多くの人はなぜ? 定年後も「本当にやりたかったこと」をやらないのでしょう。
定年前は、やりたいことがあっても、お金を稼ぐために仕事に大部分の時間とエネルギーを注ぎ込んできましたから、やりたいことは充分にできませんでした。
やりたいことに掛けるお金も少なく、時間も細切れで、やったとしても不完全燃焼でした。
ですが、定年を迎えたら、
(1)もうやりたくないことはやらずにすむ。
(2)やりたいことに投下する「時間』は、24時間・365日・10年20年とたっぷりある。
(3)お金も、退職金の全額は無理だとしても300〜500万円くらいは使えるはず。
なのに、やらない。 理由は2つあります。
『死ぬときが分かれば貯金使うのに」という名川柳があるように、定年したら「長生きリスク」という脅し文句を突きつけられます。稼ぎはなくなるのに20年30年の生活費と、高齢による医療費や介護費などのお金の不安に身動きできなくなるのが、理由の1つ。
理由の2つ目は、本当にやりたいことがわからないことではないでしょうか。
確かに、定年直後はやりたいことを一見、謳歌します。
夫婦で世界旅行に飛び回る。週に3日も4日もゴルフ三昧。登山に絵画にグルメを堪能の日々・・・。
ところがそれらは、制約を受けてできなかったことの反動で、時間とお金の制約の解除でやれたことに過ぎない。長年の願望を実現できたこと。
もちろん、嬉しいことですが、ひと渡り体験すれば気が済んでしまう。
飽きてさえしまい、結果やりたいことが消えてしまうのです。
お金の不安と、やりたいことがないという悩みを抱えて緩やかに死んでいく。
もちろん、定年前と比べればありがたいことで、たとえば再雇用になっても責任のない仕事でストレスフリーで、少しお金が稼げて時間もつぶせて、満足度は低くありません。
そのうち、健康を維持することが仕事になっていって、日々残りの人生はあっという間に過ぎていきます。
「遊びをせんとや生まれけり」
結局わたしたちは、定年前も定年後も最後までお金の不安に負けてしまうのでしょうか。
定年後を語るのに、年金の繰り下げ受給や認知症のことしか聞こえてきません。
何より残念なのは、「好きなことでは稼げない」から散財するだけだという刷り込みで、本当にやりたいことを追求しないことではないでしょうか。
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