見出し画像

値段じゃない

 前回のランチ会からずいぶん経ちます。うちひとりからの声かけでまたランチに出かけてきました。先週末のことです。

 平日のお昼だというので、前回と同じく私の職場の近くにしてもらい、初めて行くお店に決めました。メニューは結局3人とも(3人だったんです)同じものを選び、はしゃぎながら食べつつ、会話もしなくちゃいけません。なにせ3人で会うのは数か月ぶりだし。
 そういうことをやっていると、1時間なんてあっという間です。仕事に戻らなければならないため、ゆっくりできる2人にまたねと言って、先に店をあとにしました。

50円のナデシコ

 これはその前の日に、青果店(生花店ではなく)で買い求めたナデシコです。貼られた値札は50円でした。薄い花弁の小花があつまっていてかわいらしいナデシコは、好きな花のひとつです。その日の野菜と一緒にレジに持っていきました。
 50円ですよ。バラなんかだと1本も買えないような値段です。見えないけれど、この束には濃いマゼンタ色のと赤のナデシコが混じっています。かわいい。

キッシュのランチプレート

 3人で食べたランチは1,000円をすこし超える値段です。ふだん私はだいたいお昼を飛ばすので、といっても別に節約のためではないのだけれど、まあこのランチはぜいたくといえます。だけれども、こういう場合は何にお金を払っているかというと、好ましい空間で過ごす仲間との時間です。それに食事の内容を考えるとじゅうぶん満足といえます。

ぴらぴらのナデシコの花

 50円の花束というと、聞いただけではぜんぜん華やかにも贅沢にも感じないかもしれないけれど、水を入れたガラスの花器に挿して部屋に置くと、ぱっと空気が変わります。値段じゃないな、とおもいます。

 ものの値段だったり価値とかいうのも、時間と同じく伸び縮みというか、幅があるものだなあとつくづくおもいます。いっしょにいる人や、そのときの感覚や気分でずいぶん変わるんだからおもしろいですね。

*

 ものの価値なんかあっさり変わっちゃうんだな、なんてことをアレコレ考えていると、なんだか自分のあり方みたいなことにまでおもい至ってしまった(いつもの病ですね)。
 何かをしていないと自分には価値がないとか、肩書や役割で居場所や価値を決められちゃうとか、そういうのは嫌だな、とおもった。それにはやっぱり、私自身がしっかりと自分のことを認められていたらいいんだろう。それと、何が私にとってのしあわせかというのを、ちゃんと認識しておきたい。こういうのって、なかなかむずかしくて、だからこそみんな悩んだり欲張ったりしちゃうのかもしれないけれど。

*

光が入る落ち着いた空間

 ナデシコの花はまだかわいらしく咲いています。

この記事が参加している募集

サポートを頂戴しましたら、チョコレートか機材か旅の資金にさせていただきます。