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信玄と味噌。夏に甘酒。日本人×醗酵の歴史ばなし3選

こんにちは!
エンタメ醗酵ブランド8ccoです!

8ccoは「醗酵で遊ぼう」をテーマに、醗酵(発酵)のおいしさ、楽しさをお届けするとともに、皆さんの健康をサポートしていきます。

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今回は、醗酵食品の歴史に触れる読み物です。

日本には昔から「醗酵」文化が深く根付いていました。
最も古いものでは、奈良時代の文献に、醗酵食品に関する記述が残っています。

人々と醗酵の関係はさまざまな史料に記されていますが、今回はその中から3つの歴史ネタを厳選。
中世(戦国時代)、近世(江戸時代)、近代(明治時代)において、当時の暮らしと醗酵食品がどのように関わっていたか、その一部をご紹介します。


【中世】-味噌は戦国のマストアイテム-

まずは15~16世紀の戦国時代。

戦国武将たちは食料として、戦場に必ず味噌を持って行きました。
味噌は調味料であるとともに、貴重なたんぱく源だったからです。

保存できる栄養食なのもポイントで、干したり焼くなどして携帯しやすくしていたそうです。

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当時の兵法書には、

味噌が切れれば米なきよりくたびれるものなり

(=米が不足するより、味噌が不足するほうが体にこたえる)

と書かれるほど、味噌は重要な食糧だったのです。

戦国武将の中でも、特に味噌への思い入れが強かったのが武田信玄。
通常であれば味噌の熟成には最低3ヵ月はかかるところを、20日程度で完成するレシピ、通称「陣立味噌」を考案し、その味噌玉を兵士の腰にぶら下げて持って行かせました。
行軍をして合戦場に着くころに、ちょうど味噌ができあがるという仕組みです。

信玄は、織田信長が恐れ、徳川家康を三方ヶ原の戦いで大敗させたほどの戦上手。その強さの秘密は、醗酵食品にあったのかもしれません。


【近世】-甘酒は江戸の夏バテ対策-

日本に古くから伝わる醗酵ドリンク「甘酒」。
寒い日に飲むと、とても体にしみますよね。

日本史の教科書でおなじみの『万葉集』に収められた、山上憶良の貧窮問答歌には、以下のような一節があります。

風雑り 雨降る夜の 雨雑り
雪降る夜は 術になく 寒くしあれば
堅塩を 取りつづしろひ 糟湯酒 うち啜ろひて……

(=風が吹いたり、雨が降ったり、雪が降ったりして寒くてどうしようもない夜は、塩を舐めながら糟湯酒をすすった)

この「糟湯酒(かすゆざけ)」は、酒粕からできた甘酒であったといわれています。

ちなみに甘酒には、米と麹を醗酵させて作る「米麹甘酒」と、酒粕と麹を醗酵させて作る「酒粕甘酒」がの2種類あり、糟湯酒は後者に近いものだったのでしょう。

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そんな「冬の飲み物」というイメージの強い甘酒。
ところが江戸時代には、旧暦の6月1日に甘酒を献上したという記述が見られます。

旧暦の6月といえば、今では夏。
奈良時代では寒い季節の飲み物だった甘酒が、江戸時代には夏の飲み物としても認識されていたようです。

ペリーが黒船に乗って浦賀に来航した嘉永6年(1853年)に完成した『守貞謾稿(もりさだまんこう)』という書物には、江戸・京都・大阪で暑い夏に甘酒を売り歩く売り子の様子が描かれています。

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[『守貞謾稿』に描かれている甘酒売りの様子/所蔵:国立国会図書館]


なぜ、甘酒が夏にも飲まれたのでしょうか。
当時は今のように冷房や扇風機もなく、夏の暑さをしのぐ手段は限られていました。

甘酒は、人が活動するときに必要不可欠なエネルギー源であるブドウ糖が豊富で、アミノ酸やビタミンも多く含有しています。
つまり、夏バテ予防にピッタリの飲み物なのです。

実は「甘酒」は、夏の季語。
暑い季節にも江戸時代の人々に親しまれる、夏の風物詩だったのです。


【近代】-ヨーグルトは文明開化とともに-

生乳などの乳製品(成分)を、乳酸菌だけで発酵させたものがヨーグルト。
食欲を増加させ、胃液の分泌や腸のぜん動運動を促し、消化吸収を助ける働きがあります。

ヨーグルトの起源はヨーロッパ、アジア、中近東など、さまざまな説があり、およそ7000年前とされています。
日本では、1900年ごろに作られはじめました。

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でも、なぜ日本にヨーグルトが広まったのは、明治時代なのでしょうか?
ちなみに日本では、中世以降に武士が台頭してから長い間、乳を利用した食文化は発達していません。

その理由は、人々が酪農用の牛を育てるよりも「乗用馬の飼育」に重点を置いたからです。
中世は戦の時代。牛は、牛車や農耕用として活躍する機会はありますが、馬のように人が背中に乗って自由自在に操るのは難しかったのです。

そんな“優先度の低かった”乳製品にまつわる事情は、明治期以降に激変します。

乳製品は文明開化を象徴する食品として評価されるようになり、富国強兵政策のもと、食肉と同様、牛乳・乳製品が「体を強くする」ものとして注目を集めるようになったのです。

それから時を経た戦後の時代、日本でしばらく続いた食糧難において、人々の間で優れた健康食品としてヨーグルトが認知されるようになっていきました。


【現代】-醗酵で遊ぼう。8ccoの挑戦-

そしてさらに時は流れて、現代。

はるか昔から日本人に愛されてきた醗酵食品は、今あらためてその価値が見直され、注目を集めています。

8ccoはそんな“醗酵”の持つ健康パワーと、奥深さ、面白さを追求。
薬膳醗酵コーラ「覚醒」、ハーブ入り醗酵ジンジャーエール「恋する爽快感」という2つのプロダクトを生み出しました。

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現代の忙しない日々を駆け抜けていても、ワクワクとトキメキは忘れないでほしい。
今までにない角度から「醗酵」を楽しんでほしい。
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ぜひお試しいただけるとうれしいです。


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