VUCAの時代の必読書「プロティアン」
プロティアン・キャリアとは
一昨年、法政大学のキャリアデザイン学部の田中研之輔教授が出版なさった『プロティアン』という著書。
この本を読んで、私の人生観はガラリと変わりました。
ちなみに「プロティアン・キャリア」というのは
「プロティアン・キャリア」とは、環境の変化に応じて自分自身も変化させていく、柔軟なキャリア形成のことをいいます。
「プロティアン(Protean)」はギリシア神話に出てくる、思いのままに姿を変えられる神プロテウスが語源となっており、「変幻自在な」「多方面の」と訳されます。
組織内でのステップアップに重きを置いた従来のキャリアにかわり、地位や給与ではなく、自己成長や気付きといった心理的成功を目指す。アメリカの心理学者ダグラス・ホールによって提唱されたキャリア理論です。
(プロティアン研究会 https://sig-protean.org/ )
プロティアン研究会|変化する時代に合ったワークモデルを考創・発信
「プロティアン・キャリア」は、環境の変化に応じて自分自身を変化させ、柔軟に働き方を変えながらキャリア形成するためのある種ワーク・スタイルです。終身雇用が終焉を迎え、複数の会社でキャリアを積むのが一般化した現代、戦略的にキャリアを築くことが重要になっています。私たちと一緒に、プロティアン・キャリアについて考えて行きましょう。
リンク
sig-protean.org
ということ。
知らない間に「プロティアン・キャリア」を築いていました
私は新卒でNTT東日本に入社しました。
そこではコールセンターのオペレーターから始まって、センター運営や業務改善、そして子会社に出向して経理・経営企画を経験。
12年間の勤務の後にコンサルティング会社の経営企画に転職。
その後、美容商社の総務や上場準備、IRなど22年間の会社員を経験したあとに、起業しました。
どちらかというと、何かの分野のスペシャリストというよりは、広く浅く経験したゼネラリスト。
この「ゼネラリスト」であったことが、3社目の転職時には足を引っ張ったんですね。
なぜなら何か一つの分野に特化した「スペシャリスト」を求めている会社が多かったから。
(採用してくれた会社は逆に「ゼネラリスト」を探していたので、単に相性の問題だったんですが)
なので、この経歴が特に強みとも思っていなかったし、「自分が好きなことをなんとなくやってきただけ」と思っていました。
でも、田中教授の『プロティアン 70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』を読んだとき、私の経歴はまさに「プロティアン・キャリア」だーーーー!!!と気が付きました。
キャリアを組織にゆだねるのではなくて、自分がやりたいと思ったことを貫いて、その仕事に就くための行動をしていたからです。
(まあ、そんな高い志というよりは、単に「おもしろそう」「他人があまり経験しなさそうな仕事がしたい」というだけではありましたが)
そして、この「プロティアン・キャリア」は今のような先行きが不透明な時代には一番強い生き方だとびっくり
自覚がなかったけど、これからの時代に必須ともいえる「プロティアン・キャリア」を自然に作ってきたんだと気が付きました。
しかも、自分では「なんとなく、おもしろそう」で選んできた仕事と思っていましたがよくよく振り返ってみると
「私は優秀な人間ではない。周りと同じことをやっていても埋もれるだけ」
「だったら、他の人があまり経験できなさそうなことをやろう」
そう思って、ベンチャー企業が上場するための準備をする仕事を選んだんでした。
(何十万という企業がある中で、1年間に「上場」までにこぎつく企業は100社もあるかどうか。自分が入社した時にそのタイミングに合うかどうかを考えたら、ものすごくレア)
「つぶしが効く仕事をしよう」とは全然思いませんでした。
なぜなら「誰でも出来る仕事なら、敢えて経験することもないかな」と思っていたからです。
その話を、後日講演会で田中教授にお目にかかり、お話をしたら
「それは、無意識に戦略を練って、その行動をしてたってことですよ。立派にプロティアンキャリアです。」とお墨付き(?)をいただきました。
おわりに
今までの経験が全部「武器」になる!!と気づけたのはこの本のおかげです。
たくさんの本を読んでいますが、間違いなく私の人生を変えた1冊。
(そういうわけで、勝手に「プロティアン」の伝道師として、地味にあちこちで言いまくっているので、私の周りでは「プロティアン」と「プロテイン」を間違える人は減りました)
これからのVUCAな時代(不透明な時代)の働き方は、組織の中だけで出世すればよいというわけにいきません。
ハンドルは自分で握って、自分に合う働き方を見つけないと、不時着してしまいます。
これからの働き方についてヒントが欲しい方は、必読の一冊です。