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ディグ・モードvol.18「セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)」

セシリー バンセン(CECILIE BAHNSEN)は、2015年にデンマークのデザイナー、セシリー・バンセン(Cecilie Bahnsen)が設立したファッション ブランド。優美でロマンティックなデザインを中心とし、構築的なボリュームや彫刻的なシルエットを組み合わせて、モダンな女性らしさを表現している。


ロマンチックで美しい作品づくりが大事

2019年秋冬コレクション(Photography by Frederik Valdemar Kjeldgaard/Copenhagenfashionweek.com)

コペンハーゲン生まれのセシリーは、自分のブランドを立ち上げることを常に夢見ていた。事前にできるだけ多くの知識を学び、習得することが重要だと考えていた彼女は、ロンドンのロイヤル カレッジ オブ アートで学んだ後、パリのクチュール メゾンで経験を積んだ。そして2015年に故郷に戻り、自身の名を冠したブランドを立ち上げた。

ロンドンとパリでの経験は、デザイナーとしての地位を確立するために必要なことを彼女に教えてくれたと同時に、デザインとクオリティに対する多くのインスピレーションや情熱を与えてくれた。その一方、セシリー バンセンの核には、いつもデンマークとコペンハーゲンがある。そこはセシリーのホームであり、彼女はそのペースや伝統的なデザインを好んでいる。

いつも女性らしくロマンチックな服装に魅了され、そこにパワーや強さを感じているデザイナーは、女性が心地よく自分らしさを感じられる服を作るべきだと考えている。「ロマンチックで美しい作品を作ることが私にとって重要です。それらは愛を込めて作られたものです」と彼女は英国版『VOGUE』のインタビューで語っている。

新しい刺繍やテキスタイルの開発オタク

2023年春夏パリ ファッションウィーク中に開設されたセシリー バンセンのポップアップ(Photography by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

セシリーは、コレクションのために新しいテクニックやテキスタイルを常に開発している。コレクションごとに独自のファブリックを手作業でデザイン。新しいファブリックは、手描きのスケッチもしくはアーカイブ スケッチから始まり、ゆっくりと質感や色が生まれていく。

彼女はイタリアのコモ地方を拠点とする生地メーカーとコラボすることも好み、彼らの工場を訪問しながら一緒に働き、伝統的な技術に新たな息吹を吹き込んでいる。

「私は間違いなく完璧主義者であり、新しい興味深い生地や刺繍を開発することへの愛に関しては少しオタクです。ユニークな生地の開発に取り組み、それらを美しいデザインと組み合わせることは、デザインプロセスの私のお気に入りの部分です」とデザイナーは『GRAZIA』で語っている。

家具やアートのような、大切にしたいブランド作り

2023年春夏コレクションでは、地元アーティストとコラボした花瓶をショーで使用し、ポップアップで販売もおこなわれた(Photography by 𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨)

セシリー バンセンはブランドの継続的な取り組みの一環として、前シーズンの生地をアップサイクルして、廃棄物の少ないモデルに向けて取り組んでいる。プレコレクションを廃止し、2021年春夏から年2回のコレクションのみを発表。過剰生産と無駄の削減に加えて、セシリーはシーズンの合間によりデザイン プロセスを追求することができるようになった。

ブランドが長く続くことは、デザイナーにとって設立当初から重要なことだ。家具やアートのようにアイテムを見てもらえて、大切にしてもらえるブランドを作りたいと彼女は考えている。

セシリー・バンセン(Courtesy of CECILIE BAHNSEN)

「私たち全員が責任を果たすために、もう少しできることがあります。私たちは少しずつ自分たちの役割を果たそうとしています。 何かを購入する前にまず考えたいのは、この商品をいつまで大切にするかということです」とセシリーは『MATCHES FASHION』のインタビューで語っている。より良い未来を創造するため、彼女は既に動いている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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