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Welcome to Underground

358 :世界遺産:2006/08/14(月) 15:48:55 ID:O2Q5Lui70
中学時代のパソコンの授業でインターネットを使った時
みんなが自分の好きな漫画や野球のページを見てる時に
自分だけこれみよがしに2chにつないでAAとかを周りに見せてたこと
しかも「このページって何?」って聞かれた時に「ヤバイ奴らの集会所みたいなもん」とか答えたこと
さらに友達に2chへの行きかたを教えるためにヤフーで2chって検索させて
でてきたリンクをクリックして2chのトップページが表示された瞬間に
そいつの耳元で「Welcome to Underground」ってささやいたこと

言わずもがな、有名な2ch(現5ch)のコピペである。
2006年ともなればインターネットの普及率は7割を超えていた為、それなりに身近な存在になっていた頃だ。
このスレに書き込んだ主は中学時代の話としている為、2ちゃんねるがまだアングラにカテゴライズされていた時代なのだろう。
因みに2004年に2ちゃんねる発である電車男が様々な媒体にメディアミックス化された事もあり、以降、2ちゃんねるはメジャーな立ち位置へと進んでいった様に思う。


さて、私がインターネットに初めて触れたのは今から20年以上前ーー90年代。PCは今以上に嗜好品の扱いだった為、一般家庭へのインターネット普及率はまだ1割程度の頃だ。

今の子達は驚くだろうが、当時は電話回線を使用してインターネットに繋ぐダイヤルアップ接続がメジャーだった時代でもあった。
これでネットを繋ぐと電話代が跳ね上がり、親にしこたま怒られた事も懐かしい。うろ覚えだが、電話使用率の高い時間帯(19時〜21時くらい?)は高く、深夜は安かった為、休日前の土曜日(完全週休2日制ではなかった)は深夜シコシコとチャットに勤しんでいた。
初めの頃はインターネットの使用者というとおそらく30〜40代くらいの男性が多く、チャットルームで年齢を聞かれ正直に答えると信じてもらえない事も多かった。

……さて、当時の私は漫画とアニメとゲームを愛し、愛読書はアニメディアと電撃PlayStationという古(いにしえ)のヲタクであった。小学生の頃からコミケに通い、中学校に戦利品を持って見せびらかす痛い存在であった。当時を振り返るとあまりの恥ずかしさに声にならない叫びをあげる。よく、虐められなかったと思う。

そんな私である。
おわかりいただけただろうか?

なりきった。
なりきったのである。ヲタク達が集いしチャットルームで。

【みるきぃ】
というスーパー美少女へと変貌したのである。
(CV:沢城み●き)

Oops……

もはや太古の記憶過ぎる為に封印がかかっているのだが、「うきゅう」やら「にょ」やら「にゅ」やらと、何やら奇っ怪な語尾をつけていたのであった。
(おそらくデ・ジ・キャラットの影響だろう)
また、一人称は「私」ではなく美少女のみ許される「自分の名前」である。

するとどうなるだろうか。
「私は今日、カレーライスを食べた」

という会話が

「みるきぃね、きょうカレーライス食べたんだにょ❤」

に変換される訳だ。

Oh……

神がこの世に居るならば、この迷える仔羊を救い給え。

と、まあそんな感じで厨二病を拗らせ黒歴史へと昇華。

高校生の頃ともなると個人サイトを運営。
htmlタグのクソ分厚い本を読んで作りました笑。
今はなきジオシティーズ様とお絵描きBBS様には大変お世話になりました。

私のHPは前述のお絵描きBBSと通常のBBSをメインに、自分の描いたイラストやポエムを掲載。
オエビの配布元では宣伝スペースがあり、好きな作品やジャンル、企画を書く事でリンクを踏んで下さった方達が素敵なイラストを描いてくれていました。皆の絵、保存した。

フロッピーディスクに。

アレ全然保存出来ないんだよなあ。


私が少し古い漫画やゲームが好みだった為、交流していた方達は私より歳上が多かった。
高校2年生の頃、学校が嫌で嫌で、病み系の書き込みが増えていた。
そんな私を見兼ねてか、お姉様方が優しいメールを送ってくれた。
嬉しかった。
20年近く前で、顔も知らない貴女達だけど、今でも忘れていません。
あの頃の私を救ってくれたのは紛れもなく彼女達だったから。


サイトはとっくの昔に閉鎖した。相互リンクしていたHPも無くなった。

創作の場は個人サイトからSNSへと移り、携帯電話はガラケーからスマートフォンへ。
ナイスミドル中心だったインターネットは、この2、30年の間に老若男女問わず誰もが気軽に使える存在になった。

定額でサクサクと動くネット回線、誰とでも繋がれて、検索すれば何でもgoogle先生が教えてくれる。
便利になった。本当に便利になった。

ただ、今のインターネットは便利になり過ぎた。
懐古厨と言われるかもしれないし、今では死語となった【ネチケット】があの頃は存在していた。
苦しくて居場所がない私を救ってくれたのはインターネットだった。
それが今ではどうだろう。
SNS上には攻撃的な言葉が溢れ、他人を傷付け、時には死へ追いやる。
かつての紳士淑女達は何処へ行ったのだろうか?

言葉は人を救うと同時に容易く人を殺す。
だからこそ、インターネットは救いの場であって欲しい。


時々あの頃の不便さを愛しく感じる事もある。
戻りたい訳ではないけれど、もしも戻れるとしたら耳元でささやくよ。

「Welcome to Underground」

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