見出し画像

世の中にはたくさんのコーヒーがあるのに

 これは父の手による自家焙煎のコーヒー豆。ブレンドもオリジナル。特別な豆を使っているわけではないし、焙煎機も古いもので一度に1kgも焼けないくらいの機械である。このコーヒーは深煎りで渋みはなくすっきりとした飲み口で、おいしい。
 父がやっていた店は余裕がなく、年齢とともに野心的なものも減退し、文字どおりほそぼそとやっていた店が閉店して1年半ほどになる。

 閉店したときに、いよいよ飲めなくなると覚悟を決めて、他で満足できないこともわかっていたのでコーヒーを飲む回数が減った。その後ちょっとしたご縁でまたほそぼそと焙煎をすることができるようになって、今はそれを買い求めて飲んでいる。

 もとは両親が、途中からは父がひとりで続けてきた店について、それにまつわることなどをここに書きたいなと思って手をつける。でも父まわりのことになるとおもったように書けず筆が(手が)とまってしまう。

 今日も、一度書いた記事を消していまこれを書いている。父は本当に本当にろくでもない人なのだけれど、つくるコーヒーは素晴らしくおいしい。

サポートを頂戴しましたら、チョコレートか機材か旅の資金にさせていただきます。