泣く

泣いている決算書、笑っている決算書【その2】

では、どのような決算書が「泣いている決算書」なのでしょうか?
いくつかのパターンがありますので
ご紹介します。

①税金減らし至上主義で作られた超恣意的でワガママな決算書
「とりあえず税金さえ少なくなれば良い」と、
事業に関係のない私的な支出まで入れまくっている人がいます。

・個人的な趣味・遊びの支出
・家族行事
・友達との飲み食い
・人から貰った領収書

このような決算書を見ても、
一体いくら儲かったのか、いくら損したのか、さっぱり分かりません。
しかも、どこが良くなったのか、どこを改善すべきなのか、前期と比べてどうなのか?・・・比較検討の材料にもなりません。
全く意味のない数字となり、かつ、脱税丸出しのハイリスクな決算書です。
そしてこのような会社の経営者は会社を私物化しているとも言えます。

②無計画な支出と無計画な借入でボロボロになった決算書
本当に必要かどうか、今このタイミングで必要かどうか等々を深く検討せずに、単に「良さそう」とか「格好いい」とか「これを導入すれば儲かりそうだから」と言った「根拠なき自信」で無駄ゼニを使い、そして「お金が無いから・無くなったから」と安易に借入をする事業主が非常に多いです。
借入は雪だるま式に増えて行き、利益が出ても借金返済ばかりでお金は出て行き、資金不足が常態化した決算書です。

③やりたくもない仕事をやらされている感たっぷりの決算書
せっかく独立開業したのに、やりたくもない仕事をやり、後ろ向きになりながら取り組んでいると決算書には色濃くその社長の気持ちが出てきます。
モレが多い、ケアレスミスが多い、数字が合わないなど、自分の会社の数字なのに無責任。
仕事にまともに向き合っていない人は決算に対する気持ちも低く、どこか投げやりで、それは決算書にも現れるのです。

④活用されない決算書
これは非常に多いケースです。
自作かもしくは税理士に依頼しているかを問わず、一生懸命時間と労力をかけて作ったのに、納税が済むとお蔵入り。翌期において見返すこともされません。
難しい経営分析など知らなくても、年額を12で割るだけでも1ヶ月の参考目標値となるんです。決算書には多くのエッセンスが詰まっているのに非常にもったいない!
このような経営者は、悪意なく無意識でそうしているので自身では気付いていません。それだけにタチが悪いとも言えます。

⑤普段は放置で決算前に慌てて作る決算書
これも非常に多いです。特に個人事業者に多く見受けられます。
まるで8/31の夏休みの宿題。
事業年度の途中で業績の進捗状況も分からず、決算対策も出来ない、出たとこ勝負の一発バクチみたいなもの。
いくら会計ソフトで見栄えはキレイでも所詮は付け焼き刃です。

以上、「決算書が泣いている5つのパターン」を列挙させて頂きました。
「耳が痛いなぁ」と思われる方は、改善の余地があります!
痛いのは貴方に「良心」や「改善したいという気持ち」がある証拠ですよ。

続きは次回に。
長文をお読みくださり、ありがとうございました。

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