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ディグ・モードvol.10「ノウルズ(KNWLS)」

ノウルズ(KNWLS)は、シャーロット・ノウルズ(Charlotte Knowles)とアレクサンドル・アルセノー(Alexandre Arsenault)が、2017年セントラル セント マーチンズ卒業後に立ち上げた、ロンドン拠点のウィメンズウェア ブランド。彼らが育った90年代や2000年代に影響を受けた、コルセット トップスやボディコンシャスなレギンスがブランドのシグネチャー。


インスタ映えでロックダウン中にブームが起こる

(Photography by Arnaud Lajeunie)

ノウルズはインスタグラムによって急成長したブランドだ。ロックダウン中でも人々はノウルズを購入し、インスタに投稿し続けた。パンデミックの間にセレブリティの購入も増加し、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)やケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)、デュア・リパ(Dua Lipa)もノウルズのファンだ。

「ノウルズにはかなりインスタ映えするものがあり、ロックダウン中にブームが起きました。人々は外に出ることはありませんでしたが、それでもインスタグラムで自慢したいと思っていました。彼らは着用して写真を撮れるものを買い始めました」とアルセノーは『WWD』のインタビューで語っている。

これについてノウルズは、「ますます多くのセレブリティが私たちの服を買って行きます。彼らは若いデザイナーを支援することの価値を理解していると思います。実際、キムやカイリーが何かを着ると、人々はそれを欲しがります。彼らが持つ影響力は、ちょっとクレイジーです」と同インタビューで話している。

家父長制に逆らった世界をデザイン

2022年春夏コレクション バックステージ(Photography by Gabriel Gayle)

ノウルズとアルセノーがデザインするのは、女性が嫌がらせを受けたり、軽視されたりしない、家父長制に逆らった世界だ。コルセットとランジェリーなど歴史的に抑圧と関連性を持つ衣服に、彼らは新しい意味合いをもたらしている。それは、かつて自律性を表現する力を失っていた女性が、何かを取り戻すための遊び心あるシンボルという意味だ。

2022年春夏コレクション『アドレナリン』を通して、ノウルズとアルセノーは自身が思い描く女性の獰猛さや回復力を具現化し、コルセットやランジェリーから不快感や弱さではなく強さを引き出した。たとえばビスチェやマイクロミニ、カットアウトによって、肌をむき出しにするセクシーさを表現した。

チームでラグジュアリーブランドに成長させていく

2023年春夏コレクション(Courtesy of KNWLS)

ブランドは最初「シャーロット ノウルズ」として、Fashion East AW18 ショーでデビュー。2021年にブランド名を「ノウルズ」に変更した。このリブランディングは、今後数年間でブランドをラグジュアリーブランドに成長させるという、ノウルズとアルセノーのビジョンを反映させている。

アメリカで商標問題が発生したことをきっかけに、彼らはブランド名の変更について話し合い、それが実際には前向きな動きであると気づいた。ブランドは、当初デザイナーの名を冠したが、実際にはチームで動いており、デザイナーだけの問題ではない。ブランド名の変更は、ブランドを構築しているのはチーム全員であるという精神を表している。

アレクサンドル・アルセノーとシャーロット・ノウルズ(Photography by Carly Scott)

アルセノーはブランドの今後について、「私たちの未来はチームを構築し、ブランドを構築することです」と『METAL MAGAZINE』のインタビューで話している。10代の頃を振り返り、懐かしさが服作りのヒントになっているが、彼らのビジョンは確実に未来へと向けられている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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