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ちょっと変わった田舎暮らし、はじめます。#12 お風呂

家についてからはお風呂の栓と蓋をしてすぐにお風呂を沸かした。
お風呂が沸くまでの間、私はスマホで撮った写真を眺めていた。

「今日で120枚か。」

ちょっと撮りすぎちゃった気もするけど、思い出として残しておけるから、とつい撮ってしまう。私が写真の整理をしている横でごろうちゃんは持って帰ってきたタンポポの花をじっと眺めていた。

そう、行き道で出会ったタンポポ。帰り道も同じ道を通ったので、持って帰る?と提案したら嬉しそうにしていたから持って帰ってきた。コップに水を注いでその中に挿して置いている。静かにじっとそのタンポポを眺めているようだった。

お風呂が沸くまでまだ時間があるので、夕飯を作ることにした。

今日の夕飯はビーフシチューとサンドイッチ作る時に余った野菜で作ったサラダ。じゃがいもとにんじんを大きめの乱切りにして、玉ねぎは輪切りにして入れた。

輪切りにすると食感がある程度残って食べ応えがあるから、カレーやシチューの時は気に入って輪切りにしている。あとは牛肉を一口サイズのブロック状に切って入れて、煮込んだ。

火にかけている間はお米を洗って炊飯器にセットした。丁度お風呂が沸いたぐらいに夕飯も作り終えた。

「ごろうちゃん、お風呂入ろっか」
「うん!」

家に入る前に玄関で足を拭いたけどお風呂に入ってすっきりしないとね。
着替えを持ってごろうちゃんと一緒にお風呂へ向かった。

「ごろうちゃんってお風呂入ったことあるの?」
「あるよ。ケンゴがいっしょにはいるよ~っていってね、いっしょにはいってくれたの。」
「そっか、お風呂、嫌いじゃない?」
「うん!ぽかぽかして、あったかくて、おひさまみたい!」

どうやらお風呂が好きらしいことは分かった。
でも、好きの表現が可愛すぎて一人でしばらくにやけていた。

身体と髪とを洗って先に湯船に浸かった。それからごろうちゃんを洗うんだけど、全身濡らしたら乾かすの大変かな、と躊躇しながらも結局全身を洗ってみることにした。私はずっと石鹸派なので、多分ごろうちゃんに使っても大丈夫かな。

熱すぎないお湯をごろうちゃんの背中からかけた。ごろうちゃんは自分から回って全身にお湯がかかるようにしてくれた。石鹸を泡立ててからごろうちゃんにつけたけど、ごろうちゃんはくまなので当然泡立ちがすごい。少ない量でもすごく泡が立った。ごろうちゃんの顔以外泡でおおわれて笑いがこみ上げるような見た目になった。

「しろくまみたい。」

あわあわになったごろうちゃんをお湯で流した。本能なのか、ごろうちゃんはぶるぶると体を振って水気を飛ばした。これなら案外早く乾くかも。

一人で入るよりもぽかぽかしたお風呂の時間は終わって、湯船から上がった。

お風呂から上がって、食器を洗って、付けていたエプロンを外しながらごろうちゃんの方をのぞいてみると、ごろうがいつも使っている毛布の上に小さめの岩みたいになって寝ていた。

ごろうちゃんと一緒に歩いたのは当然初めてだし、靴を履くのかすらも分からなかったからとりあえず裸足で歩いてもらってたけど、まったく問題なさそうな感じだった。でも、やっぱり疲れちゃったっぽいから、何か移動手段があった方がいいかも。

食材もそろそろ少なくなってくるだろうし、また買い物に行かないとね。

電気を消して、お布団に入る。
なんでもない特別な一日は終わり。

おやすみなさい。

あとがき

最近、あまり気分が良くなくて、ずっと落ち込んでいました。

そんな中でこの「ちょっと変わった田舎暮らし、はじめます。」のささやかな幸せ感を書き上げるのに苦労していて、投稿までが随分と長い時間をかけてになっています。

只、ある人からの応援もあって、また少しずつ書けたらなと思い始めました。

毎度毎度同じようなことを言っていますが、またちょこちょこと投稿していきますのでよろしくお願いします。

最後まで読んでいただきたいてありがとうございます。
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良ければまた、よろしくお願いします!

梔子。

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