中国ベンチャーに学ぶ・陆「確かなポジションを獲る」

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🔳圧倒的優位を勝ち取るために”確かなポジションを獲る”

2015年5月に発表された中国製造2025は、中国が建国100年を迎える2049年に「世界の製造強国のTOP集団入り」を目指す長期戦略の根幹とするべく、”次世代情報技術や新エネルギー車など10の重点分野と23の品目を設定し、製造業の高度化を目指す”ためのものです。

第1段階である2025年までの目標は「世界の製造強国の仲間入り」となっています。これは、品目ごとに国産比率の目標を設定していて、例えば産業用ロボットの分野では「自主ブランドの市場占有率」を2025年に70%としたり、次世代通信規格「5G」の移動通信システム設備においては、2025年に中国市場で80%、世界市場で40%を獲得する、という高い目標が掲げられました。製造強国の仲間入りというより、確かなポジションの確立を目指す、と言えそうです。

▼中国製造2025の"10"の重点分野
1.次世代情報技術 / 5G(次世代通信規格)、半導体
2.高度なデジタル制御ロボット、工作機械
3.航空・宇宙設備 / 大型航空機、有人宇宙飛行
4.海洋エンジニアリング、ハイテク船舶
5.先端的鉄道設備
6.省エネ・新エネ自動車
7.電力設備 / 大型水力発電、原子力発電
8.農業用機材 / 大型トラクター
9.新素材 / 超伝導素材、ナノ素材
10.バイオ医薬・高性能医療機械

この中で、次世代通信規格5Gがもたらす人々の生活の変革は日本でもよく耳にするところですが、中でも特に重要とされる航空・宇宙分野において、中国が独自に展開している衛星測位システム「北斗衛星導航系統、通称:北斗」が米国のGPSを超える性能と基地数をいよいよ実現する日が近いとされています。

これは、単にGPSよりも正確な位置情報を割り出すということだけではなく、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)が技術開発でリードする5Gと北斗とを連携させることで、中国が世界の情報を手中に収めることが可能となることをも示唆しています。インドで30%のスマートフォン市場を押えている小米科技(シャオミ)にしても同様です。

衛星測位システムは、カーナビやスマートフォンの地図アプリ、船舶の航法システムなどで利用されており、今後は配車やドローン配送といった場面でもますます活躍が期待されており、高い精度でますます必要とされる機能です。ですから、もし数と性能で世界一を誇る"北斗✖華為技術"や”北斗✖小米科技”が確立されたとしたら、反米国家がそれを知ったとしたら、その恩恵を享受したい国は後を絶たないのではないでしょうか。

事実、中国のスマートフォンの70%以上に既に北斗の位置情報サービスを利用できる機能が搭載されており、プロダクトイノベーションによって生み出された製品は、国境を越え、海を渡り、中国以外の国々に日々行き届いている状態です。つまり、”目に見えない”ポジション獲りが既に繰り広げられているのです。

北斗の関連製品の輸出先は約120カ国・地域と確実に広がっており、北斗のサービスや関連製品の生産に関わる経済規模は2020年中には4千億元(約6兆2,600億円)にまで成長するとの予測も立てられています。


「世界の製造強国の仲間入り」した5年後の2030年には、中国は米国とロシアに次ぐ「宇宙強国」となる目標を掲げているのです。これは、宇宙開発とセットで軍事力強化に繋がる話でもあり、国防が情報戦略と表裏一体であることをうまく逆手にとって、民間企業を国家戦略に活用した巧妙ささえ感じてしまいます。

一方、世界の「海」では海底ケーブル敷設事業の24%(アジア全体の54%)に中国が関与しています。海底ケーブルの総延長距離地球30周分に及ぶため、実際この海底ケーブルを制する国が、海の覇者となるのです。

ここでも"目に見えない"ポジション獲りはとうに始まっています。このまま海底ケーブル事業も積極的に中国が優位性を築くのだとすれば、「空 / 北斗」と「海 / 海底ケーブル」、そして「陸 / 5G」と、地球上における主導権を中国が掌握することになります。これを、”情報資源を勝ち取りにいく為”と考えるならば、中国にとっては正しくかつ強い国家戦略と言えそうです。


2014年11月に開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、中国の習近平総書記が提唱した「一帯一路 / シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード」の広域経済圏において、インフラ整備とグローバルなネットワーキングを実現した中国がイニシアティブを握り、数々のデジタルイノベーションによって、”全く新しい生活と快適・便利で高次元な生活様式が提供されるであろう人々の暮らし”そのものが実はアンダーコントロールされている、という図式が整うのも、時間の問題なのかもしれません。

ですから、米国の民間シンクタンク”戦略国際問題研究所(CSIS)”は、中国の動きに対して牽制しているのです。

永井竜之介さんの著書、
「リープ・マーケティング 中国ベンチャーに学ぶ新時代の「広め方」 」
日本と中国の比較をするポイントの一つとして、
”人づきあいにおける教え”が全くの真逆であることが記されています。

”親が子に、目上の者が下に教える根本的な価値観として、日本では「人に迷惑をかけるな」と教えられる。(中略)他者・周り・環境に合わせることが重要視されやすい。(中略)
一方、中国では「人にだまされるな」と教えられる。(中略)他者の言う事を鵜呑みにするのは危険で、自分・身内の適切な判断が重要視されやすい”

考えや文化が違う、と言ってしまえばそれまでですが、この基本的な在り方や考え方が違うことが、全ての根っこになっていることは明らかでしょう。

中国では、生き残るためには自分たちを守ることが必要なのです。
ですから、確かなポジションを獲ることで自分たちの利益を守り、
信頼関係が生まれ、栄えていく
ことができるのです。

<続く>

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