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山田風太郎原作の映画『伊賀忍法帖』(82)の魅力とは。感想とリンク集。

◆『伊賀忍法帖』(1982Ninja Wars/Death of a Ninja) ※私の評価

奇想天外、奇妙奇天烈、荒唐無稽を照れずに「大マジ」でやりきる。それだけで「純度の高いユーモア」が宿る。いわゆる「ツッコミどころだらけ」。
大島渚と野坂昭如のパーティでの殴り合いも、両者とも真剣にやってるからこそ、「オモロい」のと同時に、なんともいえない「カッコ良さ」がある。
私は映画館で二本立てで観た。併映は草刈正雄主演の『汚れた英雄』(82)。

伊賀忍法帖』の世界では、主役の「陽キャの幼なじみ忍者カップル」2人だけが、純情可憐な「ラブコメ漫画」の世界の住人で、それ以外のすべての登場人物が泥水のように濁った眼をした「昭和のエロ劇画」の住人という構造になっています。混ざり合うはずのない「水と油」をシェイクして出来上がったものが『伊賀忍法帖』。食い合わせが悪いはず。「昭和のエロ劇画」の住人たる悪役たちは、何かあれば「とりあえず殺す」「女はとりあえず犯す」。こいつらの行動原理は、シンプルにこれだけ。胸糞悪いので要注意。

本作は「強者としての異形(フリークス)」が多く出てくる。ストロング金剛、佐藤蛾次郎、福本清三、みんなイイ顔した「異形(フリークス)」俳優。

東映「伊賀忍法帖」出演で断髪するストロング小林さん(中央)
https://www.sponichi.co.jp/battle/news/2022/01/06/gazo/20220106s00003000498000p.html

本作は、里見八犬伝』と同じく「無理矢理にラブストーリーに収斂」させた終わり方をする映画だ。しかし『里見八犬伝』の洋楽エンディングと違い、本作は宇崎竜童の辛気臭い歌で終わり、ストーリーにもカタルシスが無いので、特殊な能力を持った「異形(フリークス)たちのバトル」の場面は面白いのに、低評価にならざるをえないのが残念だ。未読の原作では、どんな終わり方なんだろうか。原作者は山田風太郎(1922-2001)。小説は一度だけ映画『魔界転生』(81)の原作である『おぼろ忍法帖』を読みかけて序盤で脱落(※小説が苦手)。唯一読破した↓『バジリスク 甲賀忍法帖』は面白かった。

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少し脱線するが、知る人ぞ知る漫画家「風忍(かぜ・しのぶ)♂」のカルト漫画『地上最強の男 竜』(1977年から雑誌連載)は、1967年に単行本化されている『おぼろ忍法帖(魔界転生)』の影響を受け「宮本武蔵ブルース・リー」を作中で生き返らせたと私は思うが、どうでしょうか。↓意外?な面白さです

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↓なんか知らんが「メッチャ画質のいいやつ」が2023年4月28日(金)に発売。

海外の評価】 ガイジンさんは「忍者」大好きだから興味はあるのでは。


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