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個人事業主のイロハのハは、能力運用。

お金に働いてもらうのを「資産運用」と
いいます。株や投資信託・不動産投資などで
運用益を得ていくことですが、潤沢な資産も
運用の知識・センスも欠けていたボクは、
こっちは無理だなと端から諦めていました。
それでも、いわゆる長生きリスクに対応する
ためには何らかの手立てが必要でした。
ともかく、みなさん働けるうちは働こうとする
のですが、働けなくなった80代からも
いくばくかの定期収入を確保できるに越したこと
はないのです。

そこで、個人事業主ならではの事業選択の自由さ
を活かせないかと、13年前に考えました。
資産がないなら能力を。
多分ボクは資産を増やすより、能力を増やす方が
得意なはず。
だから、自分の「能力運用」というカテゴリーで
事業を行って収入を確保しようと
目論んだのです。
アウトラインは、こんな感じでしょうか。

  1. 当初は、自分の能力(ノウハウ・スキル)の開発に投資する。

  2. 規模は小さくてもニッチでも、需要が   掘り起こせるものを選ぶ。

  3. 自分で開発した「メソッドやノウハウ」と      「ツルハシ」も売る

  4. 複数を時間軸を換えてトライアルしていく。

  5. 最終的には他人に売ってもらう。

ここで、ボクのいう「能力」の定義をしておきます。

仕事をする能力は、次の3つに大別されると
思います。

  1. 専門能力・・法律や経済の専門知識や自動車を   修理、家を建築する技術など専門力。

  2. 仕事を前に進める能力・・交渉する。説明・      説得する。教える。伝える。調整する。             課題を発見するなどの、主に対人能力。

  3. 人間力・・丁寧、親切、フレンドリーに、          相手の身になる、労を惜しまないなどの             相手に感謝される能力。

能力開発と聞いて、間違っても専門分野の資格を     取ろうとすることは止めておきましょう。                ネット検索やAIの時代に、もう専門能力では
勝負できません。

おすすめは、
2と3の「仕事を前に進める能力」と
「人間力」の分野で、その能力を専門知識や
専門技術のレベルまで開発する
ことです。
みなさんも定年まで社会人として揉まれて
きたのですから、経験知やエピソードは
豊富でしょうから、とっつきやすいはず。
この分野には国家資格も免許取得も
いりませんから、余分な費用も発生しません。

ボクの事例をお話しましょう。                          定年2年目から始めた、スピーチのコーチで   13年、報酬を得てきました。

定年の直近は、経営計画局や総務人事局で
仕事をしていましたので、経営コンサルタントや
人事コンサルタントで仕事が得られないかと
思いましたが、まったくダメでした。
経営・人事コンサル自体がレッドオーシャン市場
でしたし、一企業の経験レベルでは相手に
されませんでした。

果たしてボクが有している能力・経験知の
どの部分が、一体誰の需要とマッチング
できるのか、まったく手探りのときに
mixiというSNSに出会いました。
特に首都圏はオフ会という、リアルに交流する
勉強会やイベントが盛んでした。

当時は朝活という言葉がブームになりだした
頃で、mixiの掲示板を見れば、朝から読書会
などが花盛りで、誰でもヒョイと参加できる状況
でした。
そこで20代・30代の若い人たちに混じって
60代のボクが顔を出すのですが、
読書会でしたら本好きであればOKなので、
こちらはなんの違和感もなくどんどん参加を
していきました。             
夜の時間帯のオフ会ですと、本体の読書会や
勉強の後、飲み会に流れ込むことも多く、
フラットに若い人たちの情報に接することが
できました。

そこで発見できたことの1つは、
「みんな人前で話すことが苦手」でした。
知識も教養も学歴も社歴も優秀なのに、
いざ人前で発信するとなると途端に
臆してしまう若い人たちの姿でした。
また、彼らはボクの経歴の中で、
仕事でプレゼンテーションをたくさん経験
してきたことに興味や関心を持ってくれても
いました。
そこで、若い人たちとともに
「mixi3分スピーチ勉強会」
というイベントを立ち上げました。
貸し会議室代だけはシェアしましたが、
ボクが主催兼講師役をボランティアで、
8ヶ月ほどで述べ200人ほどの人たちと
交流しました。

その成果として、
「日本人の多くがスピーチを苦手としているのは、教えられていないだけで、
学べば全員が上達する」ことを
知ることができたのです

スピーチを教えることを事業として捉えて、 提供するプログラムとメソッドを準備しました。

交流したみんなに
「お金を払ってでも学びたいか?」と
ヒアリングを重ね、前向きな感触を多数得たので、事業化に舵を切りました。
そしてトライしたのが、次の2つ。
(1)能力を売り物にできるまで強化する

  1. ボクが前職で獲得していたプレゼンテーション・スキルを、一般化して学びやすく成果の出るメソッドにアレンジすること。

  2. 座学ではなく、身体を使ってのスキル習得に適したプログラムに仕上げること。

  3. 専門的に教えるためには、補強しなければ いけないことにも着手。発音や発声を教えるために、ボクは音楽家専用のボイストレーニングを習いに行きました。

(2)事業化の強みを確信して磨く

  • 顧客の困り事や課題、期待できる成果に  関して実証できていること。

  • ボク自身が人に教えることが好きで、   成長する姿を見ることが喜びであること。

信頼感の獲得とPRのために、書籍を執筆しました。

このnoteがなかった時代でしたので、
まったくの素人が商業出版をするのは
とても難しく、最初の1冊は自費出版に
近いものでした。
前職の会社の先輩が小さな出版社を
立ち上げたときに声がかかり、印税なしの契約で
執筆しました。
ラッキーなことに、mixi時代の読書会の流れがFacebookに受け継がれ、
立ち上がったばかりの「ビブリオバトル」や
読書会のイベントを通して、紀伊國屋書店の
方々とご縁ができいたので、
大手流通を通さない無名の執筆者の本でしたが、
全国の紀伊國屋書店の新刊本の書棚に
陳列していただけました。

本を一冊書き上げるというのは、
自分の能力のステップアップに拍車を
掛けることです。
たまたま取り組んだスピーチ・プレゼン分野で、
2冊めはソフトバンク新書で、
3冊めはマイナビ出版から執筆依頼を受けて、
定年後の能力開発で3冊の本を出版できました。
すると新聞社や雑誌者からの取材や記事の
寄稿につながり、講演会や企業の研修にも
発展していきました。能力は結構有効です。

こうしてありがたいことに、売上の多寡は
別にしても「能力開発運用」で
事業を継続していくことができています。

時間の資本を使う。1年間集中して学べばかなりのレベル!

ボクの事例を書きましたが、基本的には
どなたでも可能なことだと確信しています。
なぜなら、誰もが時間という資本を
持っていますし
(定年後であれば、全時間を投下できます)
得意領域や没頭してまで取り組めるモノゴトを
すでに備えています。
ただそれに集中して時間と少しのお金と情熱を
投下してこなかっただけではないでしょうか。

おまけに個人事業主の自在さで、
利益を得るのは3年後くらいに設定すれば、
ひたすらインプットに、自己投資に
励む事ができます。
学びに出かける時間と開発費という経費。
トライ&エラーの経験値を積むために、
実践を繰り返しても誰も文句は言いません。
途中からSNSで発信して、他者からの
フィードバックも得るようにしてください。
そしてすべて記録・データ化して、
自分なりのエビデンスを作っていくのです。
2〜3年、それらを実行できれば、
立派な専門家になっています。

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