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生い立ち。

宵闇ちゃんが産まれたのは
1995年のある冬の日。

父親は18歳
母親は17歳

高校を中退して某飲食店で働いていた父と
継母からの虐待に耐え切れず家出をして父の実家に転がり込んだ母との間に

“デキちゃった”子どもでした。

父方の祖父母は当初、母が転がり込んだことにも気づかなかったそうです。

あれよあれよという間にお腹は大きくなっていき

気付けば堕ろせない週数になって
ようやく気付いた祖父母は

「私達も協力するから」
と言ってくれ
不安と喜びが交差する中

宵闇ちゃんは産まれました。


それから父と母が離婚するまでの2年半

私の頭に残っている思い出は
決して楽しいものではありません。

目の前で繰り広げられる喧嘩。
アパートの窓ガラスは割れ、泣き崩れる母と出て行く父。

暫く経って現れた祖母は
一目散に私を抱き締めてくれました。

父はあまり家に帰って来なくなり
母は私に怒鳴るばかり。
どうして怒っているの?
何も分からず泣くことしかできない私を

母は何度も殴りつけました。

ある日の記憶は壁に打ち付けられ
またある日はゴミ箱に捨てられました。

出ようともがいても出られない。
生ゴミの酸っぱくてすえた臭いと暗闇がただただ怖かったのを覚えています。

一体どれくらい泣いていたのか
ゴミ箱のフタを開けてくれたのは父でした。

目の前で殴られる母。

次の記憶は母にタバコを
足へ押し付けられている場面です。
とにかく熱くて痛くて泣き叫んだのを覚えています。

それがきっかけだったのかは分かりませんが
気づけば私は父の実家で暮らすようになりました。

後から聞いた話ですが、母は頑なに私を祖父母へ会わせようとしなかったそうです。
きっと虐待の傷を見せたくなかったのだと思います。
母は私をアパートへ一人置いて夜遊びに出かけ、偶然帰ってきた父が痺れを切らして祖父母に預けたそうです。

そこから母の記憶は一切無く、父も時々顔を見る程度で

祖父母との生活が始まりました。

父と母は
いつの間にか離婚していました。

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