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【積読増加注意!】ブックガイドのガイド②

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 先日「ブックガイドのためのガイド」という記事を投稿しましたが、実は私の本棚にはまだまだたくさんのブックガイドが並んでいるんです。まるで「ブックガイドコレクター」みたい(汗)
 …で、そんなコレクションの中から今回も何冊かピックアップしてご紹介したいと思います。

 子供の頃、先生や親によく「本を読め!」って言われていた私。その頃は頭を使うより身体を使う方が得意だった(今でもそうか)し、バンドとか陸上とかアニメなど、他のジャンルにものすごく興味があったので、そんな言葉は右耳から左耳へ!
 そのまま大人になってしまったわけですが、なんの因果かこうやって本を読むようになってみると、やっぱり物語には「旬」というか「読むべき時期」ってのが確かにあって、もちろん大人になってから読んでもいい物語はいいんだけれども、「あぁ、あの頃この物語に出会っていたらなぁ」ってことは多々あるわけです。

…で、同じ気持ちは味合わせたくないので、やっぱり子供たちには「本を読め!」って言っちゃうわけですよ。
 でもね、たとえば私のような人生のB面に入るまでほとんど本を読んでこなかったオヤジがそんなこと言っても、そもそも自分が本を読んでこなかったので説得力ないし、本の良さをうまく伝えられる自信もないし、鬱陶しがられるのがオチ。

 …ということで参考のために手に取るのがやっぱり「ブックガイド」。
 本読みのプロが勧めてくれる本だったら多分間違いないだろうし、ブックガイドなのであらすじだけじゃなくて読みどころみたいなものもしっかり抑えているだろうし…。

 そんなわけで今回は小学生から高校生までの多感な10代の皆さんと、その親御さん向けに、本のプロたちが厳選した「10代のためのブックガイド」をご紹介します。

【10代のためのブックガイドのガイド】

1 小、中、高校生別

⚪️小学生はこれを読め!
(2011年 刊行)
 「小学生はこれを読め!」編集委員会 編

⚪️中学生はこれを読め!
(2007年 刊行)
 北海道書店商業組合 編

⚪️中学生はこれを読め!2
(2009年 刊行)
 北海道書店商業組合 編

⚪️高校生はこれを読め!
(2010年 刊行)
 「高校生はこれを読め」編集委員会 編

 北海道の書店員さんや学校司書さん、図書館司書さんたちの読書に対する情熱から生まれたこの4冊。
 どれも15年ほど前の刊行なので、現物を手に入れるのには多少難儀するかも。

 考えてみれば小学校から高校って、長いようで短いあっという間の12年間だけれど、心も身体も最も成長する時期なんですね。
 とすると物理的な栄養だけじゃなくて、物語や音楽、美術なんかでいわゆる「ココロの栄養」も充分バランスよく取ることが大事なんだろうなぁ、やっぱり。

 「小学生は….」の巻末には低学年、中学年、高学年別にリストが掲載されています。
 「中学生は….」は「元気になれる本」や「新しい自分に出会える本」などテーマを分けておすすめの本を紹介。
 「高校生は…」は、巻頭が小路幸也さんのインタビュー。その他にも朝倉かすみさんや乾ルカさん、豊崎由美さんなどが寄稿していたり、なんと言っても目玉は北海道の図書館司書さんや書店員さん97人が、それぞれおすすめの本を3冊紹介しているというボリューム満点な一冊。

 もちろん読んでない本なんて山ほど。
 そういえば小学生低学年の時期って、図鑑や絵本以外は、自分で選んで手に取ることは少なくて、親が選書して買い与えることって多分多いと思うので、ぜひそんな時の参考にしてみてください。


2 ヤングアダルト!

⚪️今すぐ読みたい!YAのためのブックガイド150
(2015年 刊行)
 監修 金原瑞人、ひこ田中

【内容紹介】
YA英米文学翻訳の第一人者であり、書評も多く執筆している翻訳家・金原瑞人さんと、児童文学作家で評論家としても活躍しているひこ・田中さんの監修による、10代に読んでもらいたい本を集めたブックガイド。
2009年〜2015年に刊行された作品の中から、国内、海外を問わず、最新のYA本150冊を収録。ジャンルは、小説、エッセイ、コミック、絵本、ノンフィクション、詩集、歌集、写真集など実にさまざま、10代だけでなく大人世代も読みたくなる本が、たっぷり掲載されています
執筆は、監修の2人のほか、作家、書評家、翻訳家、研究者、図書館司書、書店員、歌人、ブックデザイナー、ライターなど、いろいろな立場の「本のプロ」25人が担当。自ら選書した本を「絶対読んでほしい!」という思いで紹介しています。

