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芸能事務所を辞めた。(始まりと終わり)

私は女優を目指していました。
子どもの頃からの夢、というわけではありません。

きっかけは「死ぬ前に何かしたいことはあるかな?」
と考えた時、「お芝居がしたい」と思ったから。

ちょうどその時、Instagramで某事務所のオーディションの広告が流れてきた。
私が過去応援していた人たちが所属している事務所でした。
「個性」を大事にしてくれる事務所、なはずでした。
どっからどう見ても、「個性的」な人たちばかりで、「ここだ!!」と思った。

あ、「です、ます」と「だ、である」が一緒になってるね。
気にしないで。今思いのままキーボード叩いてる。


2020年2月所属した。
入会費?を支払った。疑問を持った。
ただ、「宣材写真や、SNSのフォローなどのお金であって、これ以降お金を請求することはない」とのことだった。
また、「いわゆるスクールではなく、所属タレントとして活動してもらうので、すぐにお仕事が来る場合もあります。」という説明を受け、契約をした。
レッスン料は毎月別途かかるのだが。

当時コロナウイルスが流行し始めていたため、レッスンはオンラインだった。
正直モヤモヤした。でも、24歳から離職し、入院を経て引きこもりになった私にはちょうど良かったのかもしれない。

そこで出会った講師の方は、素晴らしい人だった。
自分のやりたいことを、やり尽くしている人。
自分の夢のためなら努力し続ける人。
自分の色を持っている人。
私の理想の生き方をしている人だった。

そして、レッスン内容もわかりやすかった。
ただただ、発声練習や筋トレ、台本読みをするのではなく、様々な知識や根拠を持って、「芝居」というものを教えてくれた。
私の性格上、そういった教わり方の方が合っているのだ。
「芝居」について自分なりに考えることが増えた。
「楽しい」と感じた。
「早く体を使って表現したい」と思った。

ただここで一つつまづいた。
SNSだ。
当時の私は「まあ、顔面には恵まれている方だろう」とか考えていた。笑
ところがどっこい、ウケが悪い。
自分の顔面がどんどん嫌いになってきた。

元々インスタとかに、加工した自撮りを載せたり、「映え」のための写真を撮って投稿する、いわゆる「キラキラ系女子」が苦手だった。
ワイがそれをやらなければならない…
苦痛。
それに「映え」の知識もない。
だからインスタの投稿は統一感皆無。
もちろん、顔面加工アプリは使いたくなかった。
化け物になるからだ。(※私の場合)
(ただコントラスト等をいじって、肌を綺麗に見せたりはしていた。笑)

インスタだけではない。
ライブ配信にもつまづいた。
元々やってましたよ。ツイキャスを。
精神障害のことをオープンにして、Twitterにも弱音を吐いたりしていましたよ。
ツイキャスは安地だった。

ところがどっこい。事務所から指定された配信媒体は「ハイテンション」「キラキラ」「若さ」「アイドル?」みたいなものだった。
試しに配信してみたものの、私の素のテンションは受け入れてもらえなかった。
寂しかった。
ただ、そこで私のファンになって、今も応援してくださっている方がいます。
奇跡です。
ありのままの私を、受け入れてくれる人がいた。
嬉しかった。

私は私でありたかった。
ただ事務所所属者としては、事務所の価値、評判を下げるようなことはしてはいけないと思っていた。
だから、ルールは守った。
ルールを守らない所属者もいた。
でも人気があった。
不公平だと思った。

高校生の頃から生きにくさを感じて、19歳で精神科に受診するようになった私は、逃げた。
あまりにも辛かった。
よく知らない人と画面越しにレッスンを受けること。
その後スタジオレッスンが開始されて、みんなと会うことになった時の、周りとの空気感の違い。居心地の悪さ。無理して明るく振る舞う自分への嫌悪。
SNSの伸び悩み。

私はこの世から求められていない

そう思った。

8ヶ月全ての活動をストップした。
そしてマネージャーに「辞めたい」と伝えた。
そしたら、当時のマネージャーさんは私のために時間を作って、話を聞いてくださった。
直接会って、アドバイスもくれた。
「お芝居をやりたいという気持ちが少しでもあるのなら、今辞めるのはもったいなくない?」
「もっとあなたは輝けるはず。自分の殻を破れていない」

