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ディグ・モードvol.8「レイブ レビュー(RAVE REVIEW)」

レイブ レビュー(RAVE REVIEW)は、2017年にジョセフィン・ベルグヴィスト(Josephine Bergqvist)とリヴィア・シューク(Livia Schück)が設立した、ストックホルム拠点のファッション ブランド。使い古された家庭のテキスタイルをアップサイクルしたコレクションを展開。2022年からNFTに参入し、デジタル空間でリメイクとリサイクルの実験をおこなっている。


100%アップサイクルのブランドを作る

2023年春夏のパリ ファッションウィーク中に開設されたショールーム「Fashion [X] Showrooms」のレイブ レビュー ブース(Photography by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

ストックホルムのベックマンズ カレッジ オブ デザイン(Beckmans College of Design)で出会い、親友となったジョセフィンとリヴィア。サステナビリティに同じ関心を持つ彼らは、卒業から1年後、自分たちのファッションブランドを立ち上げることについて話し始めた。

当時、彼らはファッション業界で働くことにためらいを感じていた。その理由は、ファッション業界が環境に多大な負担をかけるからだ。環境に貢献するファッションブランドを作るという考えのもと、彼らは使い古されたテキスタイルや古着のみを使用して、アップサイクルな服を作るという解決策を思いついた。こうしてレイブ レビューは誕生した。

「私たちがこのブランドを始めたのは、100%アップサイクルをおこなっているクールなブランドが見つからなかったからです」とリヴィアは英国版『VOGUE』で語っている。彼らの目標は、持続可能なファッションに良い刺激を与え、より良い方法での消費を促すことだ。

アップサイクルとリメイクの大きな可能性を信じて

2023年春夏コレクション(Photography by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

ブランケットやカーテン、ベッドシーツなどの家庭にあるテキスタイルを好む彼らは、中古品のマーケットやアンティーク ディーラーからインスピレーションを得て、デザイン プロセスを生地から始めることが多い。生地の調達は地元のスウェーデンを中心におこない、古着やテキスタイルの仕分けをおこなうリサイクル業者と連携している。

彼らのビジョンは、リサイクル可能な素材のみを使用し、循環型のビジネス モデルを持つハイエンド ファッション ブランドのひとつになることだ。レイブ レビューは、リメイクがいかに創造的で楽しいものかを示そうとしている。

「アップサイクルとリメイクの両方が、ファッション業界の未来に大きな可能性を秘めていると信じています」と彼らは『METAL MAGAZINE』話している。

ハンドメイドの仮想ショーツでメタバースに参入

NFTコレクション「Cryptopanties」(Courtesy of RAVE REVIEW)

2022年、レイブ レビューはデジタル アートとファッションを融合したNFTコレクション「Cryptopanties」をローンチした。コレクションは3,333点で構成され、ハンドメイドのショーツやブランドの生地がNFTとしてリリースされた。これはレイブ レビューにとって、メタバースへの最初の一歩となった。

NFT参入の目的は、ファッションとNFTの世界をより包括的でジェンダー バランスの取れたものにし、より多くのユーザーがNFTや仮想通貨にアクセスできるようにすること。レイブ レビューにとってショーツは現実のコレクションに含めたことのない過小評価された服であり、男性優位な仮想世界に女性がアクセスすることへのメッセージである。

ジョセフィン・ベルグヴィストとリヴィア・シューク(Photography by Isak Berglund Mattson-Mårn)

「将来、メタバースが推測されているように大きく強力になるのであれば、早い段階で多様性や男女平等の価値観を取り入れることが非常に重要です」と彼らは『Scandinavian MIND』で語っている。ジョセフィンによると、今後レイブ レビューがNFTをリリースするコンセプトは、デジタル空間でのリメイクとリサイクルの実験になる予定だ。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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