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静岡ブルーレヴズ観戦記♪10/2♪vs東芝ブレイブルーパス東京〜その『青』、空より青く〜

1.それは『コーラスライン』

台風が残していった熱気は、まだ東京上空に残っていた。真夏のような強い日差し。カラッとした熱風が時折吹いている。この日東京の最高気温は30℃前後らしい。空は雲ひとつない台風一過の空。

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私が応援するジャパンラグビーリーグワン・ディビジョン1所属の『ヤマハ発動機ジュビロ』改め『静岡ブルーレヴズ』

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この日、新チーム結成後2度目の試合を迎えようとしていた。

相手は、あの名門にして古豪

東芝ブレイブルーパス東京

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『ラグビー』といえば『東芝』。私世代には『東芝府中』という響きが懐かしい☺️☺️

サントリーサンゴリアスとの『府中ダービー』でも知られ、長年日本のラグビー界を牽引してきた。

 昨季チームは不調に苦しんだものの、先日の日本代表候補発表では、リーチ選手、徳永選手ら3名が代表候補に、若手一名がNDS(ナショナルデベロップメントスコッド=代表候補になりそうな若手育成枠)に選出されていた。

対するレヴズは、NDSも含めて代表候補に1人も選出されていない😢😢

『2015W杯の立役者』五郎丸歩さんを輩出したチームとしては少々寂しいが、今チームは『変革の只中にある』と思えば、ここは長い目👀で見るところだろう☺️☺️

この試合のスタメンは、木曜に発表されていた。

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おお😳😳今回は、リーグ本番モードに近づいてきたぞ。

もちろん、南ア代表クワッガ・スミス選手など海外代表選手はチームに合流していないが、昨季のトライ王🥇マロ・ツイタマ選手がスタメンに名を連ねている。

期待の若手達は、スタメンとリザーブに分かれてほぼメンバー入りしていた。プレシーズンマッチは、選手を試合中自由に入れ替えることができるからだ。

試される

厳しい淘汰の季節が今年もやってきた。

スタメン、リザーブ、メンバー外

シーズン開幕と同時に、毎試合彼らはこの3つに振り分けられる。まずはメンバーへ、レギュラーへ、そして日本代表へ🌟しかし頂点に至る道は狭く険しい。エンターテイメントの宿命とはいえ、夢と現実の明暗は残酷な程鮮明だ。

ふと思い出す言葉がある。

コーラスライン】

華やかなミュージカルの舞台。オーディションでメインキャストから漏れた者は、舞台に引かれた『一本の線』を超えて前に出ることはできない。彼らはその悔しさを噛み締めつつ、名もない『その他大勢』としてこのライン上で歌い、踊る。次のチャンスを夢見て。

この試合もまた、多くの選手には『コーラスライン』なのだ。

全力を尽くし、チームの勝利に貢献したその先に、『次』の試合のユニフォームが待っている。これをひたすら繰り返すラグビー選手の人生は、その大半が汗と涙でできているのか。

古豪とのこの一戦、

選手たちよ、『その一線』を越えなければ❗️

その先に

新チームと己の未来を照らすスポットライトが待っている。


ONE ひとつの夢 胸に抱いて
ONE ほほえみ持ち 誇り高く
ひとつひとつ きらめきあえば
孤独など 忘れさせるよ
ONE  ひとめだけで誰も夢中さ
世界にひとりの人
Ohh!すごい!その魅力に
みんな ただうっとり
みごとな人               (ミュージカル『A CHORUS LINE』より『ONE』。日本語訳は劇団四季版)

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2.『その青』、より強く、より速く、

都内某所

SNS上そう表現された試合会場ではあったが、グラウンド脇の白い建物には赤くTOSHIBAと書かれていたから、ここはブレイブルーパスの練習場なのだろう。それにしても、、

なんて美しい空間❗️❗️

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見渡す限り青い空、うっすらたなびく白い雲、青々とした芝生の緑、そこにくっきりひかれた白いライン。

電線一本見当たらない広々とした環境に、東芝ブレイブルーパスという名門チームの歴史を見た気がした。

この日の試合は、ブレイブルーパスのYouTube配信で観戦できた。解説は、東芝OBの望月雄太さん、現役の中尾隼太選手、レヴズからは前回に続き日野剛志選手が解説に招かれていた。

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(左から、望月さん、中尾選手、日野選手)

望月さんには小さな思い出がある。W杯2019後、リーチ選手らを擁するブレイブルーパスも殺到するファン達への対応に翻弄されたらしい。その際、

『望月くんがいるから、あそこは大丈夫』

ベテランファンの方々が望月さんのファン対応を誉めていたのだ。いつも優しく、時に毅然と対処できる望月さんが、チームを超えて多くのラグビーファンに愛されていることをこの時知った。

