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亡き友のブログに贈る「二年越しの鎮魂歌(レクイエム)」

この二月、亡き友人から引き継いだブログの記事を95%ほど非表示にしました。

彼が遺したブログを約二年間、代わりに運営してきましたが、そろそろ手を離してもいいかな?と私自身が思えてきたからです。

とは言うものの、いざ記事の大部分を取り下げてみると、あっという間にアクセス数がガタ落ちし、思わず涙が込み上げてきました。

彼が作り上げてきたページ一枚一枚の重みが、そこには確かにあったんだなあ……と、今さらのように実感させられてしまいました。


「もしそうなったら、あとはお願いします」それが彼の遺言だったけど


私が彼のブログを引き継ぐまでには、なかなかに困難な道を辿りました。
というのも、彼は亡くなるまでがあっという間で、私の手元には何一つブログの情報がなかったからです。

彼のお母さんから訃報を知らされた時、私は彼のブログが存在していること、そして彼がそれを私に引き継いで欲しいという意思を示していたことを伝えました。

すると、お母さんも「それならぜひお願いしたい」とのことで、そこからお母さんと私との共同作業で、ブログの引き継ぎ作戦が始まりました。

ログイン画面突破、管理者変更手続き、サーバー移転など問題が山積み


病気で会社勤めが出来なくなった彼は、生活のためにブログで生計を立てていました。

全盛期にはかなり成果が上がっていたようですが、私が運営を開始した時の収益は、ほぼゼロに近いくらいまでに激減していました。

それでも私は、「彼が作ったものを消してしまいたくない」という気持ちで運営を引き継ごうと思ったのです。


元々プログラマーだった彼は、そうしたパソコン作業はお手の物でした。
一方、私は単に自分のブログを運営しているだけのド素人でしたから、彼が遺したパソコンを前に途方に暮れるだけ……。

それをお母さんと連携しながら、どうにかこうにか
パソコンのログイン、サーバーやドメインの管理者変更手続き、サーバー移転など、山積みの問題を一つずつ片付けていったのでした。

彼のパソコン内には「夕貴さん」と書かれたフォルダが残っていた


この頃は専門の業者さんにもたくさん協力を仰ぎましたし、お金もたくさん使いました。
でも、お金なんて正直いくらかかっても構わなかった。

元々、彼は私の前でも明け透けにパソコン画面を開くような人でしたが、
それでも亡くなってから初めてその中身を見た時、そこに「夕貴さん」と書かれたフォルダがあるのを目にして、涙が止まりませんでした。


フォルダ内には、各種パスワードなどの記述はありませんでしたが、二段階認証の強制解除キーなどのデータは辛うじて残っていました。

それらを駆使し、晴れて全部の作業が終わった時は、嬉しくて嬉しくて、泣きながら天国の彼にチャットを送ってしまいました。
(もう届くこともないチャットなのにね……)

あれから二年、ブログを「半分手放して前進する」決意を


その後二年間、自分の仕事をしながら、全く畑違いのジャンルの彼のブログも同時に運営を続けていました。

そもそも収益なんてほとんど出なかったけど、続けていたのはただ単に「手放したくなかった」という理由からです。

ここへ来て、noteを始めたことで、ようやく彼のブログを「半分手放す」決意が出来るようになりました。

そして先日、記事の95%を取り下げ、ほぼペラサイトのような形に(今も)作り変えている最中です。



ブログが膨大なWEBの海に埋没しないためには、常に更新し続けなければならず、そのジャンルに疎い私にとってはかなり大変なことでした。

彼にとっては、それは文字通り「命を削って作り上げてきた作品」であり、
更新されないままで埋もれていってしまうことが、忍びなかったんじゃないかなと思います。

それでもきっと、彼は笑って「いいよ」と言ってくれる…ような気がする


元々はこれ以上ないくらいの、良き仕事上の相棒だった彼。
(あ、私の仕事の、です)
なぜか家族ぐるみでお付き合いをさせてもらい、彼が亡くなった今も、お母さんとはごく普通に連絡を取り合っています。

そんな彼との縁が切れることは、きっとこれからもないと思う。
だから、これでいいのかなって思う。

天国の彼も、きっとそう言って笑ってくれるでしょう。これを書いている今も、「私、前も同じこと書いたっけ?」と思うくらい、デジャヴが激しいです。

今さらこんなことをnoteに書いて何になるのか、とも思うけど
この二年間の私の心の置きどころの存在と、それを手放しても大丈夫と思えるようになったこと。

そんなひとつの節目として、ここに綴ってみたくなりました。
長くなりましたが、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。


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