を減らすかについて考えている。服作りでは、以前のコレクションで廃棄された生地を使用。過去には、デッドストックのビー玉をバッグにリサイクルしたり、チャリティー プロジェクトに生地を寄付したりしてきた。
「サステナビリティとは、楽しくてクリエイティブなデザインを後押しするものだと考えています。今後10年間で、業界で使用されるすべての素材が持続可能になり、よりアクセスしやすく便利になると思います。それが自然な在り方になり、10年後も私たちはより持続可能で創造的であり続けると思います」とスーザンは『METAL Magazine』で語っている。
彼女はブランドが成長するために、より持続可能なアプローチを着実かつ健全な方法で進めている。
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