困った。
自分なりにやってきたけど、私の感覚と世間の感覚のズレが大きすぎる。
だけど、そのマネージャーさんは、とても忙しい人なのに、私のために時間を作ってくれたのだ。

だから、「私はこのマネージャーさんとレッスンの講師の方のために、必ずデビューしてみせる。」と思った。
恩返しがしたかった。

だから配信も再度頑張った。
何時に配信するのが良いのか、事務所からアドバイスをもらっていたが、体感したかっため、2日間にわたり、夕方〜夜にかけて一時間ごとに配信をした。(こういう調査、結構好きというか、納得するやり方をしたかった)
誰もきてくれず、一人で1時間40分話し続けていたこともあった。笑
そこで救世主登場。
色々アドバイスをくれて、辞めるまで応援してくれた。
私のファン、というよりは、頑張っている人を応援する方だった。
そこからファンが少しずつ増えていった。ありがてぇ

ただ離れていってしまったファンの方もいる。
その方も、初めて配信した時に出会った方だった。

事務所の方針で、配信内で行われるイベントに参加しなくてはならなかった。
私は役者志望だから、役者向けのオーディションにしか出たくなかった。
でも事務所から案内されるのは、モデル向けのものばかりだった。
正直、モデル向けのイベントは、本気でモデルを目指している人が出るべきであって、役者を目指す私なんかが参加したら失礼だと思っていた。
そのことを当時のマネージャーさん(過去お世話になった人ではない。いつの間にか専属のマネージャーはつかなくなり、対応できる人が対応するシステムになっていた。)に相談したところ、「イベントには、そのイベントの主催者も見ているから、配信内容によっては、目をつけてもらえる可能性もあるし、入賞すれば、それだけでデビューのチャンスが広がる」と説明を受けた。

なるほど。
確かに。
私の大好きな木村カエラさんも、歌手になりたかったけど、モデルスタートだったな、と。そこである程度知名度が上がって「sakusaku」の出演依頼が来たんだった、と。
その間も、「歌を歌いたい」と訴え続けて、歌手としてデビューできたのだと。

だから、自分の納得できるイベントには参加しようと思った。
私の信念に合うかどうか。
雑誌のコンセプトは何か。
編集長、製作者はどんな人か。
色々調べて、参加を決意した。

しかし「イベントで入賞する」ということは、「ファンからお金をいただくこと」になる。そこも悩んだ。
「イベントに勝ちたい」
「でもファンのみんなに負担はかけたくない」
葛藤があった。
どうやっても、もう固定のいわゆる「石油王」と呼ばれる人たちが囲っているライバーさんがいるのだ。

どんなにたくさん配信しても。
工夫を凝らしても
勝てない。

そもそも、この配信媒体では若くてアイドル顔の子が人気がある傾向にあった。と、私は思う(負け惜しみw)
だって、可愛いいもん。私だってそう思うよ!
また、私には持病があるため、不規則な生活は、病状悪化の原因となってしまう。
ただでさえメンタルが削れるライブ配信。
だから私は、早朝に配信することにした。

ファンのみんなには申し訳なかった。
私の事情で、振り回して。
それでも配信の時間に駆けつけてくれる人たちがたくさんいて、私は嬉しかった。
たくさん泣いた。
泣き虫ということもあるけれど。
トラブルもあったし。
悔しさもあったし。
配信しすぎて声が出なくなったりしたし。
ワクチンの副反応で、高熱が出て配信できなくなったりしたし。
回線トラブルで、最終枠がバグってしまったり。

「役者になりたいんじゃないの?」
そう言われてしまったこともあった。
その通りだった。
だけど、今の私にできることは、これしかなかったのだ。

オーディションも受けさせてもらえず(講師の方は、「舞台とか出られるレベルだよ」とおっしゃってくれていた)
来るのはエキストラの仕事。それも書類で落とされることが多く、決まったとしても、前日の22時ごろに、集合時間と集合場所、衣装の指定の連絡が来る。
始発で羽田空港まで行ったこともあるが、ギャラより交通費の方が高い!!笑
また、私の体のサイズは伝えてあるのに、衣装のサイズがないと言われたり。
待ち時間、水分を飲むこともできなかったり。

メンタル崩壊。

そんな時に出会った、新しい役者専属のマネージャーさんは、メンタルを重視してくれた。嫌なものはやらなくてもいい、と言ってくれた。
救われた気がした。
当時のレッスンの仲間も、みんないい人だった。(過去の人が悪かったって意味ではなく、波長が合うって意味)
しかもみんな個性があって、同じ台本でも、いろんな表現の仕方を学べた。
みんなすごかった。刺激的で楽しかった。


