小説を書き終えた話
相変わらず気分の悪い日は続く。
お米の炊ける匂いが気持ち悪い。お出汁の匂いが気持ち悪い。非国民だななんて考える。お腹に一人、別の人間がいるだけで感覚が変わる。不思議だと思う。
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やっと小説を書き終えた。1月末に前の作品を書き終えたから、3ヶ月弱かかったことになる。文字数は今までと特に変わらない。短編。
今まで4つ作品を書いてきて、それまでは前回のより絶対良くなってるという気持ちが書いているときにあったのだけれど、今回は無くて、常に迷いながら書いている感じだった。だからこんなに時間がかかった。
私はいつも思いつく情景や台詞をバラバラと書いてから、言いたいことを決めてストーリーを組んで、バラバラと書いたものを並び替えて書いていく(だから土地ありきのキャラ文芸になる)。
で、最初に書いたバラバラたちをつなぐ部分を丁寧に書くことができなくて、場面展開が急になり何がどうなってるのか自分だけが分かって人には伝わってない、ということに4作品目を読み返して気づいたわけです。
自分がいいと思って書いたものでも、読んでくれる人に伝わらなかったら(それは意味以前の、話の展開的な意味合いで)それって小説でもなんでもないなと思い、今回は話の流れが自然になるようにつなぎの部分を丁寧に書いた。
でもこの過程があまり楽しくなく得意でもないため、時間がかかり、自分は楽しくて書いてるのではなかったっけ?と迷い、他の方の作品を読み、なぜみんなこんなに自然に書けるのかと落ち込み、また時間がかかり…という感じだった。
これはいいことなのか悪いことなのか、今は分からない。また応募したので、その結果で少しは分かるかなとも思う。
とりあえず今は、自分の書きたいものを大切にしつつ、人に読んでもらったときにその人を置いてけぼりにしてしまうようなものは書かないようにしようと思っている。最低限の欠点は埋めたい。
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今回も書いている期間中はずっとテナーを聴いていた(今も聴いてる)。行き帰りの車窓から桜を眺めながらこれを聴いていると、新しいことがはじまる!という心持ちになる。
まだまだ旅は続くのである。
読んでいただきありがとうございました。サポートしてくださると本づくりが一歩進みます。