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ミルクティーは部活終わりの味がする


自販機に“あったか〜い”が追加されてた。

室内だし今は眠気とおさらばしたいから、そんなもの求めてないんだよなあ。

私が今求めてるのは冷たいコーヒー、、
なんであっためられちゃってんのよ、キミ。

飲みたかったものがあったか〜いに変身してるから、仕方なく別のものを探す。

飲んだことのあるものがほとんど温められていて、悩んだ末に選んだのがミニサイズの冷たいミルクティー。

無糖の紅茶を難なく飲めるせいか、ミルクティーのあの甘さが「あんた太るよ」って囁いてくるみたいで最近はほとんど飲んでなかった。


久しぶりに飲むミルクティーは、前より濃厚になっていた。

よく部活終わりに飲んだ味。

学校に併設されている自販機はどこも安いんだろうか。
600mlの水が50円で売られているような生徒想いの自販機は、年中、部活終わりの生徒たちに囲まれて堂々と壁にもたれかかっていた。


運動部だった私は、部活が終わったら必ずと言っていいほど自販機へ足を運んでいた。
だって同期の誰かしらが「飲み物買っていー?」って言うから。
それが私の時もあれば、そうじゃない時もあった。


自販機で甘ったるい飲み物を買ってその場で飲み干す。
たくさん運動したあとのそれは身体に染み渡って最高の気分だった。

だからあの頃はミニサイズのミルクティーを頻繁に飲んでたんだな。



一口飲んで、当時の感情が雪崩のように押し寄せてきた。

不思議だよね
昔頻繁に聞いてた音楽を久しぶりに聞くと、あの頃の記憶がばばばっと蘇ってくる現象とか
音楽だけじゃない、食べ物にも、場所にも、あの時の感情とやらが宿ってる。

片想いしてた頃にずっと聞いてた曲をYouTuberさんが歌ってみた企画で歌ってて、懐かしいな〜とかいう気軽な気持ちで開いちゃったら、なんか胸が苦しくなって、私まだ未練あんのかよって思ったり。

ほんと、やめてほしいよね。
もとから叶うことのない片想いなんて、忘れてしまいたかったのに。

でもこれ、ある種のタイムスリップなのかな

甘ったるくて避けてきたけど
ミニサイズのミルクティー、悪くないかも。

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