試合開始は13時

私がこの試合を見はじめたのは13:02の事だったが、すでにブレイブルーパスはレヴズ陣内に攻め込み怒涛の攻撃を仕掛けていた。

まずい😨😨

案の定、たまらずレヴズはペナルティーを重ね、ブレイブルーパスはラインアウトからのモールで一気にボールをゴールライン内に押し込んできた。

プレイブルーパス先制🫐 5-0

前回シャトルズ戦の悪夢がよぎる😨😨

しかし、この日のレヴズは落ち着いていた。

浮き足立つことなく、即座に反撃👊👊

数分後、同様な展開からラインアウト→モールであっさりと同点に追いついた🌟🌟

レヴズHO平川選手のトライ‼️

その整然としたモールの前進は、今日の攻撃精度の高さをはやくも示していた。

『お互い、スクラム組みたいんですかね?』

解説陣3人は笑っていた。互いにミスが続き、スクラムが連続したからだ。

これ、シーズン中ならスクラムにしませんよね

レヴズが敵陣内でのラインアウトでペナルティー。しかしブレイブルーパスはボールを蹴り出す事なくスクラムを選択した。

プレシーズンマッチとは、試合という形でチームを仕上げる調整の最終段階なのだろう。

お互いにスクラムなどセットプレーを強みにするチーム、だからこそ練習試合の『相手』として話がまとまったのだろうか。

同点とした後は、前半40分間、ほぼ一方的にレヴズが得点を重ねていった。

その『立役者』の名前を3人は口にした。

レヴズのSOサム・グリーン選手🌟🌟

オーストラリア出身。『負けん気の塊👊👊』みたいな表情が頼もしい。27歳という年齢が信じられないほどやんちゃな雰囲気が漂う。

しかし、巧みにキックを使い分け試合をコントロールする姿は頼もしい限りだった。仲間のトライを演出する絶妙なパスも気持ち良い。

前回シャトルズ戦は、とにかくBK陣の呼吸が合わず、グリーン選手も戸惑いを隠せない様子だったが、今日は右に左に、大胆にアグレッシブな攻撃の起点を作ってくれた。

とはいえ、まだこのチームは途上なのだろう。

ラインアウト

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なぜボール獲得にわざわざチアリーディングみたいな事をするのか?と初心者には摩訶不思議のセットプレー😅😅(写真は昨季クボタスピアーズ戦前の練習風景)

これの平均成功率がどれくらいか知らないが、今日のミスの多さは、ある程度織り込み済みだったのか否か😓😓

敵陣でのチャンスが一転してピンチになる様は、プレシーズンマッチとはいえ、見ていてヒヤヒヤした😱😱

ただ、今季初戦のブレイブルーパスも事情は似たようなものだった。まだ手探り、の部分も多いのだろう。前半からミスが目立った。

そんな試合の膠着を動かしたのは、レヴズの若手BK陣だった🌟🌟

速く、時に大胆なパスの連続でトライを狙う。

前半15分 LOフレッド・ヒュートレル選手トライ❗️大人びているが、なんと2000年生まれ😳😳

昨季トライ王のマロ・ツイタマ選手

前半36分、持ち前の俊足と体の強さで敵を振り切りトライ❗️さすが🙇‍♀️🙇‍♀️

前半終了間際、昨季は怪我に泣いた鹿尾貫太選手のトライ❗️

これは天性のものだろう🌟🌟絶妙なステップと快足で敵陣を切り裂く姿は見事だった😳😳

体型が、あんまりCTBっぽくなくて

日野選手は、『レヴズのバック3は見た目FWっぽい』と紹介していた😅たしかに、彼も体型が四角い。(トップ画中央の赤いCAP姿が鹿尾選手)

