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ディグ・モードvol.12「フッド バイ エアー(HOOD BY AIR)」

フッド バイ エアー(HOOD BY AIR)は、2006年にデザイナーのシェーン・オリバー(Shayne Oliver)がラウル・ロペス(Raul Lopez)と共に設立した、ニューヨーク拠点のストリートウェア ブランド。2017年にブランドは絶頂の真っ只中に休止したが、2022-23年秋冬のニューヨーク コレクションでオリバーはファッション界にカムバックし、壮大なイベントを開催した。


休止と復帰を繰り返したカムバックキング

(Courtesy of HOOD BY AIR)

1988年、米国ミネソタ州で生まれたシェーン・オリバーは、ニューヨーク州立ファッション工科大学とニューヨーク大学を両方とも途中で退学した後、2006年に自身のファッション レーベルを設立した。彼はストリートウェアがニューヨークのファッション シーンでトレンドになる前から、そのコンセプトに革新を起こし続けている。

2007年、彼はTシャツの製作を始め、翌年に活動を休止したが、2012年に再始動。カニエ・ウエスト(Kanye West)やエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)、リアーナ(Rihanna)をはじめとするセレブに着用され、熱狂的な信者を持つストリートウェア ブランドを作り上げた。

2016 MTV VMAでフッド バイ エアーを着用したリアーナ(Photography by Getty Images)

フッド バイ エアーは、2014年にLVMH特別審査員賞を受賞し、翌年の2015 年にはファッション界のアカデミー賞と言われるCFDAアワードを受賞。絶頂の真っ只中、2017年にブランドは休止した。それはオリバーが次のステップを模索するためだった。休止の間、彼はヘルムート ラング(HELMUT LANG)やディーゼル(DIESEL)でゲスト デザイナーを務めた。

2020年、オリバーはフッド バイ エアーの再始動を宣言。今後はフッド バイ エアーに加えて、シーズンレスで直販する「HBA」、アーカイブ作品を再解釈する「Museum」、ファッションだけでなく音楽の制作スタジオとして機能する「Anonymous Club」の4軸で展開していくことを発表した。

そして、2022-23年秋冬のニューヨーク コレクションで、オリバーはファッション界に復帰。ファッション、音楽、カルチャー、パフォーマンス、アートを融合させた3日間にわたるマルチメディア パフォーマンス「HEADLESS: THE GLASS CEILING by Anonymous Club」を開催した。それは彼の芸術的なビジョンを世に知らしめるものだった。

壮大なマルチメディア パフォーマンス イベントを開催

2022-23年秋冬コレクション(Photography by ANDREW MORALES/WWD)

2022年2月10日から12日にかけて、マンハッタンのハドソンヤードにある広大な文化センター、ザ・シェッド(The Shed)で開催されたのは、複数のパートで構成されたファッションとパフォーマンスのイベント。典型的なランウェイ ショーとは大きく異なるものだ。

イベント2日目には、オリバーの名前を冠したプレタポルテ ライン、シェーンオリバー(Shayne Oliver)のショーが開催された。彼はストリートウェアとハイコンセプトなラグジュアリーを融合させ、自身の反ファッション気質やアナーキーなデザイン手法を象徴する新レーベルを披露した。

レーベルは流動的に機能し、進化を続ける

シェーン・オリバー(Photography by Éric Nehr)

3日間の壮大なイベントは、彼のビジョンを反映したものだった。「ポイントは、Anonymous Clubが必ずしもファッションや音楽、アートによって定義される必要のないイベントを開催できるようにすることです」とオリバーは『GQ』のインタビューで語っている。オリバーは自分のリズムを大切にしながら、絶え間なく進化を続けている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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