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「魔の山」読書メモ①

本を読む時間が増えた。

時間があるからいつもよりペースも速くて色々な本を読むことができている。とても充実している。

ただ、ペースが速いせいか、内容を上手く咀嚼することができずに先へ進んでしまい、読了後、自分はしっかり作者の言いたいことを感じることができたのだろうか、と疑いたくなることもしばしばある。自分の頭の弱さに頭を抱える毎日だ。

だから本を読んだら簡単なメモや感想を書き連ねることにした。特にこれと言って書くルールは決めずに、何となくのノリで書いていこう。

魔の山

今読んでいるのはドイツの文豪・トーマス=マンが書いた「魔の山」。

この本との出会いはとある小説。村上春樹「ノルウェイの森」で主人公のワタナベが読んでいたのが印象的だったからだ。前にもこんなことがあった。確か一回目に「ノルウェイの森」を読んだときはワタナベに影響されヘルマン=ヘッセが書いた「車輪の下」を大学の図書館で借りて読んだ。そんな記憶が蘇る。

思えば村上春樹にはめちゃくちゃ影響を受けている。いま、文章を書きながら流しているボブ・ディランも彼の作品の中に出てきたアーティストだ。今日見た映画「2001年宇宙の旅」もそう。最近飲み始めたウイスキーも。村上春樹の作品に出てくるそれらはとても魅力的で、そしてそれらを手にすると村上ワールドの登場人物になれるみたいで良い。

ハナシが少し脱線したが、こうして出会った「魔の山」は僕が読む前に想像していたよりは面白い。

~読んだとこまでのあらすじ~
試験勉強に疲れたハンス・カストルプは、ダヴォスのサナトリウムで3週間の療養生活を送ることになる。いとこのヨーアヒム・ツィームと共に過ごすなかで病を抱える様々な人と出会う。特に人文主義者セテムブリーニとの対話は面白い。少しずつハンス・カストルプにも病魔が迫っているような描写がある。

特に印象に残ったのはハンスの時間間隔に関する議論だ。

「秒針が一回りするのに要する時間なんて、実はまちまちなんだ。」
「習慣とは、時間間隔の麻痺を意味する。」(本文より)

ここでハンスが言いたいのは、時間が長いと感じるのは、単調な時間を過ごすから。そしてそのような時間の積み重ねは全体的に見たとき、とても短い。逆もまた然り。

ここの記述に関して、とても共感した。

私たちが今過ごしている時間はとても長い。でも、この時間をあとで全体的に眺めたとき、果たして長いと感じるか、短いと感じるか。人によって違うだろう。

僕は数か月後、今の時間が少しでも長く感じられるように、今を短く生きたいと思った。


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