Amazon書誌情報より

⚪️今すぐ読みたい!YAのためのブックガイド150 2
(2017年 刊行)
 監修 金原瑞人、ひこ田中

【内容紹介】
 10代(中高生)の読者のために、過去7年間に刊行された本だけを、本の専門家が計150冊選ぶブックガイド『今すぐ読みたい! 10代のためのYAブックガイド150!』シリーズの第二弾です。
選書の条件は「10代(中高生)の読者にすすめたい、2011~2017年刊行の本」のみ! 日本と世界のYA最新小説をはじめ、エッセイ、コミック、絵本、ノンフィクション、詩集、歌集、写真集など幅広いジャンルにわたり、10代だけでなく大人世代も、きっと「刺さる」本があるはずです。

Amazon書誌情報より

そもそもYA(ヤングアダルト)って??
 調べてみたところ

①10代後半の若者。20代前半を含めることもある。
②若々しい雰囲気をもった大人。

デジタル大辞泉より

だそうです。
 ふむふむ。
 じゃ若々しければ40代や50代でも…。
 さすがにそれはないな。

 冗談はともかく、簡単にいうとYAって、「オトナの階段を昇っている時期」と言うことなのかな(この表現も古いね)。
 この時期というのは第二次性徴期もあるし、「自分」が確立する前の多感な時期だし、特に大学生なんかは「時間」を自由に使える唯一の時期なので、お勧めする側も気合が入っています。
 金原さんが監修されているということもあってか外国文学が多め、内容紹介にもあるように執筆者も取り上げられたジャンルも実に多彩なのが印象的です。
 いわゆる「古典的名作」が入っていないのもこの本の特徴。
 ちなみに私、この2冊に挙げられている本はほとんど知りませんでした。でも1巻めの一番最初に紹介されているのが森絵都さんの〝クラスメイツ〟なので、これはこれで良しとします(何様だよ)!


3 最新版はコレ!

⚪️10代のための読書地図
 本の雑誌編集部 編
(2021年 刊行)

【内容紹介】
 書評誌「本の雑誌」初の10代向けのブックガイド。「朝の読書」や「夏休みの読書感想文」対応の「本の雑誌が選ぶ10代におすすめする100冊座談会」から「ジャンル別10代おすすめ本ガイド」、全国書店員さんがおすすめする10代に読んでほしい本&10代のときに読んでおきたかったと後悔した本など、興味を引きやすい角度から本を紹介。
 また本屋さんでの本の買い方・探し方ガイドや本好きのためのハローワークなどなど、「本の雑誌」ならではの切り口で、10代の読書に迫る。

Amazon書誌情報より

 私の手元にあるブックガイドの中ではこの本が最新。
 しかもただのブックガイドではなくて内容は実に多彩。
 さすがは「本の雑誌」。
 パラパラと拾い読みするはずが、あまりにも面白くて最初から最後まで一気に読んでしまいました。
 もちろん選書も充実。
 他の一般的なブックガイドのように「泣ける」とか「ほっこりする」といったシュチュエーション別ではなく、「友達」「部活」から「宇宙」「戦争」などジャンル別に10冊ずつおすすめの本を紹介してくれているし、おまけに「47都道府県ご当地小説ガイド」なんて切り口も嬉しい。
 とにかくここまでエンタメ色の強いブックガイドも珍しいです。
 手元に置いて損なしの一冊です。
 ちなみに私、この本は今でも普通に手に入ることもあってかなり推していますが、「本の雑誌社」の社員ではありません。念の為。


【まとまらないまとめ】

 「ブックガイドのガイド」第2弾はいかがでしたか?
 今回ご紹介した本を買い求めるもよし。
 図書館で探してとりあえずリストだけコピーするもよし。
 自分で「読みたい本リスト」を作ってニヤニヤするもよし。
 もちろん、気になった本を片っ端から読んでみるのもよし。
楽しみ方は十人十色。

 まずは一冊手にとってそこから読書の海へ漕ぎ出すことを、そして願わくば自分にとって大切な一冊が見つかることを、そしてそしてその一冊を胸を張って自分の子供たちにお勧めする日が来ることを願っています。

【最後に出版社の方にお願い】
 いわゆる「名作」と言われる本たちはいつまで経っても色褪せず読み継がれています。
 何せ毎年行われている夏の文庫フェア(カドブン、ナツイチ、新潮文庫の100冊)では、太宰治や芥川龍之介、夏目漱石は必ずと言っていいほどラインナップされるし、売れ行きも上々だとか。
 例えば「あなたの知ってる時代小説家をあげてください」という質問があったら、ほとんどの人が「藤沢周平」「司馬遼太郎」「池波正太郎」のうち誰か一人は上げるでしょう。
 もちろん「定番」と言われる絶対に押さえておくべき一冊というものはあるわけですが、出版不況と言われながらも毎年何万冊も新刊書が刊行されるわけなので、いわゆる「定番」や「売れ筋」を集めたブックガイドのアップデートに加え、思わず手に取りたくなるような新しい切り口のブックガイドが刊行されることを願って、この駄文を締めくくりたいと思います。

最後に
 読書っていいよね。


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