私が30歳になる頃、私生活にも変化があった。
仕事を始めたのだ。
レッスン費が払えなくなってきたため、主治医の意見を無視して働いた。
それに加えて、配信で大きなイベントにも参加することになった。
そこで病状が悪化した。

簡単に言えば
死にたくなったのだ。

元々希死念慮はマブダチで(笑)
まあ、精神障害あるあるだよねって、耐えてきたんだけど
本当に準備をした。

食事が取れなくなった。
仕事に行けなくなった。
お風呂に入れなくなった。
話すことができなくなった。
音、光、全てが嫌になった。
「もう疲れちゃった」ってなった。

ちょうどそのタイミングで、お世話になっている相談員の方との定期面談があった。
「キャンセルしよう」と思ったんだけど、何か救われるかもしれないって思って、前日来ていた服のまま、洗顔もせず、ボサボサの髪の毛のまま体を運んだ。
(これでダメなら、次の日樹海に行こうと、交通のルートも調べていた。)

入院しよう。

そうすぐに言われて、緊急入院することになった。

救われた気がした。
でもこの世に自分がいる気がしなかった。
ふわふわしていた。

「2週間くらい休ませてくれれば、頑張れます。」
そう伝えたのだが、最低でも2〜3ヶ月は入院が必要と言われてしまった。

マネージャーさんにも連絡した。
「ゆっくり休んでください」と言っていただけた。
そして度々連絡をくれた。「調子はいかがですか?」「暇だったら、なんでもいいのでLINEしてくださいね」と。

それも1ヶ月を過ぎたあたりから、パタリと無くなった。
なんなら配信イベントの案内が届くようになった。

もう無理だな。
でもお芝居は続けたいし、講師の方のもとで学びたいな。
そんな思いで過ごしていました。


そんなこんなで半年間入院して、完全復活とは言えないけれど、生まれ変われた気がした。
もう、やりたくないことはしたくない。
私の好きな私で生きていきたい。

そう思った。
やりたいことも増えた。

だから、事務所を辞めたいとマネージャーに伝えた。
まずは面接をしましょうと、日程調整をしていただいた。

面接の日(ZOOM)
知らない方が、面接の相手だった。
あちらは私と話したことがあるとおっしゃっていたが、私の記録の中には名前はない。(ミーティングの度にメモをとっていた)
そしてアイドル担当のマネージャーさんだった。
あっさりしていた。
「お金がないのなら、レッスン受けられないですもんね」と。
「退所したいというのならば、止めはしません」と。

傷ついた。
なぜ?
こんな大事な話に、今までお世話になっていたマネージャーさんではなく、他の方が対応するの?と。
なんのための「日程調整」だったの?と。

迷いはなかった。
だから不満に思っていたことを、全部(多分)伝えた。
「マネージャーも人間なので」とばかり言われた。

はい。

辞めました。
あっさり辞めました。
グラウド?上で名前を入力して終了。

お世話になったマネージャーさん2名に、おせわになりましたとメッセージを送るも、既読のついたまま終了。

ファンクラブについても、面接で伝えていたことが、伝わってなく、今もファンクラブの運営側と、マネージャーとで対応中です。


長くなってしまった。(通常運転)
別に、その事務所の評判を下げたいとかいう意思はありません。
事実を話したかった。
そして全ての始まりでもあるので、書きたかった。
素晴らしい方々と出会えたのも、事務所に所属したおかげである事も事実です。

講師の方にも会いに行き、お礼を申し上げました。
悲しい。でも関わりがなくなったわけじゃないし!

私が入院した原因に一つ、ということで、ご理解いただけると幸いです。
元々そういう世界(お金の匂い)だってこともわかっていたはずなんだけどね。
ただ、私はお芝居がしたかっただけなのにな。

でもお芝居はどこでもできる。
今も夢の一つだよ!


ファンの方たちには申し訳ないけど、本当にみんながいてくれたから、私は頑張れたよ。
だけど私のキャパの把握不足、管理不足、そもそも持病が不安定なまま進んでしまったことがいけなかったんだね。

「まよ」として、これからも私を応援するよって言ってくれてありがとう。

頑張るね。
私らしく。

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