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サンタクロースは今年も

街がクリスマスを迎える準備を始めた。
まだハロウィンも終わってないのにな、なんて心の中で思いながら、店頭に出されたクリスマスグッズを眺める。

子供って狡い。
全てが新鮮で、わくわくどきどきの連続で。
まだ幼稚園の門を潜っていた頃、絵本の中の世界は夜のディズニーランドみたいにキラキラしてた。
どこかの国の男の子。窓の外を見れば雪が積もっていて、部屋には暖炉があって、赤と白の大きな靴下が吊り下げられている。
朝起きたら綺麗に包まれた大きなプレゼントがあって、目を輝かせる。そんな幸せな空間。

今の私にとって、クリスマスの朝はいつもと何も変わらない。
12月24日にサンタさんに手紙を書くことも無くなった。
前はお父さんの前で「なんて書けばいいかな〜」なんて言いながら、やっとこさ書き上げた手紙と一緒にお菓子を添えて部屋の前に置いて寝たっけ。

欲しいもの、前日の夜に書いたって意味ないのにね。
次の日にはお菓子も手紙も無くなってて、代わりにお返事が書かれた外国風の手紙と一つの包みが置いてあった。
一年で一番幸せな朝。

お友達と同じものを頼んで、私だけ貰えなくて、お母さんに「なんで私だけ貰えないの」って言っちゃってごめんね。

小学校を卒業するまで私のところへ来てくれたサンタさんは、一度も頼んだものをくれたことはなかったけど、嬉しかったことには変わりなくて、幸せだった。



サンタさんは本当にいると思う。
だって、子供達にとってその人は紛れもなく“サンタクロース”なわけで。
子供達の中でサンタクロースは生きているから。

わくわくを届ける、魔法使い。

そして、疑うことを知らない、まだ純粋な子供達。


わたしたちが変わってしまっただけで、
サンタクロースはいるんだよ。


今年もそろそろ準備を始めているのかな。
世界中の子供達がプレゼントを貰えますように。

私も誰かのサンタクロースになってみようかな

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