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知的に障害を持った方の働き方

金澤翔子さんという方をご存知ですか?ダウン症の天才女流書家と呼ばれている才能あふれる方です。(今回の表紙は金澤さんの書をお借りしています。)彼女の書に人は心を打たれ、人と人をつなぎ、彼女の書は世界に飛び出しました。

しかし、彼女のように特別な才能の無い人達はどのように働いているのだろう?多くは障害者雇用のある企業、その他福祉施設(就労継続A型、B型、授産施設、生活介護)などで働きます。多くの方が自分の強み(得意な事、できる事)を活かして、そして自身の成長を促し一つ一つできる事を増やしながら働いています。

私は多くの方を「特別な才能の無い人達」と表現しました。それはある意味真実です。健常者の私達もまた金澤さんのような特別な才能は持ってないからです。私達が就職活動した時、転職した時、起業した時を思い出してください。その時は必ず「自分自身の長所とは何か?何が好きで得意か?」自問自答したと思います。そして「どういう自分になりたいか?」を導き出しました。働き方自体に健常も障害も関係ありません。

ある日、菓子製造に携わる施設の利用者の方と話したことが心に残っています。

私「お仕事ばかりできつくないですか?」 

利用者「そんなことないですよ。仕事楽しいです。」 

私「さすがですね。でもたまにはお仕事よりカラオケとかしたいですよね?」 

利用者「僕はお仕事の方が好きです。」

私はこの利用者の方を完全に甘く見てました。彼はただのプロフェッショナルでした。実際に彼の仕事ぶりは素晴らしいです。クッキー、ケーキ、プリン作りを必要最低限のツールを利用しながら自分一人で完成させます。彼は菓子の製造にあまり携わることがなく不慣れな私を見かねて「9人目さん大丈夫です。僕が教えてあげますから」と声を掛けてくれます。正直めちゃくちゃ頼もしいんです。そして彼が作ったお菓子は美味しい。

これまで多くの知的に障害を持つ方の働く姿を見てきました。金澤さんのように特別な才能があり、フランスでアート展を開いた人。数が好きでバザーの会計時には電卓を使わずフラッシュ暗算して答える天才型の人。

我々と同様に特別な才能は持たなくとも、毎日事業所で自転車の整備の仕事に取組み、自分も支援者と同様に整備士の資格を取りたいと勉強する人。体が動かす事が好きで自分の足で地域の方に郵便物を配達して汗を流す人。細かな手先の動きが苦手だけど、物作りが好きで縫物に挑戦する人。

才能あるなしに関わらず「なりたい自分になるため」に行動している人はいつも笑顔が弾けて輝いています。

「なりたい自分になるため」に働く姿は健常者とか障害者は関係ないです。そしてそれぞれに成長のストーリーがあります。私自身まだ何も成し遂げられいないですし、失敗の日々です。でも、いつか若者に対して「大丈夫。私が教えてあげますから」と胸を張って言えるプロフェッショナルになりたい。

今回、伝えたいことは知的に障害を持った方は皆様が周知している以上に「社会で活躍している事、輝いている事」を知って欲しい。そして彼らの力を利用して欲しい。その力は皆様が思っている以上に頼もしいから。

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