鹿尾選手は明るいムードメーカーであることも日野さんは紹介してくれた。

たしかに、プロフィールでは[座右の銘]に堂々と『酒池肉林』と書いてしまう不敵キャラ😅カンタくん、お相手は20歳以上にしてね😓

ここで前半終了。やはりトライの連続は見ていて気持ちがいい🌟🌟

空は相変わらず青く澄んでいた。

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3.その『青』、ただひたむきに

後半、ブレイブルーパスはすぐ修正を図ってきた。FWをより安定させ落ち着きを見せたブレイブルーパスは後半開始早々攻勢に出る。

こんな苦しい局面を打開するのはやはり『この男』だった🌟🌟

ボールは右に右に、ブレイブルーパスは加速してゴールラインに迫る。いよいよ大外右にボールが回るか😳と、その瞬間、

マロ・ツイタマ選手インターセプト❗️❗️

そのまま加速を続ける彼に追いつける者はいなかった。

後半5分、マロ・ツイタマ選手トライ❗️

点差をより広げたレヴズではあったが、前半課題のラインアウトは相変わらず精度を欠いた。

チャンスを得たブレイブルーパスは、粘り強くボールを繋ぎ、後半13分トライに結びつけた❗️中尾選手曰く、

7フェイズ、8フェイズと繋げていく

これがこのチームのお家芸らしい。

攻撃の持続が攻撃の加速に繋がる。そうなると、ペナルティーなしにそれを止めるのは難しい😢😢

それにしても、中尾選手は、ブレイブルーパスの特徴と今後の課題について、まるでNHKラグビー解説でお馴染みの砂村光信さんばりに冷静なコメントを連発していた。

なかなかのキレものだ😳😳😳😳

レヴズは後半17分にも平川選手がこの日2本目のトライ❗️小柄だが決定力がある🌟🌟

170センチなくても活躍できるという、、

望月さんの言葉に日野さんは即座に反応した。

僕、172センチですから。

男にとって『170センチの壁』って大事らしい😳😳😳

レヴズはさらに点差を広げつつメンバー交代を始めた。この『チャンス』をしっかりとものにしたのは

CTB石塚弘章選手🌟🌟

交代直後の後半21分、巧みなステップで鮮やかに敵を抜き去りトライ❗️その滑らかな動きに思わずため息がでた🌟🌟

日野さんが口にする。

成城大学なんですよね。イケメンです。

ラグビーは『大学ラグビー』というカテゴリーが強大な力を持つ。これ程出身大学を紹介するスポーツも珍しい。

関東大学ラグビー・対抗戦グループB、すなわち『ラグビー強豪校ではない大学出身』、ということで石塚選手は紹介された。ラグビーを知らない女の子なら

『石塚くん、イケメンでセレブなのね🌟🌟』

と普通に思うだろうけど☺️それはともかく、

レヴズの場合、非メジャー大学出身は彼だけではない。

日野選手の選手紹介は続く。

2人は東洋大学コンビなんですよね

レヴズハーフ団は既にSH、SO共に交代していた。

SH篭島優輝選手、SO清原祥選手は共に東洋大学出身。関東大学ラグビー・リーグ戦グループ2部のチームだ。

レヴズは、トライアウト合格率はリーグワンで一番高いですから。僕もトライアウトですし。

そう話す日野選手は同志社大学出身。トライアウトで入団後頭角を現し、今や不動のレギュラーに、日本代表キャップも獲得した。彼自身がレヴズの『シンデレラボーイ』なのだ🌟🌟

立命館、龍谷など、関西の、しかも天理のような強豪校ではない大学出身者にも目を向けて、レギュラー級、それ以上に育て上げるレヴズ独特の育成手法は、これまで大きな成果を上げてきた。

育てて勝つ

この信念は、旧ヤマハ発動機ジュビロ、現静岡ブルーレヴズのプライドでもあり、ここがファンを惹きつける魅力でもある🌟🌟🌟

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試合も残り10分少々。

暑いこともあるのか、お互い疲労の色が濃くなってきた。腰に手を当てる仕草が目立ってきた。

後半28分、ブレイブルーパストライ❗️45-17

レヴズは後半35分、交代で入った中井健人選手がトライ❗️

お母様がウクライナ人という彼は、平井堅テイストのビジュアル派、その恵まれた身体を生かして昨季から頭角を現しつつある。

そしてノーサイド。

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静岡ブルーレヴズ🌟初勝利🌟🌟🌟

前後半で計8トライの快勝🌟🌟

爽やかな秋空の下、

『コバルトブルーの若き群像』は

その一撃、その一投、その一歩

全てが『明日』へと繋がる『その一瞬』を、全力で生きていた。

〜あとがき〜

静岡ブルーレヴズとしての初勝利、まずはおめでとうございます㊗️㊗️

プレシーズンマッチとはいえ、一つの勝利は選手達の心を強くしたことでしょう。

己の野心とチームへの献身

一見相反するかに見えるこの二つの感情が合致した時、チームは大きな力を発揮する、といわれます。

しかし、それは簡単なことではなく、嫉妬、焦燥、落胆など、様々な心の葛藤を選手達が乗り越えた先にようやく見えてくるものかもしれません。

レヴズの『シンデレラ予備軍』達は、今後どの様に成長していくのでしょうか。

レヴズファンには、その物語を追っていく楽しみがあります。それこそがレヴズの最大の魅力ではないかと最近感じています🍀🍀🍀













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