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preview市民ギャラリー栄次世代アーティスト企画展 水上卓哉の世界~イノチトハ~:第11展示室

最後の部屋はこれまでに書いてきた作品の中から特に思い出に残る作品を展示いたします。
見出しの作品は「天使の歌声」「天使の歌声~指揮者~」と対になった作品です。私は受傷前名古屋少年少女合唱団の一員でした。まだ意識が無かったころ、愛知医大病院の中庭で団員のみんなが歌ってくれました。そのあと意識のレベルが変わったと聞いています。私にとっていっしょに舞台に乗った仲間と過ごした時間は大切な宝物です。退院してから、もう一度みんなのところに帰りたいと思いましたが、うまく歌えない自分にがっかりしました。事故から7年後この画面に友達一人一人の歌っている姿と自分を描きこむことで私の新たな一歩が始まったと確信したものです。
どこに私がいるか探してみてくださいね。
今展覧会17日(土)には現在の団員がミニコンサートで歌ってくれます。懐かしい歌声をとても楽しみにしています。
 

サンクタ・マリア~復興~ F30 2011年


東日本大震災の年の夏、「クリスマスの絵を描いて」と言わ
れた私は「今年は楽しいクリスマスじゃない人もたくさんいる
から、復興を祈る作品を描こう」とモチーフを探していました。
あるときふと、こんなやさしい顔のマリア様だったら見た人の
心も癒されるかもしれない・・・。とスペインのカテドラルの
マリア様を見つけて描くことにしました。出来上がった作品を
被災地に贈りたいという気持ちは今も変わらずにいます。たく
さんの方が観ていただける場所で皆さんの心を明るくすること
ができたら・・・・。
一日も早い復興を心から祈っております。


子馬 F6 2005年
名古屋城 2005年

5歳から近所のお絵かき教室の谷口先生のところへ通っていました。毎年ゴールデンウィークの名古屋城景勝保存協会の写生大会は家族
5人で参加する我が家の年中行事で、6年生の時に私は協会長賞(1等賞)をいただきました。しかしその後の交通事故で私の人生は大
きく変わりました。今までできていたことが何もできなくなってし
まったのです。ここに通っていたことを思い出すだけでもよいから母は言い、リハビリの一環としてお絵かき教室に再び通い始めました。いま
までかいていたものならかけるかもしれない…と事故から1年後名古屋城写生大会に参加しましたが思うようにかけず仕上げることが
できませんでした。その次の年、事故から2年後の再チャレンジで再度協会長賞をいただいたのがこの作品です。「私には絵がのこっていた!」と感じた瞬間でした。

自画像

高校2年生の時の作品

玉藻前曦袂~化粧殺生石~F100

「玉藻前曦(たまものまえあさぎの)袂(たもと)化粧(けわい)殺生石(せっしょうせき)」
 
  私と文楽の出会いは京都造形芸術大学(現京都芸術大学)
の授業「文楽」2013年のことです。こんな素晴らしい世界があった・・・。浄瑠璃も、人形も、芸能の伝承の仕方もすべてに感動しました。恥と情を重んじる文化に日本人である私のDNAが騒ぎ始めました。これを口伝で伝えているということ。江戸時代から変わっていないものを見ることができること。子孫のことを考えて活動するところがなんだか私の大切にしているonenessと似ているではありませんか。文楽を描いた1作目「沼津の段」では親子の再開の感動の場面で平作がよろけるところを。2作目の「玉藻前~」では桐竹勘十郎さんの狐の変化(へんげ)に感動し、覚えたばかりの白亜地に紅茶インクを使って描きました。画材の変化による表現の違い
もお楽しみください。

まもなく開幕です。皆様どうぞお出かけください。

名古屋市民ギャラリー栄HP

■9月6日~18日 10:00~17:00 ※月曜休館 最終日は16:00閉場
■市民ギャラリー栄8階全室 名古屋市中区栄4-1-8 Tel052-265-0461
■イベント:9月10日(土)14:00~Sapgreen音楽ライブ               
      9月17日(土)16:00~名古屋少年少女合唱団ミニコンサート
      (14:00~公開リハーサル)

 
 


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