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一人の旅を彩ってくれるもの

いつの頃からか旅行は一人で、がほとんどになった。
理由を考えてみると行きたいと思ったらすぐに行ける、同行者に気を使わなくていい、行動するのも休むのも自分の好きなようにできる、等々いろいろあるけれど一番の理由は人との出会いがその旅を濃く彩ってくれて思い出す度に幸せな気持ちにしてくれるからなのではないかと思うようになった。

もちろん家族や友人と行く旅行も楽しい。
綺麗な景色を見て綺麗だね、美味しい物を食べて美味しいね、と気持ちを分かち合うことは誰かと一緒じゃないと難しいかもしれない。
でも一人旅だからこそ味わえる良さもあると思っている。
それが旅先での偶然がもたらす出会い。

一人旅の時は旅費の節約の為ホテルではなくバックパッカーズホステルを宿に選ぶことが多い。
ホステルにはたいてい共同で使えるキッチンやリビングがあり、部屋を数人で使う相部屋にするといろいろな国から来ている旅行者と知り合える。
一人だとたいてい誰かが話しかけてくれたりこちらから話しかけるのも気軽にできる。(誰かと一緒だとその人が嫌じゃないかな、などと気になるし、一人の時の方が圧倒的に話しかけてもらう事が多い)
いろんな国から来ている人と話すのは自分の知らなかった世界を知ることができて楽しい。
泊まる場所に限らず旅の最中はあらゆるところで出会いの宝庫だと感じている。

台湾で同じ部屋に泊まった現地の女性は挨拶するなり”これ全部あなたにあげる”と美味しそうなパンがいくつも入った箱を私にくれた。
さすがに全部もらうのは気が引けて私が持っていたチョコレートと交換に二つだけもらったのだけどそれが後々私を助けてくれることになった。
帰りの飛行機の搭乗手続きが予想外に時間がかかり食事を取る時間がないまま私は空腹で飛行機に飛び乗った。
その飛行機の中でリュックに入れておいた女性にもらったパンを食べて到着までなんとかしのぐことができた。

台湾でのホステル。リフォームされたばかりらしく綺麗で
部屋はもちろん共用リビング、キッチン、すべてが可愛いかった。

先日のスリランカ旅では同じ部屋になったオランダから来た女性に近くの美味しいレストランを教えてもらったり(宿の人より詳しくて親切だった笑)
ロシアから来た女性とお互いに持っていた食料を朝ごはんに分け合って食べたりしてとても楽しかった。
お互いに”あなたの国ってどんな国?”といろいろな話を聞けるもの楽しいし、私が”ここは安かったけどちょっと失敗だったかも(水まわりの設備が悪いなどで)”と思っていても他の国の人から見るとそうでもないらしく”ここは悪くないと思う”と聞くと”そうなんだー”と価値観?の違いに気がついたりする。
オーストラリアでは中国から来て働いているけど新しいアパートに入居できるまでのつなぎとしてホステルに滞在している、という男性と知り合った。
彼はとても親切で私が”近くのスーパーってどのくらいで行ける?””ここ行ったことある?”などの質問に詳しく答えてくれて私が”ありがとう!”と言うと”オレたち同じアジア人だろ。フレンド!!”といつも笑顔で返してくれた。
また別の仕事を探しにオーストラリアへ来たと言っていた人は私とホステルのスタッフのかみ合わない英語の会話を毎回通訳してくれたりした笑。
その他本当にたくさんの人との出会いがあって助けてもらったり、新しい発見や価値観を教えてもらったり数えだしたらきりがない。

オーストラリア、ケアンズでのホステル。
暑かったけど開放的で自由に利用できる調味料や飲み物類が充実していた。

もちろんいつもいい出会いばかりがあるわけではない。
二人部屋で挨拶してもほとんど無視された感じに近くてそのまま数日何も話さないで過ごすことがあったり四人部屋で私以外は皆友達っぽい若い女の子達に混じって居心地の悪い思いをしたり、以前の記事で書いた通りセクハラ被害に遭ったりと凹むようなこともある。
でもそんなことはどうでもよくなるようないい出会いの方が圧倒的に多い。
そしてその出会いは思い出す度に私を幸せな気持ちにさせてくれる。
次の旅ではどんな出会いがあるかな。どんな人に会えるかな。
そんなことを考えながら私はまた次の旅の準備をする。

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