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知的障害、発達障害を持つ人が物を売るということ

知的障害支援施設(就労継続A型、B型、授産施設)のお店を利用したことがある人、商品を購入した人はいますか?多くの方は利用したことがないと答えると思います。しかし、実は知らず知らずの内に利用していたという人は少なくないです。

現在、食品関係(カフェ、レストラン、パン、菓子、その他食品)・雑貨(生活雑貨、手芸、アクセサリー、陶芸、ガラス工芸、木工)・アート(絵・クラフト、音楽)・作業(印刷、その他作業)など様々な分野で障害が持った方が社会参加しています。

販売経路として、各施設のお店、アンテナショップ、デパートなどでの合同販売、WEBショップ、企業のアメニティなど様々です。あなたの手にした商品も販売元をたどれば施設の商品だったという事も珍しくない時代です。

それでは、知的障害を持った方の給料(工賃)はいくらぐらいだと思いますか?事業所ごとに支給している給料は異なりますが平均1万4千~5千円という所です。経営努力が実を結んでいる施設では5万円を超える給料(工賃)を支払いしていますがごく一部です。ほとんどの障害を持った方は満足のいく給料がもらえていない現状があります。

「何故、給料が上がらないのか?」障害者支援施設側が社会で売れる商品を作れていない。また、市場を意識した販売戦略を実践できていない。施設側が社会福祉という狭い社会のつながりから独立できずに物を売るプロになりきれていない為です。

知的障害者支援施設の商品はマーケティングの基礎である「何をどこで誰にどう売るのか?」が中途半端に感じます。多くの顧客は元々つながりのある保護者、関係者であることが多い。実際に一般企業に出品できたとしてその商品が爆発的にヒットする事例はあまり聞いたことがありません。

「売れる商品を作れる施設は何が違うのか?」そういう施設は「製品」「販売促進」「顧客ターゲット」「流通経路」が明確にしてあり、高いレベルで実現できています。また、この4つの内1つか2つが特別に優れている事です。福岡県のとある施設では、ローカル番組でコーナーを組んでもらうことで「販売促進」がなされ、爆発的に商品の価値を高めることに成功させています。

これからの福祉業界では幅広い世界で活躍できる人材を獲得する事、育成することが課題となっていきます。ニーズが多様化していく現代の流れに適応できるよう、福祉がダイバーシティとなっていく事が必須です。その結果、障害を持つ人たちに新しい世界や価値観を創生することができます。

福祉と社会との間にはまだ見えないギャップ(相互理解)があります。福祉が社会を意識し適応していく事、社会が福祉を理解し、福祉が持つ力を認めることができた時(Win-Winの関係を築けた時)両者の間にある見えない障害を少しずつ取り除くことができるのではないかと思います。

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