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散らかった部屋でする音楽のはなし

はじめに

こんにちは。片付けても片付けても散らかる部屋の中で、もうええか。と思い始めた932です。

年末?大掃除?聞こえませんね……。聞こえなかったことにさせてくれ。

物理的に片付かなくても思考の整理くらいはしたい、というわけで今回は久々に(というか何気に初めてでした。)趣味の話、なかでも音楽の話をしたいと思います。
音楽ジャンキーの私にとって、日常は音楽とともにあります。今年もたくさん聴きました。聴かなくなった曲を久々に聴いたりもしました。というわけで音楽的今年1年の振り返りといいますか、総括みたいなものをしたいと思います。
(といっても、専門知識はないので、ただ、日常であんまり聴かない類の音楽を知りたいと思う人は、どうぞお付き合いください。)



ラテン・ミュージック

やはり今年も、さまざまな感情をラテン・ミュージックに慰めてもらったと思います。ボサノヴァ、サンバ、マンボ、レゲエ……挙げるとキリがなさそうですね。
これらの音楽の独特のリズムやパッションが心を落ち着けてくれたり、嫌なことを忘れさせたりしてくれました。
というわけで何曲か、私をときに癒し、ときに鼓舞してくれたラテン・ミュージックたちをご紹介したいと思います。



①Desafinado /Stan Getz・João Gilberto・Antonio Carlos Jobim

聴けば聴くほど、不思議な旋律ですね。
それもそのはず、タイトル"Desafinado"は、ポルトガル語で"音痴"を意味します。調べてみると難解なコード進行をしているのだそうで、音楽を普段からよく聴くという方もなかなか音楽的な次の展開が読めない曲なのではないでしょうか。(巷で人気の曲とかを聴いていると、この次は大体この音が来るなor来て欲しいな とか無意識に思ったりすると思うんです)
私は一回目に聴いた時は、????でした。しかしこれがまた俗に言うスルメ曲で、操縦不能の危うさを孕む音程が、気づけばそれでないといけないという風にまで、曲として頭の中に落とし込まれているのです。口ずさめはしないけど……。
テンポはそのままで、ただ旋律やコードが目まぐるしく変わっていく。夢のような、人生のような、どこか懐かしいような、今もそれを味わっているような、そんな気持ちにさせてくれる曲だと思います。とにかく落ち着きます。



②Tristeza/Sergio Mendes&Brasil'66

サンバと言えば?と言われて思いつくのがこの曲です。そのくらい大好きです。
明るく軽快な曲調に反して、タイトル''Tristeza''はポルトガル語で「悲しみ」の意。そこがいい。
「悲しみはもうたくさん、もう一度歌いたい……」という、一見して哀愁ただよう歌詞が、踊るようなリズムと伴奏に支えられ、これでいいか、今のところは……と納得させてくれるような、そういった説得力を持って、すぐそばで悲しみを分かちあってくれるような気さえします。無理に励ますでもなく、しかし放っておくわけでもなく。辛いときって、いかにも辛い気持ちを哀切な曲調で歌う曲には逆に触れられなかったりしますが、その点においてこの曲は最高だと思います。「泣ける映画」みたいで嫌なんですが、この曲は個人的な処方箋のレギュラーメンバーであったりします。



③Mambo No.5 /Pérez Prado

どこかで聴いたことがある、という人もいるんじゃないでしょうか。車のCMで使われていた記憶があります。
"マンボ王"ペレス・プラードの代表曲「マンボNo.5」です。そもそもマンボってなんなのか?私もあまり分かっておりません…。が、細かく刻まれるパーカッションとそれを彩るブラスセクション、特に冒頭や盛り上がりの前半で強烈な印象を残す、明るく抜けのいいトランペットというのはマンボの特徴と言えるでしょう。
踊りたいのに踊れない、日本人にあまり縁のないリズムのように思えたりする一方、ブラスセクションを笛だと思えばテンポ早めのお囃子に聴こえませんか?わたしだけですか、そうですか……。
ともかく私はそのお祭り感が好きで、花火大会をやっている日にテレビもつけずにこの曲を流すということをしています。実際には行きたくない、テレビで見てもそこまでの感動はない、けれども間接的に祭りのムードに関与したい。そんなときにおすすめの曲だと思います。



④ Beautiful/Damian "Jr Gong" Marley ft.Bobby brown

最後はこの曲です。
この曲を最後に持ってきたのは、本当に私情でしかなく、というのはつまり私の思い出の曲なんです。この曲に出会ったのは、私がスマホという文明の利器に初めて触れた11歳の頃で、そのときの衝撃と言ったら忘れることができません。
冒頭のサックスのイントロから素晴らしいですよね。机の上にはウイスキーと手紙、そして眠りこける男の、ペンを握る手が……という映画の導入くらい(分かりにくいですね。)好きです。そういった映画が実際にあるかは知りません。
MVも中々いいですよね。女性の顔が次々と変わっていく。13年前に投稿されたみたいですが、この独特の画質というのも、古本は黄ばんでいる方が好きな私にとっては好みでしかなかったりします。
そして何より、ダミアン・マーリーの語りさとすようなラップと、それに応答するようなサックスの旋律。
タイトルの''Beautiful''というのは、きっと愛する人に向けられたものなのだろう……というのが、まだ英語という概念に出会ったばかりであったろう11歳の私にも如実に感じられました。そのくらい甘美で切実なんですよね。
ボビー・ブラウンのハスキーボイスで飾られるサビも良いですね。ダミアンのパートがラップ調で常にたたみかける感じであるので、そこと対比が聴いていて、ゆえに"My love, you know, I will never let you go''という歌詞、すなわちこの曲のテーマの根幹を成すメッセージが引き立てられもしている。

……もう少し言葉を尽くしてこの曲の魅力を伝えたかったんですが、難しいものですね。ともかく、わたしはこの曲を、毎年一回はすっかり頭の中から忘れて、そして毎回必ず思い出して聴くんです。ここまでの10年弱はずっとそうですし、おそらくこれからもそうだと思います。自らが思い浮かべる"My love"はそのときどきで変わりますが、でもいずれにせよ、人を思いながら聴く音楽というのはいちばん心を豊かにするのだと思いますし、それがこの曲を特別たらしめている理由だとも思います。ああ、長くなってしまった!汗…


おわりに

というわけで、にわかによるラテン・ミュージックのススメでした。最後の曲に関しては、本当に人生の中でお世話になる機会が多すぎて自分語りが入ってしまいましたが、ともかく音楽ってそのくらい素晴らしいよね、ということでご勘弁ください。新しく出会う曲、思い出して聴く曲、どれも素晴らしいものです……。ここで紹介した4曲は本当にどれも好きなので、いつか各ジャンルを少しでも勉強して、解説を入れてまた個別に記事を作ってみたいです。その際は覗いてってください。

それでは……良いお年を。…音楽とともに!

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