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ディグ・モードvol.22「ユリア ホイヤー(JULIA HEUER)」

ユリア ホイヤー(JULIA HEUER)は、2017年にユリア・ホイヤー(Julia Heuer)が設立したブランド。日本の伝統技術とデジタルを融合させた、大胆なプリントや職人技のプリーツが特徴。コムデギャルソン(Commes de Garçons)やカルバン クライン(Calvin Klein)などのテキスタイル プリントも受注し、2016年にスイス デザイン賞(Swiss Design Award)を受賞した。


コペンハーゲンで日本の伝統技法を学ぶ

2021年秋冬コレクション(Courtesy of JULIA HEUER)

ドイツ南部の小さな町ロットヴァイルで生まれたユリアは、主に彫刻的なテキスタイル デザインや芸術分野のテキスタイルに興味を抱き、テキスタイル デザイナーになるためにシュトゥットガルトのアート アカデミーに進学した。その間、コペンハーゲンのデザイン スクールに留学して、嵐絞り技法について学んだ。

大学を卒業後、スイスのザンクト ガレンにあるテキスタイル会社、ヤコブ シュレープファー(Jakob Schlaepfer)でテキスタイル プリント デザイナーとして働き、そこで他のファッション ブランドのプリントをデザインした。そして2017年8月、彼女は自身の名を冠したレーベルを立ち上げた。

1枚ずつ手作業でプリーツを施す

(Courtesy of JULIA HEUER)

ユリアは手工芸のプロセスに焦点を当てており、直接的なテクニックにこだわっている。コレクションには絞り技法を使用し、職人が手作業でプリーツを施す。絞りは伝統的には染色に使用されている技法だが、プリーツも同じプロセスで施すことが可能だ。

そのプロセスは生地をたたんで筒状に結び、オーブンに入れて形を整えて仕上げる方法で、完成は予測不能。素材が新たに開発されていることも相まって、そこには常に驚きの要素がある。

2021年秋冬コレクション(Courtesy of JULIA HEUER)

プリントは、ユリアが自分でデザインしたデジタルプリントがメインで、一部に手描きもある。そのプロセスはペインティングやスプレー、コラージュなどアナログな方法からスタートすることが多く、アートワークがデジタル処理されて、テキスタイルのプリント デザインが完成する。

テキスタイルの美しさやハンドクラフトの専門性はユリアの着想源であり、ほかにも絵や写真、ビデオなど、あらゆる種類の画像も彼女にインスピレーションを与えている。「色とパターンが一緒に働く様子は、いつも私を楽しませてくれます。 色に大きな喜びを感じます」と彼女は『Beklina』で語っている。

オートクチュールもイブニングウェアも作らない

ユリア・ホイヤー(Photography by Anais Horn)

彼女にとって最も重要なのは、美しいテキスタイルだ。そこには流行に左右されないクオリティーの高さと、秘められたノウハウが垣間見え日常生活で着用できるコレクションであることも重要である。「私の目標はアイテムがシンプルで、さまざまな機会に着用できることです」とユリアは『DIVA』のインタビューで語っている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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