漫画「ペルセポリス」感想文:イラン革命と少女の日常
本書の紹介文より:1979年イスラーム革命以降の著者の体験を描いた本書は批評家の絶賛を浴び、すでに12ヶ国語に翻訳されて国際的なベストセラーとなっている。
と書かれていますが、革命の話は主題ではなく、1969年にイランのラシュトに生まれた著者が体験した悲喜交交がテーマだと思います。
まず最初にこのマンガを知ったのは、このマンガを原作にしたアニメを観たからでした。限られた尺の中で描かれたアニメ映画は、イランという国の歴史文化背景を知らない私にとってはとても難しく、同時になにがなんでも理解してみたいと思わされるものでした。
それがこの度思いがけず原作を手にすることができたので、早速読みました。
アニメでは、イラン革命前後の生活の様子が激変した様が印象的で覚えていたのですが、原作を読んで印象が変わりました。
結局のところ、社会が急激にあるいは緩やかに変化したところで日常生活は営まなければならず、それなりに人々は適応せざるを得ないのだ、というのが読了した時の感想でした。
このように表現すると、堅苦しいですが本作にはそう言った思想的なあれそれよりも、著者が体験した、時に陽気で時に悲しい、時に恐ろしかった出来事が綴られています。
世界には沢山の国があり、国のカタチは様々ですが、人が織りなして社会が形作られていくのだなと改めて気づかされました。
他所の国ついて、悪口だろうが美辞麗句だろうが並べ立てても、その国のありのままを見ようと思わない限り、理解は遠のくばかりで、それは対人であっても同じなのかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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