国際結婚ファミリーの夫婦別姓問題
女性が結婚すると、「苗字何になったの?」と周囲から聞かれることは多い。
苗字が配偶者と一緒になることで家族になったんだな、結婚したんだなと実感する人も多いのだと思う。
当事者にならない限り知られていないが、国際結婚カップルは夫婦別姓が基本になる。
もちろん、希望すれば配偶者の姓に合わせて苗字を変更することができる。
日本の戸籍制度上、ミドルネームを設けることはできないものの、複合姓を作ることができるというのも国際結婚の選択肢だ。(クルム伊達公子さんのようなパターン)
結婚=嫁入りという慣習からなぜ女性側がいつも男性の姓に変更しないといけないのか、せめて選択肢があるべきではないかといった議論を目にすることも多く個人的には日本人同士の結婚であっても別姓や複合姓を許可するのはアリなのでは・・とも思っている。
ともあれ、フランス人の夫と結婚した当初私には苗字に関する選択肢が3つあった。
①日本人のままの姓を名乗り続ける
②夫の姓に変更する
③複合姓にする
同じく国際結婚した諸先輩方に聞くと、私の周囲では②が7割ほど。①が3割程度という印象だった。
夫の姓に変更した派:
・同じ名前にした方が家族って感じる。
・日本語の自分の苗字が好きではなかった。
・姓名判断で夫の姓の方が運気が良さそうだった。
日本人のままの姓を名乗り続けた派:
・銀行や役所など苗字変更に伴う手続きが面倒だった。
・日本人の顔なのに苗字が外国姓になるのは違和感がある。
・外国姓に変えた場合、予約や受付の時に何度も聞き返されたら面倒くさい。
どちらの意見を聞いても、はっきりとメリット・デメリットがあるというよりは個人の好みの問題で別姓にしたり同姓にしたりと選択している印象だった。
私はと言うと、今後日本に住み続ける可能性の方が高いということから日本姓のまま結婚することに決めた。
何より苗字変更に伴う手続きはする必要がなくなるし、
日本人の姓のままでいた方が役所的な手続きなどがスムーズなのかな、とか苗字がカタカナというだけで初対面の人から好奇の目で見られるような感じに抵抗感があったからだ。
実際、5年間夫婦別姓のまま暮らしてきたが何の不便も感じることはなかった。
外国人と結婚した場合、家庭裁判所に行かず苗字変更できる期限は半年間と決まっているため、今このタイミングで苗字を変えようとすると手続きが大変になることは間違いない。
理解はしているものの、妊娠が分かって今、改めて夫婦同姓にしようかとの迷いが生じている。
国際結婚し、子供が生まれると日本では子供の日本人の親の苗字を子供を受け継ぐ。
つまり、わが家は夫のみ違う姓で私と子供のみが日本人姓となる。
結婚したときもその事実は認識していたもののいざ子供ができると、家の中で夫のみが違う苗字になるかと思うと家族感的な一体感が感じられないような、なんとなく寂しい気がしてしまう。
夫は夫で、結婚当初は苗字は私の好きなようにすればいいよ、と言っていたが自分と違う名字で子供が呼ばれているのを見ると悲しいだとか、フランスの中でも珍しい苗字だから子供には残したいとか、最近になって思うこともあるようだ。
結局のところ、子供の立場にたった時どっちの名前がいいのか・・ということになりそうだ。
個人的にはこのまま夫婦別姓のまま子供を産んで、大きくなってから子供に選んでもらえたらどうかと思うのだが、
夫としては面倒だからそれだと絶対日本姓を選択するんじゃないの、友達からも日本姓で呼ばれるわけだしと不服な様子。
苗字がカタカナ姓ということでいじめられないかとか目立ってしまって嫌な気持ちにならないか、就職などに影響しないか(子供が大きくなる頃にはそんな差別がない社会となっていて欲しい)と私は心配になる一方で、
自分にはフランスのルーツがあって、フランス人の父と日本人の母から生まれたということ、そして二つの国のバックグラウンドがあることを誇りに思えるようになって欲しいとも思う。
ちなみに夫がフランスでの子供の苗字の扱いについて調べたところ、やはり夫名だけ・妻名だけ・夫名+妻名両方の3パターンで登録ができるようだ。
日本もそのような形でできれば子供が使いたい姓を選べるような制度だといいなと思うものの・・・。
恐らく一生に一番書く機会が多い文字であろう名前。
別姓? 同姓? 複合姓?
日本の戸籍制度が変わらない限りこの問題はしばらく頭を悩ましそうだ。
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