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人間関係について思うこと

よく耳にする、「ずっと仲良しでいようね」という言葉がある。
私にとってこの言葉は、精神の支えになる一方で、一種の呪いにもなり得る言葉であると感じる。なので自分からは発しないようにしている。
他にも、昔は仲が良かったけれど今は疎遠になった…等、人間関係についての言葉は枚挙にいとまがない。

生きていれば、環境も変化し、それに伴って思考も変化する。それ故に、久々に再会したら齟齬が生じるのは自然なことでもある。
私が人間関係について大切にしている考えは、その人との現在の関係性ではなく、その人と過ごした「時間」「空間」が重要だというものだ。
楽しかった、穏やかに感じたなどの時間や事実は、常に変化する現在の人間関係と比べて変わらずに自分の中に存在してくれる。自分の精神の糧となり、支えになってくれる。

なので、ある日涙が溢れて止まらなかった夜に、救いの言葉を差し出してくれた友人には、お礼と共に以下の言葉を伝えた。

「これから先、君とわたしはどのような関係性になるかは分からない。疎遠になるかもしれない。けれど、今この時、君はわたしを救ったという事実は変わらない。だから、これから先、君が生きていて自信がなかったり、苦しかったときはこの事実を思い出してほしい」

これも冒頭の言葉と同様に一種の呪いでもあると思う。呪いは呪いでも、わたしの人生に関係する人たちにとって精神の糧となる優しい呪いになってほしいと願う。

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